Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

セキュアリーガル・ディジタル流通研究所【活動終了】
Secure & Legal Digital Distribution Laboratory

【終了】2005~2010年度
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研究テーマ

ディジタルコンテンツのセキュアでリーガルな流通を工学と法学の2つの側面から追求する

研究概要

ディジタルコンテンツあるいはディジタル著作物の流通について、既に様々な角度から研究が行われている。特に、ディジタル情報流通という観点からは、様々なDRM(Digital Rights Management)システムの提案や、超流通に代表されるような様々な流通モデルの提案が行われている。しかしながら、今日、ディジタル流通を支える技術やインフラは整備されつつあるものの、ディジタル流通は細々と行われているに過ぎない。しかも、多くのディジタル流通は Illegalであると言われており、著作権者が安心して情報流通を行える技術的な環境と社会的な環境の整備が行われていないのが現状である。

 一方、映画に代表されるように、一般にコンテンツ制作は集団活動であり、それぞれの役割分担で行われている。その結果、出来上がったコンテンツに対する(財産的・人格的)権利とその分配されるべき対価は流動的となっている。しかしながら、コンテンツ消費量に基づく使用料金の管理技術はいまだ確立されていないため、適切な対価が集団の各一員に矛盾なく配布されているとは言いがたい状況となっている。

 以上のような状況の結果、コンテンツ制作者たちは、消費者に自らのコンテンツのより多い消費機会を望みながら、それを実現するシステムがないゆえに、適切な許諾の意思表示を行えず、みすみすチャンスロスに甘んじなければならない。また、コンテンツ消費の最前線では、消費者が手にする携帯電話や簡易端末の技術開発は、各社独自の開発競争によりインターオペラビリティを実現することなく進行し、逆説的に消費者に不便さを強いるに至っている。更に、あるレベルの機能を提供するDRMはあるものの、消費者のニーズに必ずしも合致していないため、技術的には実現可能であっても、一般に、消費者は不便な状況での情報消費を強いられている。

 本プロジェクト研究所では、2つの側面からこれらの問題に対する解決策を研究する。即ち、一つは工学の観点から、インターオペラビリティと消費者の利便性を併せて実現する技術開発を行うことで、次世代のディジタル情報流通システムの基盤構築を行う。そして、もう一つは法学の観点で、権利者と消費者間の許諾情報管理と運用についての新しい枠組みを提供することであり、次世代の権利処理の社会的な基盤構築を行う。そして、両者を融合させたシステムを完成させ、広く世の中に提言することとする。

 以上のような視点で、ディジタル情報流通に関する学際的な研究活動を展開し、対象領域における国内のCOEを早稲田に立ち上げ、世界的な研究拠点として確立することを目的とする。

