Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

道空間研究所【活動終了】
Sociological Institute of Road-space

【終了】2000~2010年度
過去の研究所活動はこちら

研究テーマ

グローカルな道空間における多元的社会過程

研究概要

本研究所は、2000.4〜2006.3まで開設された道空間研究所の研究成果を基礎にさらにこれを発展的に継承して開設された研究所である。
四国遍路道を中心とする「巡礼の道」を主要事例とした道空間に関してこれまでわれわれが探究してきた一連の調査研究から帰結した主要な知見のひとつは、道空間の構成や生成における根元的な多元性とこれに応じたその文化的豊饒性という位相に関するものであった。
本研究所では、この問題をさらに発展させて、道空間の多元性にも深いかかわりを持つと思われるグローカル化した現代社会の一群の主要動向のうち、(1)公共性、(2)高度情報ネットワーク化、(3)多元的メディアを媒介とした表現文化、という相互に関連する3つの主要な社会文化的地平から道空間の多元的な現代的諸相を探究し、その学際的かつ総合的な理解を目指す。
このことにより、現代社会においても不断の生成変容過程にある道空間が持つ多様な社会文化的な可能性とその規定要因に関してさらに高度かつ体系的な知見を導出することをその主要な目的とする。

研究報告

※道空間研究所
2000年04月01日〜2006年03月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=A6&kbn=0&KikoId=01

2009年度
研究報告 本研究所の2009年度における研究活動は、前年度の研究課題(「現代都市の道の多元的な空間構成における公共性とコンフリクト」が中心課題)に関する3分野(道空間をめぐる「公共性」「高度情報ネットワーク化」「表象メディア」)に沿ったフィールド調査・ドキュメント分析等による分析結果を吟味精査し(定例研究会)、これらを総括した調査研究報告書(分担執筆)の作成作業を中心に行われた。あわせて、次年度以降の研究計画(「グローバル化と遍路道文化」(仮))に関する精緻化作業も行われた。
なお、上記研究成果は、『現代都市街路空間の多元性と公共性』として12月に刊行された。本報告書は、社会的相互作用空間としての「都市街路」が、人や各種の車など多様な移動体相互の移動を可能にする秩序生成のメカニズムやコンフリクトに主な焦点をあてたもので、4部構成からなる。1部は理論的分析、2部は実態論的分析、3部は表象メディア論的分析、4部は今後の研究展望である。それぞれに多様な、街路空間、移動メディア、社会的状況等に規定された国内外の多数事例を、多様な視覚的諸データを用いて、社会学的/情報文化学的/表象メディア論的な諸手法で分析の俎上に載せたものである。多元的アプローチによる知見相互の交通整理に関しては、なお今後の課題となったが、多様な街路空間が持っている移動秩序や街路文化をめぐる多元性と公共性に関する諸問題考察の豊富な手掛かりを提供したものである。
2008年度
研究報告 本年度の研究活動は、3つの研究分担グループに分かれて実施した。(1)「巡礼の道と道空間の公共性」研究では、科研費による「現代都市の道の多元的な空間構成における公共性とコンフリクト」調査研究の前年度事前調査を受けて、各調査地点での本調査が実施された(松山・月山・高知・岡山・金沢・那覇・世田谷区・台東区・渋谷区・町田・横浜・パリ他)。各地で蓄積された調査データをもとに、調査研究報告と分析討論を通して公共性とコンフリクトの様々な問題点が析出解明され、とりわけ、移動メディア間の動物行動学的コンフリクトの重要性が確認された。また、四国遍路道に関しては、遍路道文化の近年の変容動向とその可能性について問題提起する諸研究が論文として提示された。(2)高度情報ネットワーク研究では、高知県を対象とする地域生活情報システムに関する事例研究が実施された。(3)道空間の表象文化研究では、カメラ映像による道空間の表象(「東海道」(川崎〜東京)と川崎地区「街路」)に関する諸研究と19世紀フランス絵画における道空間の表象等に関する諸研究が実施された。研究成果の一部は、調査研究報告書として現在、編集中である。
2007年度
研究報告 本研究所では、各研究分担グループ別に、?本年度より開始した科学研究費「道空間における公共性とコンフリクト」に関する調査研究の現地本調査、?四国遍路道の世界文化遺産化運動にかかわる本調査の実施、?道空間の映像分析に関する調査研究、さらに、研究所員全員にかかわる研究活動として、?道空間の多元的構成に関する論文集の出版・編集活動などを中心に研究を実施した。本年度の中心的研究活動である?については、複数都市部におけるさまざまな形態の道空間での多様な移動メディア間および同一メディア同士間にみられる利用の公共性とコンフリクトに関する質的データとして動画・静止画映像の撮影・収集析出を中心とした現地調査が複数回実施された。?については、遺産化運動に直接的に関連する八十八箇所全札所にたいする郵送調査の実施した(報告書は近刊)。?については、1950年代のアメリカの道と街路についての2次的資料としての写真群の解析や現代における東海道五十三次に関する1次資料としての写真群等に関する一連の研究報告による新展開が特筆される。?については、『道空間のポリフォニー』(音羽書房鶴見書店、2007年8月)が出版された。
2006年度
研究報告 本研究所では、本年度は主として、次年度の本調査に向けた探索的調査研究を中心とした研究活動を実施した。具体的には、各研究分担グループ別には、?道空間の多元性に焦点を当てた「道空間における公共性とコンフリクト」に関する調査研究の設計作業、?1996年遍路調査にかかわる追跡調査「10年後の遍路たち」に関する現地調査の実施、?道空間の映像分析に関する研究計画に関する準備作業、また、研究所員全員にかかわるものとして、?道空間の多元的構成に関する問題提起を主目的とした論文集の出版計画準備作業などを中心に研究を実施した。?については、道空間を取り巻く多様なエージェントの多様な関わりを析出する調査設計とパイロット的調査(公共性・コンフリク調査と遍路道世界遺産化運動調査)の実施、?については、研究成果報告書『10年後の遍路たちー1996年遍路調査対象者への追跡インタビュー調査―』を刊行した。?については映像表現からみた道分析設計についての数々の問題提起がなされた。なお、NHK出版協会『四国八十八箇所はじめてのお遍路(趣味悠々)』に当研究所所有の一連の資料のうち、吉田初三郎画「遍路鳥瞰図」掲載の要請があり、貸し出し掲載された。

