道教研究所【活動終了】
Taoist Research Center
【終了】2002~2006年度
研究テーマ
道教の斎?儀礼
研究概要
道教についての最新学説に基づき、先端的な道教研究を推進し、その成果を道教研究所のホームページや報告書の出版によって発表する。併せて、研究会や講演会の開催、主要な道教経典の翻訳出版等を通じて、道教についての知識の向上と普及に努める。
研究報告
2006年度
研究報告 道教研究所は2006年6月30日をもって4年間の活動を終了し、独立行政法人日本学術振興会平成18年度科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の交付を得て、研究報告書『道教の斎法儀礼の思想史的研究』(知泉書館、10月19日)を出版した。所長小林正美は研究報告書の論文に基づく学術講演(題目「道教三洞思想的形成及目的」)を中国社会科学院歴史研究所の第58次学術月会(7月4日)で行う。講演の要旨は歴史研究所のHPに掲載される。
小林正美編『道教の斎法儀礼の思想史的研究』の「目次」は以下の通りである。
目 次
はしがき(小林 正美)
? 道教の斎法儀礼の成立
劉宋・南斉期の天師道の教理と儀礼(小林 正美)
道教の斎法儀礼の原型の形成――指教斎法の成立と構造 (小
林 正美)
霊宝斎法の成立と展開(小林 正美)
? 道教の斎法儀礼の展開
『法海遺珠』の元帥神について――道教の?・民間信仰の儀礼と
元帥(二階堂 善弘)
張宇初の斎法観とその周辺――南昌派考察序説(横手 裕)
清朝四川の全真教と天師道儀礼――『広成儀制』太清章をめぐっ
て(森 由利亜)
? 道教文物と斎法儀礼
道教文物の概説(王 育成)
金?斎法に基づく道教造像の形成と展開――四川省綿陽・安岳・
大足の摩崖道教造像を中心に(小林 正美)
? 儒仏二教と道教儀礼
宋代の景霊宮について――道教祭祀と儒教祭祀の交差(吾妻 重
二)
受菩薩戒儀及び受八斎戒儀の変遷(阿 純章)
索引
英文「はしがき」
英文目次
2005年度
研究報告道教研究所の研究報告書『道教の斎法儀礼の思想史的研究』(知泉書館、2006年12月出版予定)の原稿を作成する。『道教の斎法儀礼の思想史的研究』の概要は下記の通りである。
本書は、中国の道教の斎法儀礼の成立と展開、及び斎法儀礼と深く関わる道教文物と道教造像の形成、さらに道教儀礼と密接な関係にある儒教と仏教の宗教儀礼を、思想史的方法によって研究したものである。
第一章 道教の斎法儀礼の成立
「劉宋・南斉期の天師道の教理と儀礼」(小林正美)、「道教の斎法儀礼の原型の形成――指教斎法の成立と構造」(小林正美)、「霊宝斎法の成立と展開」(小林正美)
第二章 道教の斎法儀礼の展開
「『法海遺珠』の元帥神について――道教の?・民間信仰の儀礼と元帥」(二階堂善弘)、「張宇初の斎法観とその周辺――南昌派考察への試み」(横手裕)、「清朝四川の全真教と天師道儀礼――『広成儀制』太清章をめぐって」(森由利亞)
第三章 道教文物と斎法儀礼
「道教文物の概説」(王育成)、「金?斎法に基づく道教造像の形成と展開――四川省綿陽・安岳・大足の摩崖道教造像を中心に」(小林正美)
第四章 儒仏二教と道教儀礼
「宋代の景霊宮について――道教祭祀と儒教祭祀の交差」(吾妻重二)、「受菩薩戒儀及び受八斎戒儀の変遷」(阿純章)
*道教儀礼のデータベースは道教研究所のホームページに載せています。
2004年度
研究報告科学研究費・基盤研究(B)(2)「斎?の研究」に基づいて2004年2月と3月に実施された調査報告が道教研究所主催の研究発表会 (7月26日、文学部36号館582教室)で以下の通り行われた。
* 厦門・泉州寺廟調査報告
