モンゴル研究所【第Ⅰ期】【活動終了】
Institute for Mongolian Studies
【終了】2001~2006年度
研究テーマ
モンゴルの歴史と文化
研究概要
モンゴル研究所は2001年7月1日に設置された。モンゴルの歴史と文化を研究することを主な目的とする。ここでモンゴルとは、モンゴル国や中国の内モンゴル等に居住してきたモンゴル族と彼らが暮らしてきた地域を指す。主な研究プロジェクトは、以下のとおりである。
白樺樹皮文書類の研究
モンゴル国のオヴス県タワグチン・オラーンで1999年6月と2000年9月に出土した白樺樹皮文書および紙文書を、モンゴル国の科学アカデミー歴史研究所の研究員等と共同で研究する。文書を日本の機関で保存処理した上で、本研究所とモンゴル国科学アカデミー側が研究を進め、成果を公表することを目的とする。研究所長は、モンゴル国科学アカデミー歴史研究所のA.オチル氏と共同研究に関する協定文を作成し、 2001年6月1日に協定は発効した。現在白樺樹皮文書の保存処理が行われている。12月中に完成する予定である。
ハラホト文書の研究
1983・1984年に中国内蒙古文物考古研究所・阿拉善盟文物考古站が、内蒙古自治区のハラホト(黒水城)において発見した元朝初期の3000件に及ぶ文書のうち、漢語文書および西夏文書を除くすべての文書類を中国の内蒙古大学の研究者と研究し、成果を公表することを目的とする。研究所長は、内蒙古大学の斉木徳道爾吉教授と共同研究に関する協定文を作成し、2001年11月27日に協定が発効し、研究体制が整った。
牧畜および牧畜社会の研究
モンゴル国や中国内モンゴル等において、近現代に顕著に変化してきた牧畜および牧畜社会、またそのような変化の重要な原因の一つである農耕民のモンゴルへの入植とステップの耕地化の影響を受けて形成されたモンゴル人農耕村落社会も研究対象とする。
モンゴル関係文献目録データベースの作製・充実
1999年度に文学部に組織された早稲田大学図書館蔵中国刊行モンゴル文図書データベース構築作業部会を支援し、2002年度からはその仕事を受け継ぐ。2001年度からは、広く世界に公開するために、S-JISベースによって公開されてきた本データベースをユニコード化する。また本学図書館蔵モンゴル国刊行図書もデータベースに取り込む。
研究報告
※モンゴル研究所
2007年04月01日〜2011年03月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=X2&kbn=0&KikoId=01
2005年度
研究報告(1)ハラホト文書の研究
この文書の研究会を週1回実施、8月と12月に呼和浩特に出かけて内モンゴル大学との共同研究を実施。今年度が科研費の最終年度なので、研究成果報告を提出した。
(2)牧畜および牧畜社会の研究
所長は、2004年夏にアルタンガラグ客員研究助手と内モンゴル興安盟を調査。その後文学研究科博士課程チョクトも参加して、シリーンゴル盟も調査。その成果にも基づき、11月26-27日開催の文学学術院21COE国際シンポジウムで報告。東北大東北アジア研究センターの科研費成果報告書に狩猟等に関する論文を提出、2006年2月19-20日開催の同センターの国際シンポジウムで牧畜について報告。アルタンガラグは、12月10日開催のモンゴル研究所国際シンポジウムで土地改革問題について報告した。
(3)モンゴル関係文献目録データベースの作製・充実
2004年12月購入の文献のデータを引き続きデータベースに追加した。
(4)その他の活動
2005年4月7〜9日にモンゴル科学アカデミー国際関係研究所のバトサイハン研究員講演会・研究発表会、10月28日にドイツのハーゲン大学歴史学部シュミーダー教授講演会、12月10日に本研究所主催国際シンポジウム(近現代における内モンゴル東部地域の変容?)(この成果は『早稲田大学モンゴル研究所紀要』第3号に掲載)、2006年3月10日に寧夏大学西夏学研究中心主任杜建録教授講演会を実施した。
2004年度
研究報告(1)ハラホト文書の研究
この文書の研究会を毎週1回実施し、12月に呼和浩特に出かけて内モンゴル大学との共同研究を実施し、追加保存処理した文書の写真を受取り、帰国後その読解作業を行った。
(2)牧畜および牧畜社会の研究
2004年8月にブレンサイン客員研究員とアルタンガラグ客員研究助手を伴って内モンゴルの通遼市とバヤンノール市で、12月にアルタンガラグを伴って内モンゴルの赤峰市・通遼市・ハイラル市で、オボーと伝統農業について調べた。その成果に基づき、10月末の21COEアジア地域文化エンハンシング研究の国際シンポジウムでオボーについて報告し、11月27にモンゴル研究所主催国際シンポジウムで伝統農業について報告した。
(3)モンゴル関係文献目録データベースの作製・充実
2004年12月に呼和浩特と北京で関連文献を購入し、データベースにデータを追加した。
(4)その他の活動
2004年5月の14日にモンゴル国立大学のチョイマー教授を招いて公開講演を実施し、同21日に内モンゴル大学のソドビリクとオヨンゲレル両助教授を招いて公開座談会を開いた。11月27には「近現代における内モンゴル東部地域の変容?」と題するモンゴル研究所主催第2回国際シンポジウムを開いた。参会者は80名。その成果は『早稲田大学モンゴル研究所紀要』第2号に掲載した。この紀要には本研究所全研究員の論文類を掲載した。
所長
吉田 順一[よしだ じゅんいち](文学学術院教授)
メンバー
研究員
吉田 順一(文学学術院教授)
柳澤 明(文学学術院助教授)
石見 清裕(教育・総合科学学術院助教授)
石濱 裕美子(教育・総合科学学術院助教授)
客員研究員
井上 治(島根県立大学北東アジア研究科助教授)
宇野 伸浩(広島修道大学人間環境学部教授)
岡 洋樹(東北大学東北アジア研究センター助教授)
永井 匠(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
ボルジギン ブレンサイン
格日勒図(モンゴル農業大学人文社会科学院助教授)
松崎 光久(桜美林大学講師)
青格力(中国社会科学院歴史研究所中外関係研究室専任)
孟 達来(中国社会科学院民族学与人類学研究所)
四日市 康博(九州大学大学院人文科学研究院専任講師)
舩田 善之(九州大学大学院人文科学研究院専任講師)
赤坂 恒明(早稲田大学文学学術院講師)
チョクト(内蒙古大学蒙古史研究所講師)
賀希格陶克陶(中国中央民族大学蒙古語言文学系教授)
杜 家驥(中国南開大学歴史学院教授)
白拉都格其(中国内蒙古大学蒙古学学院内蒙古近現代史研究所教授)
?莫勒(中国内蒙古図書館研究館員)
蘇徳畢力格(中国内蒙古大学蒙古学学院副教授)
烏雲格日勒(中国内蒙古大学蒙古学研究中心副研究員)
連絡先
早稲田大学文学部
吉田順一研究室
TEL:03-5286-3699
Email: [email protected]