所長

坂田 正顕[さかた まさあき](文学学術院教授)

メンバー

研究員
坂田 正顕(文学学術院教授)

研究所員
坂田 正顕(文学学術院教授)

研究員
長田 攻一(文学学術院教授)

研究所員
長田 攻一(文学学術院教授)

研究員
千葉 文夫(文学学術院教授)

研究所員
千葉 文夫(文学学術院教授)

研究員
坂上 桂子(文学学術院教授)

研究所員
坂上 桂子(文学学術院教授)

研究員
小藪 明生(文学学術院助手)

研究所員
小藪 明生(文学学術院助手)

客員研究員
入江 正勝(草苑保育専門学校非常勤講師)
鈴木 無二(早稲田大学教育・総合科学学術院非常勤講師)
田所 承己(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
藤澤 由和(静岡県立大学経営情報学部公共政策系准教授)
浅川 泰宏(埼玉県立大学保健医療福祉学部講師)
杉本 昌昭(和光大学経済経営学部)
関 三雄(山陽学園短期大学生活学科教授)
片方 善治(金城学院大学現代文学部教授)
遠山 茂樹(高知大学人文学部准教授)
浜口 晴彦(早稲田大学名誉教授、創造学園大学教授)
池田 祥英(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
河野 昌広(関東学院大学経済学部非常勤講師)
加茂 朋実(赤城病院医療福祉相談室相談員)

連絡先

早稲田大学文学学術院 坂田正顕研究室
電話番号: 03-5286-3660
E-mail:[email protected]

WEBサイト

http://www.littera.waseda.ac.jp/pilgrimage/shikoku/index.html

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