Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

その他

ヨーロッパ文明史研究所【第Ⅰ期】【活動終了】
Historical Institute for European Civilization (HIEC)

【終了】2000~2006年度
過去の研究所活動はこちら

研究テーマ

西洋世界における社会的エリートと国家:自由・自治と専制・独裁

研究概要

文学部西洋史先週を中心とするわれわれのグループは、先のプロジェクト研究所プログラムの発足にあたって、「ヨーロッパ文明史研究所」を設立し、「ヨーロッパ史における文化と統合の契機」を個別のテーマとして研究活動を行った。2004年度からは、研究所の伝統を確立する意図をも込めて研究所名をそのまま継続することとし、新たなテーマとして「西洋世界における社会的エリートと国家:自由・自治と専制・独裁」を選択する。
 本計画でいう社会的エリートとは、社会内部における最も活動的な社会層のことである。一方、人類の歴史は、基本的には社会構造の複雑さが増大する過程として理解されうるが、その複雑化の方向付けに最も影響力を持ち、またそこから最大の利益を得るのはエリートであるといえよう。そのような観点に立って、古代オリエントを含む欧米地域の個々の歴史的志向を抉り出し、それらと国家のあり方、国家の動き方との相互関係を個別に問うことを目的とする。その際、社会的エリートのイデオロギーのみならず、所与の体制を正当化し、権威づける装置や儀礼をも考察の対象とする。
 ヨーロッパの国制史・国家史を問う時、ヨーロッパは明らかに二つの相貌を持っている。社会的自治と人権の確立の歴史、ならびに専制と独裁の歴史である。この両面を同時に追求していくという意識をもたなければ、西洋の歴史とその世界への影響を真に理解することは困難であろう。これが、副題に「自由・自治と専制・独裁」と掲げる理由である。
 研究が細分化し、蛸壺状態に陥った観のある西洋史研究に比較の意識を再生させ、共通の基盤と一体感を取り戻すことも本計画の目的の一つである。

研究報告

※ヨーロッパ文明史研究所
2007年04月01日〜2009年05月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=X5&kbn=0&KikoId=01

2005年度
研究報告・6月7日(火)午後6時〜8時半。文学部西洋史第二専修室。皆川卓氏、自著『等族制国家から国家連合へ――近世ドイツ国家の設計図「シュヴァーベン同盟」』(創文社、2005年)を語る。評者、甚野尚志氏。
・2006年1月21日(土)午後3時30分〜5時30分。文学部第7会議室。白木太一氏、自著『近世ポーランド「共和国」の再建―四年議会と5月3日憲法への道―』(彩流社、2005年)を語る。評者、皆川卓氏。外国の政治家や研究者を招いた会としては次のものがある。
・リトアニアのヴィタウタス・ランズベルギス(Vytautas Landsbergis)氏の講演会
8月26日(金)1時−3時。文学部第一会議室。講演題目 ”Lithuania−the crossroad of Europe”
・ドイツ・ハーゲン大学フェリチタス・シュミーダー(Felicitas Schmieder)歴史学教授の公開講演会
10月27日(木)14時40分-16時10分。36号館682教室。題目「古きヨーロッパの現在とEUの東方拡大」

また、11月1日新小野梓記念館における総合研究機構「研究成果報告会」では、皆川卓客員研究員が「ヨーロッパ統合と近世『ドイツ』研究」と題して報告した。(ヨーロッパ文明史研究所)
2004年度
研究報告2004年度から新たに始まった我々の統一テーマは「西洋世界における社会的エリートと国家:自由・自治と専制・独裁」である。3年を目処にまとまった成果を出す予定であるが、本年度の例会活動としてはメンバーの成果の共有を目的として、研究員が出版した著作の読書会に重点を置き、以下のように会を開いた。
2004年
●4月20日(火)午後6時半〜8時半。西洋史第二専修室。前田徹、自著『メソポタミアの王・神・世界観−シュメール人の王権観−』(山川出版社、2003年)を語る。評者、川崎康司。
●6月15日(火)午後6時〜8時半。西洋史第二専修室。踊共二、自著『改宗と亡命の社会史―近世スイスにおける国家・共同体・個人―』(創文社、2003年)を語る。評者、皆川卓。
●10月19日(火)午後6時〜8時半。西洋史第二専修室。丹下栄、自著『中世初期の所領経済と市場』(創文社、2002年)を語る。評者、五十嵐修。
●11月16日(火)午後6時〜8時半。西洋史第二専修室。五十嵐修、自著『地上の夢キリスト教帝国――カール大帝の<ヨーロッパ>』(講談社選書メチエ、2001年)を語る。評者、奥村優子氏。
 また、12月4日に早稲田大学西洋史研究会との共催で王権をテーマにシンポジウムを開催した。2003年度のシンポジウムをまとめた、小倉欣一編『近世ヨーロッパの東と西―共和政の理念と現実』(山川出版社、2004年12月)の刊行も我々の成果の一つである。

所長

井内 敏夫[いのうち としお](文学学術院教授)

メンバー

研究員
井内 敏夫(文学学術院教授)
小倉 欣一(文学学術院教授)
村井 誠人(文学学術院教授)
竹本 友子(文学学術院教授)
森原 ?(文学学術院教授)
前田 徹(文学学術院教授)
松園 伸(文学学術院教授)
小林 雅夫(文学学術院教授)
大内 宏一(文学学術院教授)
佐久間 弘展(教育・総合科学学術院教授)
鈴木 健夫(政治経済学術院教授)
青野 公彦(高等学院教諭)

客員研究員
秋山 慎一
今村 労(東海大学文学部非常勤講師)
池本 今日子(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
加藤 義明(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
川崎 康司(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
白木 太一(東洋大学非常勤講師)
田中 史高(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
千脇 修(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
豊田 和二(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
渡辺 雅哉(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
草野 佳矢子(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
皆川 卓(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
小森 宏美(早稲田大学文学学術院非常勤講師・国立民俗学博物館地域研究企画交流センター助手)
五十嵐 修(東洋英和女学院大学国際社会学部助教授)
踊 共二(武蔵大学教授)
丹下 栄(下関市立大学経済学部教授)
山本 大丙(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
豊川 浩一(明治大学文学部教授)
浅野 啓子(米沢短期大学非常勤講師)
小野 哲(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
唐澤 晃一(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
野口 洋二(早稲田大学名誉教授)
中澤 達哉(福井大学教育地域科学部助教授)
高尾 千津子(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
蝶野 立彦(早稲田大学文学学術院非常勤講師)

WEBサイト

http://www.littera.waseda.ac.jp/majo...

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