中国現代文学・文化の諸事象に関する海外研究機関との共同研究
中国現代文学・文化研究所
Institute for Literary and Cultural Studies of Modern China
研究テーマ
研究概要
本研究所は、中国現代文学・文化について海外との共同研究を推進するために、早稲田大学の同分野に関する研究拠点として構想されたものである。設置の目的は主に次の2点に集約される。
中国華東師範大学現代中国文学研究与資料中心、シンガポール南洋理工大学人文与社会科学院をはじめ、東アジア各地域の研究機関と協力し、同分野に関するデータベースの構築と共有化、個別のテーマに関する国際会議・研究会などの開催を通じての最先端の知見の交換、研究成果の各国語での公表・共同出版などを進める。(個別のテーマについては、研究所内に小研究グループを設置し、それぞれについて各地域の研究機関と共同研究を進めることも視野に入れている。)
あわせて、各地域の研究機関と協力して、共同研究への大学院生、若手研究者の参加を促し、研究・作業をともにすることで、国際的な視野と交流関係を持つ、新たな世代の研究者の育成をはかる。
研究報告
※中国現代文化研究所
2011年10月01日〜2016年09月30日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=5Q&kbn=0&KikoId=01
2011年度
研究報告東日本大震災の発生により、2011年度の活動は大きな影響を受けることになった。201年度末の2011年3月16、17日に行った国際シンポジウム「シンポジウム:新世紀東アジア諸都市のサブカルチャーと若者――ライトノベル、マンガ、村上春樹――」は、震災のために一日の開催に短縮を余儀なくされたが、震災の影響で大学の開講が一ヶ月遅れ、所員もその対応に忙殺されたため、その後のシンポジウムの成果の公表も遅れることになった。結果として、上半期は、千野が東アジアのサブカルチャーに関するフィールド調査を引き続き行ったほか、研究所としてまとまった活動は下半期に持ち越された。
その間、2011年9月末をもって、「中国現代文学・文化研究所」は5年間の設置期間を終えることになり、所員との協議の結果、新たに「中国現代文化研究所」として活動を継続することを決定し、申請の結果、同研究所の設置が認められた。構成メンバー全員が引き続き新研究所の所員として活動する。
下半期は、新生「中国現代文化研究所」の下、シンポジウムの成果をまとめた報告書として『アジア遊学149:東アジアのサブカルチャーと若者のこころ』(勉誠出版、2012年3月)を刊行するとともに、2012年3月23、24日に、昨年のシンポジウムに新規調査の成果をつけ加え、新たなゲストを迎えて、国際シンポジウム「新世紀:東アジア諸都市のサブカルチャーと若者の心――マンガ・アニメ、ライトノベル、コスプレ、そして村上春樹」を開催した。
2010年度
研究報告今年度も、学内の教員が相互に情報を共有し、協力して活動する拠点を作り、本学の現代中国文学・文化に関する研究をいっそう活性化させることを目標に活動を行った。主にシンポジウムや講演会、共同研究への支援などを通じて、海外の研究者や研究機関と連携し、情報・知見などの交流を促進することに力を入れた。具体的な成果は下記のとおり。
シンポジウム
2011年3月16日「新世紀東アジア諸都市のサブカルチャーと若者―ライトノベル、マンガ、村上春樹」雷啓立、落落、趙楠、陳柏青、陳宇?、千野拓政(ただし、震災の影響で代表12名のうち7名が来日できず、2日の予定を1日に短縮し、作家・落落氏の講演も中止した。今年度中に再度開催する予定。)
座談会
2010年10月 千野拓政〈上海文化身?的建立、回?与重?〉(于同?大学)《上海文学》10月号
論文
2010年5月呉念聖「第一編 第五章 呉朗西と飯森正芳―近代中日知識分子交流一例―」、王勇主編『人物往来と東亜交流』、光明日報出版社
同年5月小川利康「動向〈文学〉」『中国年鑑2010』(中国研究所)
同年6月25日千野拓政〈《1Q84》?何如此?火〉《文???周?》
同年7月呉念聖「畢修勺与陳誠」、中央文史研究館・上海文史研究館『世紀』第4期
同年10月千野拓政〈?文化与青年感性的?化??从??城市文化所能看到的?代文化的?折〉《?子江??》(江?省作家?会)2010年第5期
