Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

スポーツ科学未来研究所【第Ⅰ期】【活動終了】
Future Institute for sport Sciences

【終了】2009~2014年度
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研究テーマ

スポーツ科学基礎研究とスポーツ現場の融合にかかわる総合的研究

分野:科学

研究概要

研究のひとつの大きな柱は、スポーツ科学における基礎研究である。この中で、当研究所では、(1)神経制御、(2)睡眠と生体リズム、(3)筋制御と循環、(4)内分泌・代謝に焦点をあてる。神経制御においては、運動どのようなメカニズムによって制御されているのかについて、特に予測運動などの視点からの研究をおこなう。睡眠と生体リズムでは、時差ぼけや早朝の運動パフォーマンスの改善に関する研究、また筋制御については、ヒトの動作における神経筋収縮機構のメカニズムについての研究、さらに内分泌代謝では、身体運動が成長ホルモンなどの分泌パタンに及ぼす影響を研究する。これらの研究は相互に情報交換をしながら、発展的に融合させていく。
もうひとつの柱は、これらの基礎研究を現場の研究者やスポーツ関係者に直接普及させ、さらには現場からのフィードバックを研究を直接反映させることによって、研究だけにとどまらず、スポーツという応用場面を常に考えながら、研究の方向性が構築されるシステムを如何に作るかという研究課題である。
この研究を行ううえで、さまざまなフォーラムやシンポジウムを行うが、これらのシンポジウムは、シンポジウムのテーマについての理解を深めたり新しい方向性を模索するだけでなく、これらのシンポジウムを通じてスポーツ科学が如何に未来のスポーツの方向性に寄与できるのかについて注意深く検証する役割をも持つ。このような検証は、研究所の研究員全員の参加によって行う。

研究報告

【2013年度】
スポーツ科学未来研究所は、2009年秋から発足し、2013年度は5年度目となる。
この5年間の間に、若手の研究員たちは、それぞれの研究を大きく発展させ、研究予算を獲得し、多くの論文を発表している。
最近の3年間の変化は、医学の臨床に関わる研究員の参加である。これらの研究員は、研究という点では、必ずし論文を多く描き上げるというスタンスではないが、地道な地域との臨床の活動や、睡眠医療に関連した活動などを通じて、実際にスポーツ科学を応用する具体的な分野の情報を提供してくれている。更に、この分野と基礎研究がつながり、基礎研究の成果を臨床に活かし、そのデータが臨床研究の論文となって公にされるようになるよう、道をつけていきたいと考えている。
基礎研究に関連しては、良い論文が多く出版されているが、願わくはそれらの研究の相互のつながりが更にできることである。このためには、更にセミナーなどを多く開催する必要があろう。
また、研究所の業績を一般に広めるための活動も足りなかった面がある。当初子の目的で行っていた、ブログの執筆は途中で途絶えてしまっている。
今後の活動としては、これらの反省を踏まえFIfSSが更に大きく羽ばたくよう研究員が一丸となって努力していきたい。

【2011年度】
スポーツ科学未来研究所は、2009年秋から発足し、2011年度は3年度目となる。
この2年間に非常に大きな発展と進展が見られている。若手の研究員たちは、それぞれの研究を大きく発展させ、研究予算を獲得し、多くの論文を発表している。
これらの研究は、それぞれ個人の研究にとどまらず、この研究所中で、相互のつながりを非常に強く持って、有機的に結合し、新しい核をつくってさらに新しい発展を遂げるという、動きを示している。
2011年度は、さらなる研究と活動の場を求め、各研究員による研究機関の異動が起きた。また、競技スポーツ(例えば、なでしこジャパン優勝のサポート)、健康スポーツ(高齢者、子供へ運動指導)に関連した現場へ基礎研究をつなげることが出来た。
このような、基礎的研究と現場とのつながりは、現在さまざまなプロジェクトとして動いている具体例については、業績(http://fifss.com/)を参照していただきたい。
スポーツ科学未来研究所FIfSSは今年で、4年目を迎える。今年は、多くの施設の人達が、互いに協力し合いながら、新しい未来に向かうスポーツ科学を探求していくという、研究所設立の趣旨をもう一度新たに心に刻んで、研究所の活動を行なっていきたい。
具体的には、シンポジウムの開催、各分野における共同執筆での専門書籍および啓蒙書籍の出版、新メンバー加入の促進、サポート事業の展開などを積極的に実践して、研究員間の結束強化と各研究員のさらなる活性化を促していく方向で大きな発展を目指していく。
2012年、FIfSSが更に大きく羽ばたくよう研究員が一丸となって努力していきたい。

