保険研究所【第Ⅰ期】
Insurance Institute of Waseda University
【終了】2005~2009年度
研究テーマ
公・私保険に関する理論的および制度的研究
研究概要
保険制度は、社会福祉制度としても多く利用されている。一方、保険産業は国家の重要な産業の1つでもある。こうした保険制度は、人口の高齢化と金融の自由化・国際化といった環境変化により、大きな変貌を遂げている。
また、金融業態間の垣根がなくなりつつあり、官と民の既存の役割も変化している。銀行窓販に代表される「バンカシュアランス」の進展、簡易保険の民営化、医療・介護・年金分野における公的保障の縮減、私的保障の拡充等がその具体的な論点である。 そうした状況下、私的保障の主な担い手である保険会社は、生保分野で7社、損保分野で2社、経営破綻に陥った。 保険会社のリスク管理にも今まで以上の重要な意義が与えられつつある。
本研究所では、こうした問題意義を踏まえ、公・私保険に関する理論的・制度的研究を行う。大きな研究の方向性は以下の通りである。
・保障をめぐる「公」と「私」のドメイン確定について
・個別経済および国民経済の利益に合致する保障システム構築のための政府規制のあり方
・さまざまな環境変化に伴う競争激化に対応した、保険業界における新たなビジネスモデルの提示
研究報告
※保険研究所
2010年04月01日〜2015年03月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=3L&kbn=0&KikoId=01
2008年度
研究報告 本研究所としての主な活動は、2009年1月26日、本学11号館7階共同研究室で実施した「第1回海外交流研究会」である。
今回の交流相手は、韓国・成均館大学ビジネススクール所属「保険文化研究所」である。同研究所の主催者・鄭 洪珠教授のほか、5名の同研究所研究員(博士後期課程の学生)が参加された。なお、早稲田大学保険研究所からは、筆者のほか、同研究所研究員・李洪 茂・商学学術院教授が参加した。
最初に、鄭教授から「韓国における保険会社の情報開示」というタイトルで45分ほど研究発表をしていただいた(発表言語は英語)。その後15分間、質疑応答を行った。
コーヒーブレイクをはさんで、次に、筆者が「生命保険販売における消費者保護」というタイトルで45分ほど研究発表を行った(発表言語は日本語で、李 洪茂教授に通訳をお願いした)。その後、15分間、質疑応答を行った。
研究会終了後、意見交換と懇親を兼ねて近隣の店で夕食をともにし、散会した。
2007年度
研究報告 2007年度、本研究所では、各研究員の設定したテーマにしたがい研究活動を行った。
各研究員の2007年度中の研究業績は以下のとおりである。
・大谷孝一研究員
(1)『保険論』(編著)成文堂、2007年4月。
(2)「第12回AIDAアルゼンチン大会に出席して ?.総記」『保険学雑誌』第597号、日本保険学会、2007年6月、pp.31−43。
(3)「相当因果関係説をめぐる相剋」『損害保険研究』第69巻第3号、損害保険事業総合研究所、2007年11月、pp.1−55。
・李 洪茂研究員
(1)「日本の保険業界の信頼回復のための方法とその示唆」『損害保険』第467号、大韓損害保険協会、2007年10月10日、pp.15-36。
(2)「韓国における保険会社の情報公開と格付け」『保険学雑誌』第600号、日本保険学会、2008年3月、pp.283−301。
・江澤雅彦研究員
(1)「ドイツにおける契約者配当の透明性」『生命保険経営』第76巻第1号、生命保険経営学会、2008年1月、pp.3−23。
2005年度
研究報告1. 国外での活動
大谷孝一所長が、10月17日、韓国ソウルで開催された現代海上火災保険株式会社の創立50周年記念国際セミナーにおいて記念講演を行うなど、国際学術活動を活発に行っている。また、韓国・成均館大学校の保険文化研究センターと共同で、「低金利に対応した生命保険経営」に関する研究を行った。研究成果は、2005年11月10日ソウルで開催された韓国リスク管理学会において「日本における生命保険会社の低金利対応」として報告し、その内容は同会発行の報告書(3分冊)の中に収められた。
さらに、日本を含む各国保険事業に関する研究内容を、韓国の生命保険協会および損害保険協会がそれぞれ発行する『生命保険』、『損害保険』に毎月掲載した。
2. 国内での活動
(1)企業年金
今世紀に入って確定給付企業年金と確定拠出年金が導入される等、人口の高齢化に向けた企業年金制度改革が焦眉の急となっている。そんな折、企業が自主的に管理・運営する自社年金も含めた企業年金に関する研究を行っている。
(2)損害保険
自動車保険・労災保険・介護保険などの各種補償制度を横断的に研究し、人身損害に対する補償制度のあり方を提言しようとしている。
(3)その他
企業のリスクマネジメントに関する全般的研究を行っている。
所長
江澤 雅彦[えざわ まさひこ](商学学術院教授)
メンバー
研究員
江澤 雅彦(商学学術院教授)
研究所員
江澤 雅彦(商学学術院教授)
研究員
大谷 孝一(商学学術院教授)
研究所員
大谷 孝一(商学学術院教授)
研究員
大塚 英明(法学学術院教授)
研究所員
大塚 英明(法学学術院教授)
研究員
李 洪茂(商学学術院教授)
研究所員
李 洪茂(商学学術院教授)
連絡先
9号館756号室(江澤研究室)
Tel:03−5286−1901
E-mail:[email protected]