Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

イスラム科学研究所【第Ⅰ期】【活動終了】
Institute of Islamic Sciences

【終了】2003~2008年度
過去の研究所活動はこちら

研究テーマ

歴史的イスラム世界と現代イスラム社会を、「科学技術」と「情報」というキーワードで分析・研究する。

研究概要

研究の柱の一つは、歴史的な時間軸の中で、科学と情報の持つ意義を再検討することである。私たちは、この問題を、中世イスラム文化をより深く掘り下げて研究していくとともに、特に中東イスラムが背負ってきた古代(多神教の時代)と古代末期(ギリシャ・ローマからキリスト教の時代)までの関り合いの中でイスラム文化成立の意義を見直して行く、野心的なアプローチをめざす。
もう一つの研究対象は、現代のイスラム世界である。情報技術分野の進展によって、世界各地のイスラム教徒が、考え方や価値観を共有する新たなサイバー上のコミュニティとして、グローバルに情報を交換し合う世界が形成されつつある中で、科学技術がもたらす同質化がイスラム世界に与える影響と、地域に固有な経済活動・伝統文化の多様化が維持される現象を探る。

研究報告

※イスラム科学研究所
2008年10月01日〜2013年09月30日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=1Y&kbn=0&KikoId=01

2008年度
研究報告 2008年度は、前年度に引続き、各研究員の個人研究レベルで、現代イスラーム社会を多角的に分析する研究と、イスラーム文化の中の科学性を評価する研究の双方が行われた。これに加えて、双方の研究班からの参加者による海外ワークショップが、8月にマレーシアのマラヤ大学経済・経営学部において行われた。本会では1日半にわたるプログラムが組まれ、早稲田大学側とマラヤ大学側の研究者が、1)経済・ビジネス、2)社会・教育、3)技術・文化にわたる多角的な領域において、先端技術がイスラーム社会に及ぼす影響を議論するものであり、討議を通じて、近年のマレーシアのイスラーム問題の一端が理解された。11月には早稲田大学キャンパスでシンポジウム(「第8回イスラムとIT」)を開催し、ここではイスラーム世界の経済と教育の問題が討議された(午前中にはイスラーム貨幣論とイブン・ハルドゥーンの経済論の講演があり、午後は東南アジアのイスラーム社会における経済と教育の課題が話し合われた)。研究員の個人研究を初め、上記の共同研究の成果は、イスラム科学研究所の紀要『イスラム科学研究』第5号(2009年3月刊行)に纏めて掲載されている。
2007年度
研究報告2007年度も、1)イスラム世界の科学的な側面を歴史的に再評価する系譜研究と、2)現代のイスラム問題を扱う広域研究の双方が進んだ。1)の系譜研究では、中央アジアを舞台にしたイスラム天文学とイスラム陶器の論議が行われ(第7回シンポジウム「イスラムとIT」の開催)、個別研究でも前身文化の分析や、農業分野における技術革新の研究が進んだ。2)の広域研究では、中東地域の研究が中心となった。エジプトでは、先端技術が社会に与える影響を、経済・社会・文化の領域で多角的に討議し(カイロ大学におけるワークショップの開催)、個別研究では、トルコ、イラン、湾岸地域等におけるイスラム問題が考察された。これらの研究成果は、研究所紀要である『イスラム科学研究』第4号を中心に公開されている。大学院国際情報通信研究科とオープン教育センターと連携した教育活動では、エジプトにおける海外セミナーが実施され、参加者はエジプトの史跡を見学したり学術機関を訪問して、イスラム世界の文化・社会に直接触れることができた。国内では特別講義も開催され、美術史の分野から、イスラム世界の哲学思想と造形表現の狭間の問題が討議された。
2006年度
