Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

生命医療・法と倫理研究所【活動終了】
Waseda University Institute of Biomedicine, Law and Ethics

【終了】2005~2009年度
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研究テーマ

生命倫理・医事法

研究概要

近時の医学を中心とする生命科学の発展には目覚しいものがある。それに伴う知見や、技術開発は、人為的な生命操作の可能性を拡大し、またヒトゲノム計画を通じて、人類を単なる塩基の配列として解析するところまでに至っている。その意味で、生物としてのヒトの研究はまさに究極のところまでに到達し、なお先に進み続けている。このような生命科学の発展は、われわれ人類の福祉に多大の貢献をもたらしうる。しかしその一方で、自然科学的、生物学的なヒトの探求には一定の社会的制約があることも確かである。人類は長期にわたる歴史の中で高度の社会関係を築きあげ、その関係を通じて自らを位置づける営み、すなわち「人間」としての営みを続けてきた。その営みの準則こそが倫理であり、たとえ社会に利益をもたらしうる研究やその応用であろうと、それが人間としての行動であるかぎりは、倫理に照らし合わせることが怠らしてはならない。本研究所はいわゆるポスト・ゲノムの時代を迎え、生命科学、とりわけ生命医学がますます「人間」(さらにいえば「人間の尊厳」)を意識せざるを得ない状況の中で、生命倫理あるいは法の視点から、各種研究・技術開発・臨床応用等に伴う問題を分析、研究し、必要に応じて、そのあるべき方向を積極的に提案することを目的として設立されるものである。なお、本研究所は、2005年3月までプロジェクト研究所として設置されていた、国際バイオエシックス、バイオ法研究所を改組し、従来研究所が担ってきた研究機能を発展的に継承するものであることを、付記しておく。

研究報告

2008年度
研究報告2008年度は、本研究所長を含む法学学術院教員らが獲得したグローバルCOEならびに比較法研究所と共同し、以下のような医的侵襲に対する承諾ならびにヒト由来物質の利用に関する4本の講演とそれに関連する研究会を開催した

(1)国際シンポジウム(2008年6月28日・29日 比較法研究所との共催)
 テーマ「ポスト・ゲノム社会に向けた比較医事法学の展開−文化
 葛藤の中のルール作り」
 出席者 岩志・甲斐・土田・横野研究員 その他他大学教員、大
 学院生 約80名
(2)講演会
 1) アルビン・エーザー教授(マックスプランク刑事法研究所)講演
 会(2008年6月28日 比較法研究所との共催)
  テーマ「現代バイオテクノロジーの挑戦下における医事法のパー
  スペクティブ」
  出席者 岩志・甲斐・土田・横野研究員 その他他大学教員、
  大学院生 約40名
 2)トリストラム・エンゲルハート教授(ライス大学)講演会(2008年
 12月8日 比較法研究所との共催)
  テーマ 「治療への同意」
  出席者 岩志・甲斐・横野研究員、その他法学研究科院生・法
  学部学生多数
 3)ヨッヘン・フォルマン教授(ボッフム大学医学部)講演会(2009
 年3月6日 GCOE共催)
  テーマ 「インフォームド・コンセントと精神能力の評価」
  出席者 岩志・甲斐・横野研究員、その他法学研究科院生・他
  大学教員ならびに院生17名
 4)ハンス・ゲオルグ・コッホ教授(マックスプランク刑事法研究所)
 講演会(2009年3月16日 比較法研究所との共催)
  テーマ 「補充交換部品貯蔵庫および生体試料供給者としての
  人? ―ドイツに於ける人の臓器および組織の採取および利用
  に関連する法的諸問題―」
  出席者 岩志・甲斐・横野研究員、その他法学部教員、法学研
  究科院生・他大学院生 総数35名
 5)ハンス・ゲオルグ・コッホ教授講演会(2009年3月16日・8号館
 3階会議室 GCOE共催)
  テーマ 「法的問題としての幹細胞研究と「再生医療」」
  出席者  岩志・甲斐・横野研究員、その他他大学教員、法学
  研究科院生・他大学院生 総数30名