【2010年度】
スポーツ科学未来研究所は、2009年秋から発足したので、2010年度は2年度目となる。この一年間に非常に大きな発展が見られた。若手の研究員たちは、それぞれの研究を大きく発展させ、研究予算を取得し、多くの論文を発表している。これらの研究は、それぞれ個人の研究にとどまらず、この研究所の場の中で、相互のつながりを非常に強く持って、有機的に結合し、新しい核をつくってさらに新しい発展を遂げるという、動きを示している。具体的な例を上げたい。2010年9月には、日本体力医学会の最終日に、市川市のホテルにて研究所主催のシンポジウムを行った。シンポジウムには、コンピュータサイエンス=運動生理学=フィジカルトレーニングと、基礎から現場までのさまざまなレベルの演者が話をし、これらがアスリートの測定、その解釈、そしてそれを現場にどのように活かすのかということを含めた有機的で熱のこもった討論を導いた。このような、基礎的研究と現場とのつながりは、現在さまざまなプロジェクトとして動いていることは、業績(http://fifss.com/)を見ていただければ十分に納得していただけると思う。2011年もこの方向で大きな発展を目指している。

【2009年度】
スポーツ科学未来研究所 研究報告書 2009年10月〜2010年3月

<論文>

Ogawa K., Abe, T., Nittono H., Yamazaki K., & Hori T. 2010 Pasic brain activity related to rapid eye movements during REM sleep: Study of ERP and sLORETA, J Sleep Res, (in press)

Ogawa K., Abe, T., Nittono H., Yamazaki K., & Hori T. 2009 Temporal coupling of rapid eye movements and cerebral activities during REM sleep, Clin Neurophysiol, 120,18-23.

小川景子・堀忠雄 事象関連電位を用いた夢の精神生理学研究, 行動科学, 2010, 48(2), 159-164.

小川景子・宮内哲 夢の脳科学, 視覚心理と神経眼窩 神経眼科, 2009, 26, 407-415.

Asaoka S., Masaki H., Ogawa K., Murphy TI., Fukuda K., & Yamazaki K. 2010 Performance monitoring during sleep inertia after a one hour daytime nap. J Sleep Res, (in press)

堀忠雄・小川景子・阿部高志 夢のメカニズムと役割, 睡眠との回路の可塑性 生体の科学, 2009,60(4),310-317.

Miyazaki M, Hirashima M, Nozaki D. The “cutaneous rabbit” hopping out of the body. Journal of Neuroscience 30(5):1856-1860, 2010.

山本慎也, 宮崎真, 北澤茂. 事前確率に基づく多感覚統合. 信学技報 HIP2009-99(2009-12): 19-23, 2009.

Kadota H, Nakajima Y, Miyazaki M, Sekiguchi H, Kohno Y, Kansaku K. Anterior prefrontal cortex activities during the inhibition of stereo-typed responses in a neuropsychological rock-paper-scissors task. Neuroscience letters 453: 1-5, 2009.

Yamauchi J, Mishima C, Nakayama S and Ishii N. Ageing related differences in maximum force, unloaded velocity and power of human leg multi-joint movement. Gerontology, in press.

Yamauchi J, Mishima C, Nakayama S and Ishii N. (2009) Force-velocity, force-power relationships of bilateral and unilateral leg multi-joint movements in young and elderly women. Journal of Biomechanics 42: 2151-2157.

Yamauchi J, Nakayama S and Ishii N. (2009) Effects of bodyweight-based exercise training on muscle functions of leg multi-joint movement in elderly individuals. Geriatrics & Gerontology International 9(3): 262-269.

Kawada S, Kobayashi K, Ohtani M, Fukusaki C. Cystine and theanine supplementation restores high-intensity resistance exercise-induced attenuation of natural killer cell activity in well-trained men. Journal of Strength and Conditioning Research (Epub ahead of print)

Hirose N. (2009) Relationships among birth-month distribution, skeletal age and anthropometric characteristics in adolescent elite soccer players, Journal of Sports Sciences 27(11), 1159-1166.