同年11月小川利康「?光慈:旅日前後的蛻變:《麗莎的哀怨》與《衝出雲圍的月亮》之故事結構比較」(『第八屆東亞現代中文文學國際學術研討會論文集』、慶應義塾大學)
2008年度
研究報告中国現代文学・文化研究所は、今年度も、本学における現代中国文学・文化の研究の振興を目的に、相互の情報交換、研究支援、学内での学術活動の展開を柱に活動した。
主な活動は下記のとおり。
2008年4月15日:講演会の開催。
講演者:シンガポール南洋理工大学人文社会研究所所長、王宏志教授。
演題:翻訳と中国文学
2009年3月23日:講演会の開催。
講演者:上海大学中国当代文化研究中心所長、王暁明教授。
演題:今日の中国における新愛国主義について。
2009年3月24日:シンポジウム「近代文学の誕生――日本と中国を中心に」の開催。
司会:千野、発表者と題目は下記のとおり。
王暁明(上海大学)「中国現代文学的起源」
任雪蕊(現代家庭雑誌社資深編集)「現代早期的中国児童文学」
関詩珮(シンガポール南洋理工大学)「晩清文学的少女像的消失――以林?為例」
張文菁(早稲田大学助手)「反共与言情之間――台湾的現代通俗文学」
池田智恵(学術振興会特別研究員)「灯火人影――新聞報副刊《快活林》与創作探偵小説」
千野拓政(早稲田大学)(総括報告)「現代文学的誕生――以日本和中国為例」
2007年度
研究報告 中国現代文学・文化研究所は、学内における中国近現代文学・文化研究者の横断的な連絡組織として、2006年10月に設立された。中国近現代文学・文化の分野において、学内の研究・教育活動を活発化し、国内・国際共同研究(ならびに研究者の養成)を推進することを目指している。メンバー(2007年度)は、文学学術院・千野拓政、高屋亜希、政治経済学術院・齊藤泰治、法学学術院・門田康宏、呉念聖、商学学術院・小川利康の6名。
2007年度は中国からの研究者・作家を迎えて、公開の講演会・討論会を数回行った。詳細は次のとおり。
? 講演会:4月21日、顧錚氏(復旦大学教授・写真家)
テーマ「写真における上海」
? 講演会:5月19日、聞黎明氏(中国社会科学院近代史研究所
研究員)
テーマ「聞一多刺殺事件の収拾におけるアメリカの役割」
? 講演・討論会:11月23日、張賢亮氏(作家)、畢淑敏氏(作家)
テーマ「近年の中国文芸界について――わたしの状況から」
(張賢亮)
「最近の中国における女性創作について――自作を中心
に」(畢淑敏)
こうした活動とあわせて、各所員がそれぞれの研究領域に即して研究を進め、積極的に論文を発表している。(詳細は省略)
また、一部所員が参加して、中国の研究者王暁明氏(華東師範大学・上海大学教授)、王宏志氏(シンガポール南洋理工大学人文社会科学研究所所長)との共同研究「近代文学の起源――中国と日本を中心に」もスタートした。この研究には本学の大学院生2名が参加しており、若手研究者の育成も視野に入っている。
2006年度
研究報告中国現代文学・文化研究所は、学内における中国近現代文学・文化研究者の横断的な連絡組織として、2006年10月に設立された研究所である。中国近現代文学・文化の分野において、学内の研究・教育活動を活発化し、国内・国際共同研究(ならびに研究者の養成)を推進することを目指している。メンバーは、文学学術院・千野拓政、高屋亜希、政治経済学術院・齊藤泰治、法学学術院・門田康宏、呉念聖、商学学術院・小川利康の6名。
年度途中の設立だったこともあり、2006年度は、2007年度から本格的な活動を始めるための準備に時間を割いた。その一つが、学内での研究を活発化する活動の一環として、2006年12月22日に文学学術院中国語中国文学専修との共催で行った、ニューヨーク大学比較文学講座教授・張旭東氏の公開講演会「毛沢東以後の電影モダニズム――理論的、歴史的回顧」である。
2007年3月開催の所員会議で、2007年4月から活動を本格化し、公開研究会・講演会などを定期的に開催すること、ならびにホームページなどを通じてその成果を広く公表していくことを確認している。
所長
千野 拓政[せんの たくまさ](文学学術院教授)
メンバー
研究所員
千野 拓政(文学学術院教授)
斉藤 泰治(政治経済学術院教授)
小川 利康(商学学術院教授)
門田 康宏(法学学術院准教授)
楊 達(文学学術院教授)
招聘研究員
呉 念聖(早稲田大学大学院法学学術院非常勤講師)
連絡先
文学学術院千野研究室(戸山キャンパス39号館2413室)
E-Mail:[email protected]
Tel&Fax:03-5286-3413