(3)研究会
 1)2008年12月8日14時〜17時 
  テーマ 講演「治療への同意」に関する討論
  出席者 エンゲルハート教授・岩志・甲斐・横野・・その他法学
  研究科院生5名
 2)2009年2月26日14時30分〜17時30分 
  テーマ 「インフォームド・コンセントと精神疾患患者の能力判定
  ―フォルマン講演に向けて」
  出席者 岩志・甲斐・横野 その他法学研究科院生6名
 3)2009年3月12日15時〜17時 
  テーマ 「ドイツにおけるヒト由来物質に関する議論―コッホ講演
  に向けて」
  出席者 岩志・横野・一家 その他法学研究科院生5名
2007年度
研究報告1 2007年9月に、紀要「生命医療・法と倫理」第2号を発刊した。同号には、客員研究員である上塚芳郎東京女子医大教授の研究報告、甲斐克則研究員の講演記録と論文、根村直美客員研究員の論文が掲載されている。
2 7月には甲斐研究員・岩志研究員が輸血細胞治療学会の依頼を受け、「宗教的信条に基づく輸血拒否」に関するシンポジウム(東京医科歯科大)のシンポジストとして参加した。また両名は、前年度より同学会を中心とした「宗教的信条に基づく輸血拒否のガイドライン」作成委員の委嘱を受けて作成作業に当たり、2008年2月にガイドラインを公表した。
3 2008年2月には、早稲田大学比較法研究所と共催で、グラスゴー大学医療の法と倫理研究所のシーラ・マクリーン教授の講演会「英国における終末期の意志決定」、また同年3月にはフランスのパリ控訴院のクリスチャン・ビック判事の講演会「フランス法における安楽死」を開催し、多数の来場者を迎えた。
2006年度
研究報告1 2006年6月に、早稲田大学の「家族と法」研究会と合同で研究会を開催し、紀要第1号に掲載された「患者の自己決定権と臨死介助の規制」につき、早稲田大学大学院のカタリナ・ガウヘル氏の研究報告を行った。また11月に研究会を開催し、早稲田大学大学院の一家綱邦氏による「1980年代前半のアメリカ合衆国における倫理委員会への取組み」という研究報告を行った。
2 2006年10月以来、輸血細胞治療学会よりの委嘱に基づき、甲斐克則研究員ならびに岩志和一郎研究員が、同学会ほか5学会による「宗教的信条による輸血拒否のガイドライン」作成の委員として作成委員会に参加してきている。
2005年度
研究報告 1 2005年7月26日(火曜日)に、科健機構生命倫理科学ドメインと共催で、小野講堂で、米国・ジョージタウン大学のトリスタン・エンゲルハート名誉教授による講演会を開催した。講演の表題は、「バイオエシックス・道徳的多元主義と倫理の基礎」である。
 2 2005年10月1日(火曜日)に、総合研究機構主催のシンポジウムにおいて、岩志和一郎所長が講演を行った。講演の表題は「ヒト胚研究と人間の尊厳」である。
 3 2006年1月10日(火曜日)に、早稲田大学比較法研究所と共催で、イギリス・クイーンズランド工科大学のデレク・モーガン教授による講演会を開催した。講演の表題は、「イギリスのヒューマンティッシュアクト 2004」である。
 4 紀要「生命科学・法と倫理」第1号を刊行した(2006年3月25日刊行)。2に挙げた講演翻訳、その他論文を掲載。
 5 他に、学内研究会を、2006年1月13日(金曜日)、3月13日(月曜日)の2回、開催した。

所長

岩志 和一郎[いわし わいちろう](法学学術院教授)

メンバー

顧問
木村 利人(早稲田大学名誉教授)

研究員
岩志 和一郎(法学学術院教授)

研究所員
岩志 和一郎(法学学術院教授)

研究員
浦川 道太郎(法学学術院教授)

研究所員
浦川 道太郎(法学学術院教授)

研究員
甲斐 克則(法学学術院教授)

研究所員
甲斐 克則(法学学術院教授)

研究員
曽根 威彦(法学学術院教授)

研究所員
曽根 威彦(法学学術院教授)

研究員
土田 友章(人間科学学術院教授)

研究所員
土田 友章(人間科学学術院教授)

研究員
横野 恵(社会科学総合学術院専任講師)

研究所員
横野 恵(社会科学総合学術院専任講師)

客員研究員
仁志田 博司(東京女子医科大学医学部教授、東京女子医科大学母子総合医療センター所長)
吉岡 俊正(東京女子医科大学医学部教授)
根村 直美(日本大学経済学部准教授)
斎藤 加代子(東京女子医科大学医学部教授、東京女子医科大学附属遺伝子医療センター所長)
上塚 芳郎(東京女子医科大学医学部教授)
長谷川 知子(いでんサポート・コンサルテーションオフィス)

連絡先

法務研究科 岩志 和一郎研究室

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