広瀬統一 (2009) ユースサッカー選手のスポーツ傷害と発育発達, バイオメカニクス研究 13(4), 212-217.

<著書・訳書>
鳥居俊監訳、広瀬統一 他、2009年、現場で役立つスポーツ損傷ガイド―診断、治療、復帰まで、ナップ、第1章:ボディコンディショニングとメンテナンス

<講演・シンポジウム>
小川景子TOMIOKA サイエンスプログラム「睡眠を考える」, 埼玉県所沢市立富岡公民館 市民講座, 2009年11月12・19・26日 全3回講座 (講演)

小川景子こころと睡眠を考える 第一部こどもの睡眠を考える‐こころの窓としての眠り‐,第二部シニアの睡眠を考える,市民講座, 神経心理と心理臨床の研究会, 宮崎, 2010年2月28日 (講演)

Yamauchi, Junichiro. Dynamic properties of human multi-joint movements. Faculty of Health Sciences, University of Sydney, Sydney, Australia: 02.04.2010.

山内潤一郎. 筋を知る – 元気に動ける高齢者のための身体づくり-. 第7回福岡運動療法研究会, 福岡: 01.28.2010.

山内潤一郎. 南極地環境長期滞在に伴うヒト身体機能への生理的影響とその臨床への応用. 南極観測シンポジウム. 国立極地研究所, 府中: 12.10.2009.

山内潤一郎. スポーツ科学と健康医療 – 高齢者の転倒予防を目的とした実践的研究 -. In: スポーツ科学の未来に向けて. スポーツ科学未来研究所(FIfSS)オープンニングシンポジウム. 早稲田大学, 東京: 11.14.2009.

山内潤一郎. スポーツ生理学:「トレーニングと筋・腱」〜スポーツ動作に必要なパワー発揮能力向上のための最適なトレーニング方法の検討〜 In: トレーニング多事争論. 第67回トレーニングカンファレンス+第3回 “Future Expeditionary Learning in Tokyo (FELiT)” at 東京女子体育大学, 東京: 10.10.2009.

山内潤一郎. 筋肉の大きさための恒常性制御機構. 運動分子生化学LAB独り占めセミナー, 首都大学東京 人間健康科学研究科, 八王子市南大沢: 10.06.2009.

広瀬統一 アスリートの科学的サポート;理論と実践をつなぐ −サッカーの傷害予防とコンディショニング−、スポーツサイエンステクノロジー2009(日本トレーニング科学会シンポジウム)、2009年10月(シンポジウム)

広瀬統一 スポーツ現場におけるフィールドテストの分析と活用の実際、第1回スポーツメディスンフォーラム、2010年2月(ランチョンセミナー)

所長

内田 直[うちだ すなお](スポーツ科学学術院教授)

メンバー

【研究所員】
内田 直(スポーツ科学学術院教授)
倉石 平(スポーツ科学学術院教授)
広瀬 統一(スポーツ科学学術院准教授)
有竹 清夏(スポーツ科学学術院助教)
鳥居 俊(スポーツ科学学術院准教授)

【招聘研究員】
川田 茂雄(東京大学大学院新領域創成科学研究科特任助教)
木田 圭亮(聖マリアンナ医科大学循環器内科助教)
関口 浩文(上武大学ビジネス情報学部准教授)
西島 壮(首都大学東京大学院人間健康科学研究科助教)
三橋 拓樹(米国DSG,Inc. 駐日代表および本社日本事業部ディレクター)
山内 潤一郎(首都大学東京准教授)
寅嶋 静香(北海道教育大学岩見沢校特任准教授)
西多 昌規(東京医科歯科大学大学院精神行動医科学分野助教)
橋本 健志(立命館大学スポーツ健康科学部 立命館大学スポーツ健康科学研究科 准教授)
山際 伸一(公立大学法人高知工科大学情報学群准教授)
宮崎 真(山口大学時間学研究所教授)
小西 優(防衛大学校総合教育学群体育学教育室准教授)
水野 正樹(University of Texas Southwestern Medical Center at Dallas,Postdoctoral Research Fellow)
小川 景子(広島大学大学院総合科学研究科助教)
奈良 浩介(奈良こうすけ診療所所長、自治医科大学非常勤講師)
白濱 龍太郎(RESM新横浜院長)

連絡先

スポーツ科学学術院 内田研究室
E-mail:[email protected]

WEBサイト

fifss.com

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