Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

自立的キャリア形成支援教育開発研究所【活動終了】
Research Institute for Educational Methodology of Self-Reliant Career Development

【終了】2010~2014年度
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研究テーマ

学部学生、大学院生を対象に自立的・自律的に自身のキャリアを形成するための基礎力を涵養する教育カリキュラムを産学連携で開発する。また、「キャリアデザイン学(仮称)」としての体系化に関する研究を行う。

分野:教育

研究概要

少子高齢化、大学への進学率の上昇等により、高等教育機関への入学者の能力やニーズは多様化の一途をたどっている。加えて、高度に情報化されたグローバル化により、社会の高等教育機関に対するニーズも多様化してきている。すなわち、学生(学部・大学院修士)の質保証という観点からは、従来の専門性を重視した教育に加えて、問題解決能力、人材のマネジメント力等の社会人基礎力、総じて実務能力と専門性(研究力・教育力)をバランスよく兼ね備え、組織の中核となれる人材の育成が重要な役割である。そのためには、学生がキャリア形成、キャリアデザインを自立的かつ継続的に行うことを可能とする教育環境が必須である。しかしながら、文部科学省科学技術政策研究所の実施した「日本の大学に関するシステム分析」によると、国際的に比較した場合、大学教員への現状以上の負担を増加させることは、「日本の大学の力」という関連からは非現実的である。そこで、本研究所では、大学と企業群が密に連携した「学生の自立的なキャリア形成」を支援する組織とそのための教育内容の学問体系化を行うことを目的とする。その成果として、人材育成を通して大学・企業の双方が組織として成長する新しい高等教育のモデルを示すことになる。
 具体的には特定の企業群と大学が密に連携して、学生(学部・大学院修士)の自立的なキャリア形成能力の獲得を支援することを目的とする。中心的な連携内容は次の通りであり、いずれも大学と企業の双方がスパイラルな連携を通して組織として成長することを目標としている。(1)企業の管理職クラスと大学の教員による教育の提供と研究支援、(2)企業の中堅クラスと博士後期課程学生・ポスドクによる教材開発、講習・実習、インターンシップ等の実学のマネジメント、(3)研究所の提供する教育を受けた学生が即戦力として企業に就業するための明確なキャリアパスの形成。特に(2)においては、実践を通して、博士学生・ポスドクが研究力・教育力・人材管理能力を獲得し、組織の中核となれる人材として成長すると同時に、企業の中堅クラスが人材育成に関する実践知を獲得して企業内にフィードバックするという、スパイラルな人材育成環境を提供する。(3)においては、大学の人材育成能力が向上すると同時に、企業はそのニーズに高度に適合した学生を採用することが可能となり、組織の発展の基盤を形成することになる。そして、本研究所での連携を通して理論と実践を融合した実学(キャリアデザイン学)の学問体系化も可能である。

研究報告

【2013年度】
(1)「キャリアデザイン学」の学問体系化
 本研究所の設立当初から、学部学生、大学院生を対象に自立的・自律的に自身のキャリアを形成するための基礎力を涵養する教育カリキュラムを産学連携で開発し、「キャリアデザイン学(仮称)」としての体系化に関する研究を行っている。その成果は、2012年度からオープン教育センター(現 Global Education Center)の正規設置科目「キャリアデザイン学」として開講してきている。特に2013年度は「企業(中堅クラス)の研修プログラムの開発」を指向して活動を行った。さらに、「キャリアデザイン学」の取り組みを人材育成に関する講演会【いま社会が求める人材像と人材育成の在り方を考える】において紹介を行った。
(2)ISO29990の実装(内容、運用、評価)方法の検討と普及活動
 ISO 29990:2010「非公式教育・訓練における学習サービス(サービス事業者向け基本要求事項)」の実装(内容、運用、評価)方法の検討と普及活動を、この活動の専門家3名を招聘研究員として迎え入れ、JAMOTE(人材育成と教育サービス協議会)と連携して行った。特に、2013年度は厚生労働省から「平成25年度民間教育訓練機関に対する質保証の取組支援の実施事業」を受託し、ISO29990の普及活動を行った。
(3)サービスとしての学習・教育(「学習サービス論」の構築)に関する基礎的検討
 上記の(2)に関連してサービスとしての学習・教育(「学習サービス論」の構築)に関する基礎的検討を行った。これに関しては今後も検討を継続し「学習サービス論」の構築を行い、(1)で構築を行っている「キャリアデザイン学」と有機的に連携して、「高等教育機関におけるキャリアデザイン能力育成」のための実学的方法論を確立する予定である。