研究報告

2010年度
研究報告2010年度は、本研究所の最終年度として、研究の総括と評価を行った。具体的には、コンテンツの効率的な利活用を目的としたコミック画像のベクトル表現、永続的で無矛盾な権利継承処理を自動的に実現する権利継承処理システム、コンテンツ使用許諾の相互運用性を実現する許諾コード方式等についてまとめた。この中で、許諾コード方式については、電子出版契約の円滑化への応用の可能性、並びに、多元型権利処理システムへの応用の可能性についても検討を行った。これらの成果及び研究の総括については、関連の学会に研究発表を行い公表した。5年間の活動を終え、研究所としては一定の成果を得て終了するが、今後は、メンバが各方面でそれぞれの立場から、ディジタルコンテンツのセキュアでリーガルな流通に関する研究活動を進めることとした。
2009年度
研究報告2009年度は、引き続き、コンテンツの効率的な利活用を目的としたコミック画像のベクトル表現、永続的で無矛盾な権利継承処理を自動的に実現する権利継承処理システム、 コンテンツ使用許諾の相互運用性を実現する許諾コード方式等の研究課題に取り組んだ。コミック画像のベクトル表現では、コミック画像のコマ分割を高精度かつ高速に行える手法の検討、及び、文字抽出の前段階としての文字位置の抽出に関する検討を行った。具体的には、画像を骨格とテクスチャに分離するための全変動最小化の高速計算手法を提案した。権利継承処理システムでは、権利継承処理機能の実装を進めると共に、権利継承のための拡張語彙の論理的な検討を行い、オーサリングツール間での相互運用性に関する検討を行った。その結果、実用的な語彙の策定を確認した。許諾コード方式では、本研究所が推進してIECの国際標準となった許諾コード方式(IEC 62227)を基に、コンテンツの権利が一元的に管理出来ない条件下において、許諾コード方式を導入することにより、いかに効率よくコンテンツ管理と権利管理を行えるかについて検討を行った。検討の結果、許諾コード方式を基にしたシステムでは実ビジネスにおける様々な要求条件を満足出来ることが分かり、プロトタイプシステムを作成し、それを検証した。今後は、許諾コード方式の更なる普及と、引き続き啓蒙活動を行っていく。以上を受け、2010年度は、本研究所のまとめの年として、研究成果のまとめと公表活動を行っていくこととしたい。
2008年度
研究報告2008年度は、前年度に引き続き、コンテンツの効率的な利用を目指したコミック画像のベクトル表現、永続的で無矛盾な権利継承処理を自動的に実現する権利継承処理システム、 コンテンツ使用許諾の相互運用性を実現する許諾コード方式等の研究課題に取り組み、併せてISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議)JTC1におけるディジタル配信関連国際標準化に寄与した。コミック画像のベクトル表現では、濃淡画像のベクトル化に取り組み、アンチエリアシング処理された境界処理の改善、グラデーションメッシュによる表現可能性等の成果を得た。権利継承処理システムでは、実際のオーサリングツールに権利継承処理機能を埋め込み、論理的な無矛盾性と実効性を検証した。許諾コード方式では、本研究所が推進し、IECで国際標準となった許諾コード方式(IEC 62227)の固定長化に関して技術提案を行い、許諾コード方式を実サービスで運用するためのガイドラインとして、許諾コードの固定長化に関するプロファイリング例に寄与した。この許諾コード方式に関しては、2008年11月にブラジルサンパウロで開催されたIEC年次総会にて、IEC、ITU(国際電気通信連合)、ISOの3団体幹部のハイレベルミーティングが開かれ、許諾コードを基盤技術て権利許諾情報共通化へ向けて取り組んでいくこととなり、また、国内では、2009年1月に、創作者団体協議会の権利者情報DBのID体系として、許諾コード方式によるID発番が採用されるなど、本研究所の研究成果が着実に広まりつつある状況となっっている。2009年度は、以上の研究活動を更に発展させて行くこととしたい。
2007年度
研究報告2007年度の本研究所は、コンテンツ再利用を目的としたコミック画像のアナログ/ディジタル変換、永続的で無矛盾な権利継承処理を自動的に実現する権利継承処理システム、コンテンツ使用許諾の相互運用性を実現する許諾コード方式等を具体的な研究課題として、研究活動を推進した。その中で、現在までの研究活動の総括として、産学共同知的財産シンポジウム「コンテンツ大流通時代の制度・技術・標準化」を電通ホールで2007年9月3日に開催した(http://www.km.gits.waseda.ac.jp/SLDDL/Symposium/2007-09-03.html)。このシンポジウムでは、各分野の専門家をお招きして最新の動向をお話し頂くだけでなく、当研究所の客員研究員の研究成果、特に権利処理方式の国際標準化活動についても発表を行った。2007年度の研究成果の中で特筆すべきは、当研究所で研究開発を行った許諾コード方式が国際電気標準会議(IEC)の国際標準として承認され、また、日本国内でも電子情報技術産業協会(JEITA)に支援を得るなどの大きな成果を得たことである。このことにより、合法的で安心であるばかりでなく、相互運用可能で多様なコンテンツ流通を全世界的規模で実現できる可能性が生まれた。以上の研究成果を踏まえ、2008年度は研究活動を更に押し進めて発展させて行くこととしている。
2006年度
研究報告当研究所では、コンテンツ及びディジタル環境の多様化に則し、コンテンツのセキュリティとリーガリティについて多角的な検討を行っている。2006年度は、具体的な方式として、ベクター画像に電子透かしを埋め込んだ場合の客観的画質評価手法、オーディオ符号化における再生品質と特性、コンテンツ循環における無矛盾な権利継承処理の自動化手法等を検討した。このような研究成果は、電子情報通信学会、情報処理学会、音響学会等を通じて積極的に公開している。
また、ディジタル時代の著作権協議会において、DRMの現状とパラダイムシフト、権利許諾処理基盤と権利保護技術の連携についての現状報告と研究報告を行い、実際にビジネスを行っている事業者の方々と議論も行った。その結果、許諾情報に関する記述表現方式共通化の必要性が広く認識されつつあり、それに対する具体的な方式提案と普及活動を進めつつある。以上の活動から、2007 年度は、個別の検討をより深く進めると共に、研究所としてのまとまった公開イベントを行うことを予定している。
2005年度
研究報告本研究所は2005年10月1日発足のため、2005年度は6ヶ月間活動を行ったのみである。よって、本年度の実質的な活動は、研究立ち上げの初年度として、研究体制の確立と今後の活動計画の立案を主として行った。今後の具体的な活動計画としては、年に1回から2回のシンポジウムあるいはワークショップ形式の研究会を開くことを決め、2006年度の前半には第1回の研究会を開くこととした。第1回目のテーマは、「セキュアでリーガルなコンテンツ流通を目指して(仮題)」とし、本研究所の設立趣旨を広く世の中に問う形式の研究会を行うことを考えている。この他にも、関連学会と連携した活動を行うことも予定する。とりわけ、研究所長である亀山は、情報処理学会の電子化知的財産・社会基盤研究会(通称EIP: Electronic Intellectual Property)の主査を 2006年4月から務めることになっており、この研究会の趣旨が本研究所と深く関連していることから、EIPとの何らかの連携を来年度から模索することを視野に入れるべく考えている。なお、各研究員は、所属学会や関連団体で、それぞれ個別にこれまでの研究成果を発表している。

所長

亀山 渉[かめやま わたる](理工学術院教授)

メンバー

研究員
亀山 渉(理工学術院教授)

研究所員
亀山 渉(理工学術院教授)

研究員
安藤 紘平(理工学術院教授)

研究所員
安藤 紘平(理工学術院教授)

研究員
浦野 義頼(理工学術院教授)

研究所員
浦野 義頼(理工学術院教授)

研究員
渡辺 裕(理工学術院教授)

研究所員
渡辺 裕(理工学術院教授)

客員研究員
金子 格(東京工芸大学工学部准教授)
飯田 尚一((株)電通ビジネス統括局)
中西 康浩((株)電通ビジネス統括局)
木下 信幸((株)電通ビジネス統括局)
今村 哲也(明治大学情報コミュニケーション学部専任講師、(社)日本国際知的財産保護協会国際法制研究室客員研究員)
関 亜紀子(日本大学生産工学部数理情報工学科助教)

連絡先

研究所の学内箇所:
大学院国際情報通信研究科 亀山研究室内
研究所コンタクト先:
電話: 0495-24-6052
Email: slddl-owner@km.gits.waseda.ac.jp

WEBサイト

http://www.km.gits.waseda.ac.jp/SLDDL/

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