サイバーレクチャー研究所【活動終了】
Institute for Cyber-lecturing
【終了】2000~2005年度
研究テーマ
情報技術を活用した教育方式の研究・開発
研究概要
情報技術の目覚しい進歩を背景に、大学教育のネットワーク化・オープン化の推進が広く社会から求められており、これに応えることが大学の緊急の課題となっている。早稲田大学では、デジタルキャンパスコンソーシアムの協力のもとで遠隔講義(衛星放送+DVD講義パッケージ+BBS(電子掲示板)システム)を展開してきた。本研究所では、これまでの実績をもとに、インターネットを活用し、学生がいつでもどこからでも参加可能で質疑応答や意見交換を活発に行えるオンデマンド型インターネット講義(サイバーレクチャー)の方式について研究・開発を行う。また、インターネット講義の実施に伴うネットワーク技術の研究や、講義パッケージ(教材コンテンツ)制作手法の標準化、学生ごとの受講進捗状況確認機能や成績評価機能などの管理機能を持つインターネット講義受講・質疑応答システムについての研究・開発を行う。これらの研究・開発を実践的に推進することにより、インターネット講義の標準方式を確立する。さらに、インターネット講義実施のノウハウを蓄積し、その成果をオープンにすることによってネットワーク時代の大学教育に資することが、本研究所の研究目標である。
研究報告
2005年度
研究報告1)前年度に引き続き、インターネットを用いたオンデマンド授業の作成ならびに実施を行った。文学部を中心フィールドとして、 さまざまな形態のオンデマンド授業を実施したが、うちフルオンデマンド科目は14に及ぶ。 また「オンデマンド流通フォーラム」や、高校生向け模擬授業の配信にも積極的に協力した。
2)新たなオンデマンド授業の作成に関しては、2003年度まで実施していた「総合講座7 文化研究とコンピュータ」(2004年度は休講)を、「文化研究とコンピュータ1」(前期)「文化研究とコンピュータ2」として再構成のうえ、新しいオーサリングツール「ScreenWatch」を採用して新たにコンテンツを収録し、授業を実施した。当該科目は、それぞれ4名の教員が人文科学研究におけるコンピュータ利用の実例を紹介するという入門講座的性格をもつが、 600名に近い受講生に対して、問題なく授業を行うことができた。
3)web上での試験実施や、複数担当者科目のレポート採点結果集計とオンデマンド授業システムを活用した成績処理について、実践的な経験を蓄積した。システムを活用するソフト面での研究に進展があった。
2004年度
研究報告1)インターネットを用いたオンデマンド授業の実施、および計画立案を行った。文学部を中心に、さまざまな形態のオンデマンド授業を計18科目(うちフルオンデマンド科目:8、ハイブリッド科目:10)実施した。「オンデマンド流通フォーラム」科目として「異文化コミュニケーション論」(井桁 貞義)をリリース。吉備国際大学、横浜創英短期大学のほ か、高校生向け模擬授業としても配信。
2)オンデマンド授業実施および作成環境の検討、整備を行った。オンデマンド授業で使用するLMS(Oic)やコンテンツ作成に使用するオーサリングツールについて、各種の提案を行った。新しいオーサリングツールとして「ScreenWatch」を試用。従来のコンテンツに比べ、表現力の高いコンテンツが作成できるため「文化研究とコンピュータ」で本格的に使用することにした。
3)次世代型オンデマンド授業の作成、立案を行った。「異文化コミュニケーション論」において、早稲田大学ラーニングスクウェア(WLS)の協力を受け、Flashを使用したリッチメディアコンテンツを作成。同科目ではBBSを利用した複数の大学間でのリアルタイムディスカッションを実施するなど、授業構成の面でも新しい試みを導入。
4)オンデマンド出版事業の促進を行った。「速習帳シリーズ」として『くずし字速習帳 近代編』『くずし字速習帳 近世版本篇』(兼築 信行 他)を刊行。