デジタル・ソサエティ研究所【第Ⅱ期】
Institute for Digital Society
【終了】2006~2011年度
研究テーマ
情報通信技術が社会・経済・生活等に与える影響に関する総合的学際的研究
研究概要
本プロジェクト研究所は、情報通信の経済学的特性と情報化が経済社会環境に与える影響について、経済学的アプローチを中心としながらも、学際的な視点に立ち、理論的、実証的分析を行うことを目的とする.情報通信は通常の財サービスと異なり,特有の性質を持ち,それゆえ,想像を超えるほど急速に普及し,また、革命的と言われるほどのインパクトを社会にもたらす.そのメカニズム、規模などを解明することが、本プロジェクト研究所の使命である。通信料金の現状と理論的最適化,ネットワークの外部性,新しい情報通信サービスの普及とその条件,規制と規制緩和,放送と通信の融合,知的財産権の経済分析,情報化が生産性や企業経営の効率化に与える影響,市場メカニズムを通じて消費者行動に与える影響,情報通信の活用による社会構造の変化,地域情報化と都市構造の変化,ITアプリケーションの社会的評価,交通・環境問題への貢献などが研究の対象となる.単にアカデミックな世界だけの研究にとどまらず,広く産業界や官界と連携し,活躍の場を海外にも展開することにより,情報通信に関する社会科学的な分析によって,真に社会に貢献しうる組織をめざす.
研究報告
※デジタル・ソサエティ研究所
2011年10月01日〜2016年09月30日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=5R&kbn=0&KikoId=01
※デジタル・ソサエティ研究所
2001年12月01日〜2006年11月30日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=26&kbn=0&KikoId=01
2008年度
研究報告2008年度には、下記の研究プロジェクトを実施した。
(1)消費における情報化投資効果発現メカニズムの理論的解明と
予測可能性に関する研究:情報化が消費行動を通して環境に
与える影響をシミュレーション分析した。
(2)行動経済学的アプローチによる定額料金バイアスの実証的
研究:行動経済学を用い、定額料金に対する利用者の偏向の存
とその要因を解明した。
(3)情報セキュリティ被害の定量的分析:過去の情報漏洩事件に
基づき、情報漏洩の経済的損害とセキュリティ保護の価値を定量
的に分析した。
(4)日本とタイにおけるインターネット利用比較調査:本学国際情報
通信研究センターおよびタイ国NECTECとの共同研究として、
インフラ普及と利用との関係について比較研究を実施した。
(5)諸外国における情報セキュリティの動向調査:中南米や東欧等
における情報セキュリティの被害や対策について調査を実施し
た。
(6)条件不利地域におけるブロードバンド化のあり方に関する研
究:日本国内の山間村や離島部でのブロードバンド化のあり方に
ついて地域的な研究を行った。
また、下記のとおり、2件のワークショップ等を開催した。
(1)「通信産業を取り巻く法規制の日米比較」、2008年11月4日、
早稲田大学[米国アメリカン大学の学識経験者との研究会]
(2)「欧州におけるサイバーセキュリティの最新動向 −From
Risks Management To Effective Security Policies And
Practices−」、2008年3月23日、早稲田大学[スイス・ローザ
ンヌ大学の学識経験者との研究会]
2007年度
研究報告2007年度においては、前年度に引き続き下記のような研究プロジェクトを実施した。
(1)消費における情報化投資効果発現メカニズムの理論的解明と予測可能性に関する研究
情報化が消費行動を通して環境に与える影響のシミュレーショ
ン分析を行なった。
(2) 行動経済学的アプローチによる定額料金バイアスの実証的研究
行動経済学を用い、定額料金に対する利用者の偏向の存在と
その要因を解明した。
(3) 情報セキュリティ被害の定量的分析に関する研究
情報漏洩事件に関する情報を収集してデータベース化し、情報
漏洩の経済的損害を定量的に分析した。また、セキュリティ保護
の価値についても計測した。
(4) 日本とタイにおけるインターネット利用比較調査
本学国際情報通信研究センターおよびタイ国NECTECとの共同
調査研究。インフラ普及と利用との関係について比較研究を実
施した。
また、下記のとおり4件のワークショップ等を開催した。
(1) “The Cutting Edge of ICT Utilization in Japan and Sweden: Socio-Economic Perspectives”
2007年8月30日、Stockholm School of Economicsの2つの研
究センターとの共催
(2) 「認知症フォーラム2008」、2008年1月20日、ITヘルスケア学会主催、東京医科大学
(3)『コンテンツ振興のための次世代制度を考える』、2008年1月20日、早稲田大学
(4) 『デジタルコンテンツ市場の課題と発展の方向性』、2008年2月16日、早稲田大学
2006年度
研究報告2006年度においては、下記のような研究プロジェクトを実施した。
(1)消費における情報化投資効果発現メカニズムの理論的解明と予測可能性に関する研究
情報化の進展が消費行動に与える影響についてアンケートデータをもとに定量的推計を行い、買物頻度や交通需要へのインプリケーションを検討した。さらに情報化が消費行動を通して環境に与える影響についてシミュレーション分析を行なった。
(2) 行動経済学的アプローチによる定額料金バイアスの実証的研究
定額制と従量制とが適用される場合、支払額が同一であっても消費者は定額制を好む傾向をもつ一方、伝統的な経済理論では、従量制の有効性が主張されてきた。本研究では、主に行動経済学における知見を用いることで定額料金に対する利用者の偏向の存在とその要因を解明した。
(3) 情報セキュリティ被害の定量的分析に関する研究
個人情報保護法施行以降、情報化社会おいて社会問題となっている官公庁や企業による電子化された個人情報の漏洩事件に注目し、公開されている漏洩事件に関する情報を収集してデータベース化し、情報漏洩の経済的損害を定量的に分析した。
(4) 日本とタイにおけるインターネット利用比較調査
インフラ普及と利用との関係について比較研究を行い、わが国の経験をタイのインターネット利用の高度化に利用できるか否かに関する実証分析プロジェクトがスタートした。本学国際情報通信研究センターおよびタイ国NECTECとの共同調査研究である。
所長
三友 仁志[みとも ひとし](国際学術院教授)
メンバー
研究所員
三友 仁志(国際学術院教授)
中村 清(国際学術院教授)
樋口 清秀(国際学術院教授)
土門 晃二(社会科学総合学術院教授)
招聘研究員
鬼木 甫(大阪大学名誉教授)
高橋 常夫(?エヌエフ回路設計ブロック代表取締役社長)
実積 寿也(九州大学大学院経済学研究院准教授)
森 祐治(?シンク代表取締役CEO)
太田 耕史郎(広島修道大学経済科学部教授)
大塚 時雄(専修大学非常勤講師、敬愛大学非常勤講師)
植田 康孝(日本電気?放送・制御事業企画本部グループマネージャー)
永井 研(日本電気?モバイルネットワークショリューション事業部主任)
田中 絵麻((財)国際情報通信経済研究所情報通信研究部上級研究員)
Sugai Philip(国際大学准教授)
田尻 信行(総務省総合通信基盤局国際部国際協力課企画官)
高崎 晴夫(?KDDI総研取締役調査1部長)
永野 寛(中央大学経済研究所客員研究員)
仲本 博重(沖縄県嘉手納町議会議員、名桜大学非常勤講師)
木村 行雄((独)産業技術総合研究所イノベーション推進室総括主幹)
連絡先
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(三友仁志研究室)
研究所コンタクト先:
E-mail: [email protected]