【2012年度】
本研究所の研究テーマは、学部学生、大学院生を対象に自立的・自律的に自身のキャリアを形成するための基礎力を涵養する教育カリキュラムを産学連携で開発し、「キャリアデザイン学(仮称)」としての体系化に関する研究を行うことにある。具体的には、特定の企業群と大学が密に連携して、学生(学部・大学院修士)の自立的なキャリア形成能力の獲得を支援することを目的として活動を行ってきた。中心的な連携内容は以下の(1)〜(5)の通りであり、いずれも大学と企業の双方がスパイラルな連携を通して組織として成長することを目標としている。これらの連携を通して、大学の人材育成能力が向上すると同時に、企業はそのニーズに高度に適合した学生を採用することが可能となり、組織の発展の基盤を形成することになる。そして、本研究所での連携を通して理論と実践を融合した実学(キャリアデザイン学)の学問体系化を最終目的としている。2010年度〜2012年度の3年間では、以下の(1)〜(3)をほぼ予定通りに推進し、その成果は2012年度からオープン教育センターの正規設置科目「キャリアデザイン学」(春学期、金曜日5時間目、定員100名)として開講している。今後は、(4)(5)の課題に取り組む予定である。
(1)ニーズに基づく教育内容の整備とキャリア形成に関する研究の推進
(2)カリキュラム開発・教材開発、および実学のマネジメントシステムの開発
(3)学部生・大学院生の教育プログラムの開発
(4)企業(中堅クラス)の研修プログラムの開発
(5)実学(キャリアデザイン学)の学問体系化

【2010年度】
本年度は「教育研究高度化のための支援体制整備事業」へ本研究所の所員が参画する形で「産学連携によるキャリデザイン学の構築事業(仮称)」を推進してきた。ここでは、特定の企業群と大学が密に連携して、学生(学部・大学院修士)の自立的・自律的なキャリアデザイン能力の獲得を支援することが主たる目的であった。大学と企業の双方がスパイラルな連携を通して組織として成長すること、そして、その成果を通して理論と実践を融合した実学(キャリアデザイン学)の学問体系化を試みることを目指してきた。具体的な取り組みとして、早稲田大学と企業7社が連携して「キャリアデザイン学」を指向したカリキュラムを開発し「自立的・自律的キャリアデザイン」特別講義を実施した。この講義では「異なる業種におけるキャリアデザインの考え方から共通性を見出し、キャリデザインの普遍的な意味を理解すること」を目的に90分15コマの講義を実施し、全学から約50名の学部生・大学院生が参加した。全ての講義が演習、コースワークを取り入れた実践的な内容であり、参加した学生からは一様に「自身の成長のために何をなすべきかを真剣に考える機会になった」との評価を得ることができた。

所長

松居 辰則[まつい たつのり](人間科学学術院教授)

メンバー

【研究所員】
松居 辰則(人間科学学術院教授)
筧 捷彦(理工学術院教授)
楠元 範明(教育・総合科学学術院教授)
斎藤 美穂(人間科学学術院教授)
鳥越 皓之(人間科学学術院教授)

【招聘研究員】
櫻瀬 公美(一般社団法人人材育成と教育サービス協議会運営委員会副委員長)
宮澤 賀津雄(ISO/TC232国内審議協議会委員長)
麻野 慎哉(一般社団法人人材育成と教育サービス協議会事務局長)

連絡先

人間科学学術院 松居 辰則研究室
E-mail:[email protected]

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