関西大学助教授 二階堂善弘
* 四川省(綿陽・安岳・大足)の仏像・道教遺跡管見
駒澤大学専任講師 吉村誠
* 綿陽・安岳・大足の道教造像に見られる天師道の道教
早稲田大学教授 小林正美
なお、二階堂善弘の調査報告「厦門・泉州寺廟調査報告」は『中国都市芸能研究』3輯(2004年10月)に、吉村誠の調査報告は科学研究費報告書「斎?の研究」に、小林正美の調査報告は論文「金?斎法に基づく道教造像の形成と展開――四川省綿陽・安岳・大足の摩崖道教造像を中心に」として『東洋の思想と宗教』22号(早稲田大学東洋哲学会発行、2005年3月)に掲載されている。
2004年12月26日より28日まで、平成16年度科学研究費・基盤研究(B)(2)「斎?の研究」により研究員小林正美と客員研究員阿純章は四川省仁寿県牛角寨と龍橋郷、剣閣県鶴鳴山の摩崖道教・仏教造像の調査を行った。
研究員小林正美は道教の斎法儀礼の原型を研究し、論文「道教の斎法儀礼の原型の形成――指教斎法の成立と構造」を『アジア文化の思想と儀礼』(春秋社、2005年6月)に発表した。
客員研究員阿純章は仏教の菩薩戒儀の受容史を研究し、2004年5月22日に東アジア仏教研究会で口頭発表「受菩薩戒儀及び受八斎戒儀における奉請(啓請)三宝の変遷」、11月6日に天台宗学大会で口頭発表「受菩薩戒儀について――敦煌本を中心に」を行った。前者は論文「受菩薩戒儀の変遷――招請三宝の作法を中心に」として『東アジア仏教研究』第3号(2005年5月)に掲載された。
客員研究員吉村誠は論文「曇無讖の菩薩戒――『菩薩地持経』の受戒作法を中心に」を『アジア文化の思想と儀礼』(春秋社、2005年6月)に発表した。
今年度は科学研究費・基盤研究(B)(2)「斎?の研究」(研究課題番号 14310010)の最終年度にあたり、報告書「斎?の研究」を作成した。報告書に掲載された論文・講演・調査報告等は以下の通りである。
小林正美 唐代の道教教団と天師道
霊宝斎法の成立と展開
劉宋・南斉期の天師道の教理
道教の斎法儀礼の原型の形成
――指教斎法の成立と構造
金?斎法に基づく道教造像の形成と展開
――四川省綿陽・安岳・大足の摩崖道教造像を
中心に
森由利亜 清朝全真教と天師道儀礼の関係に関する覚え書き
吾妻重二 宋代の景霊宮について
――道教祭祀と儒教祭祀の交差
二階堂善弘 『法海遺珠』の元帥神について
――道教の?・民間信仰の儀礼と元帥
阿 純章 受菩薩戒儀及び受八斎戒儀の変遷
吉村 誠 曇無讖の菩薩戒
――『菩薩地持経』の受戒作法を中心に
王 育成(中国社会科学院歴史研究所教授)
講演:「道教文物の概要」
二階堂善弘 2003年度厦門・泉州寺廟調査報告
吉村 誠 四川省仏教道教調査旅行報告
付録:道教経典電子テキスト目録
:仏教経典電子テキスト目録
また、本年度も斎?儀礼に関連する道教経典の電子テキストを作成し、道教研究所ホームページで公開している。
道教研究所HPアドレス:
http://www.littera.waseda.ac.jp/appendix/Daoism/index.htm
所長
小林 正美[こばやし まさよし](文学学術院教授)
メンバー
研究員
小林 正美(文学学術院教授)
工藤 元男(文学学術院教授)
古屋 昭弘(文学学術院教授)
森 由利亜(文学学術院教授)
客員研究員
吾妻 重二(関西大学文学部教授)
二階堂 善弘(関西大学文学部教授)
横手 裕(東京大学大学院人文社会系研究科助教授)
吉村 誠(駒澤大学仏教学部専任講師)
王 育成(中国社会科学院歴史研究所教授)
アイクマン ショーン(バージニア美術館キュレーター)
阿 純章(早稲田大学文学学術院非常勤講師)
連絡先
早稲田大学文学部小林正美研究室(39号館2405室)