研究報告2006年度も、1)イスラム世界の科学的な側面を歴史的に再評価する系譜研究と、2)現代のイスラム問題を扱う広域研究の双方が進んだ。1)の系譜研究では、軍事(大砲製造)、農業(精糖技術)、窯業(イスラム陶器)等における技術革新の研究が進み、またビザンツ帝国の時代のキリスト教の扶助概念と、イスラム時代のワクフ制度の関連が討議された(第6回シンポジウム「イスラムとIT」の開催)。2)の広域研究では、インドネシアにおいて、先端技術が社会に与える影響を、経済・社会・文化の領域で多角的に討議し(国立インドネシア大学におけるワークショップの開催)、個別研究では、トルコ、イラン、パキスタン等のイスラム問題やエネルギー問題が考察された(研究成果は、研究所紀要である『イスラム科学研究』第3号を参照されたい)。大学院国際情報通信研究科とオープン教育センターと連携した教育活動では、インドネシアにおける海外セミナーが実施され、参加者はジャカルタ近郊の史跡を見学したり学術機関を訪問して、イスラム世界の文化・社会に直接触れることができた。国内では特別講義も開催され、東南アジアにおけるイスラム問題が討議された。
2005年度
研究報告2005年度は、1)イスラム世界の科学的な側面を歴史的に再評価する系譜研究と、2)現代のイスラム問題を扱う広域研究の双方が進んだ。1)の系譜研究では、農業分野(精糖技術)における技術革新の研究が進み、またイスラム世界の相互扶助概念の形成をめぐっては、古代世界における社会像とイスラム世界における公益・福祉の問題が討議された(第5回シンポジウム「イスラムとIT」の開催)。2)の広域研究では、トルコにおいて、先端技術が社会に与える影響を、経済・社会・文化の領域で多角的に討議し(イスタンブール工科大学におけるワークショップの開催)、個別研究では、トルコ、エジプト、ヨルダン、湾岸等におけるイスラム問題が考察された(研究成果は、研究所紀要である『イスラム科学研究』第2号を参照されたい)。大学院国際情報通信研究科とオープン教育センターと連携した教育活動では、トルコにおける海外セミナーが実施され、参加者はイスタンブール近郊の史跡を見学したり学術機関を訪問して、イスラム世界の文化・社会に直接触れることができた。国内では特別講義も開催され、現代エジプトにおけるイスラム問題が討議された。
2004年度
研究報告? オープン教育センター・テーマカレッジ「イスラム世界と情報技術」の開講(2005年度からは、「イスラム的・知の探訪」として継続)。イスラム世界の地域伝統、イスラム・ネットワーク論、イスラム科学史(科学技術論)、イスラム文化形成論、イスラム世界民主化論を柱とする5つの演習科目を開設。全体活動では、前期に板垣雄三東大名誉教授、後期に須藤隆也前エジプト大使による特別講義を開催。
? 第4回国際シンポジウム「イスラムとIT」の開催。2004年10月21日『いま脚光を浴びるイスラム世界-生活の中の科学-』GITS本庄キャンパス、10月22日『イスラムの信仰と倫理のはざま-先端科学とメディア-』国際会議場井深大記念ホール。トルコ、マレーシア、ウズベキスタンから研究者を招聘し、パネリストと参加者の間で討議を行った。
? イスラム科学研究所紀要「イスラム科学研究」第1号の刊行(2005年3月)。マレーシア・マルチメディア大学で行われたワークショップでの討議成果や、科研費調査(A)(2)『IT等の科学技術の視点を踏まえたイスラム問題の現状と今後の展開に関する研究』(代表:北村歳治)による研究成果を発信。

所長

北村 歳治[きたむら としはる](大学院国際情報通信研究科教授)

メンバー

研究員
北村 歳治(大学院国際情報通信研究科教授)
山崎 芳男(大学院国際情報通信研究科教授)
店田 廣文(人間科学学術院教授)
佐藤 次高(文学学術院教授)
近藤 二郎(文学学術院教授)
中川 武(理工学術院教授)
長谷川 奏(総合研究機構客員准教授(専任))
及川 靖広(国際情報通信研究センター准教授)

客員研究員
板垣 雄三(東京大学名誉教授・東京経済大学名誉教授)
樋口 美作(日本ムスリム協会名誉会長)
高木 規矩郎(早稲田大学理工学総合研究センター客員教授)
松本 慎二(ユネスコ文化局エギュゼクティブオフィス企画担当官)
小野 隆彦(株式会社サトー取締役)
須藤 隆也((財)日本国際問題研究所軍拡・不拡散促進センター所長)

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/cro/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる