Comprehensive Research Organization早稲田大学 総合研究機構

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中国古籍文化研究所【第Ⅱ期】
Research Institute for Chinese Old Book Culture

【終了】2008~2012年度
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研究テーマ

中国の古籍(漢籍)をめぐる文化的諸事象の総合的研究

研究概要

中国は「文字」の国である。文字による記録がなければ、この地の悠久にして多様な文明と歴史の連続性や一体性は主張できないほどである。それらは、古来、甲骨、金石、竹帛などさまざまなメディアに記録されてきたが、紙と印刷技術が発明されてより、その伝達と普及は格段と時空を拡大した。
 私たちの研究所では、そうした記録媒体の如何を問わず、時代と地域を超え、文字資料として残されたありとあらゆるものを研究対象とし、それらが伝える情報をこの地の「文明の記号」として読み解こうとする立場を取る。従って、単に名の知られた「古籍」の書誌学的、文献学的な研究に終始するのではなく、民間の片々たる刷り物を含め、各種の文字資料の成立、流布、流通を通して、その背後にある文化史的な諸事象についての全面的な探究を目指している。
その研究成果は、研究員それぞれの著作のほかに、機関誌である『中国古籍文化研究』、およびその単刊の刊行物として発表している。
 また、この研究を遂行するために、北京大学中国古文献研究センターをはじめとする世界の大学や研究機関との提携による共同研究、人的交流を積極的に推し進めている。

研究報告

※中国古籍文化研究所
2013年04月01日〜2018年03月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=7G&kbn=0&KikoId=01

※中国古籍文化研究所
2000年04月01日〜2007年03月31日までの活動に関してはこちら
http://www.kikou.waseda.ac.jp/WSD322_open.php?KenkyujoId=A5&kbn=0&KikoId=01

2009年度
研究報告 本年度は、一昨年に開始した北京大学中国古文献研究中心との共同研究事業である日本に所蔵される稀覯本漢籍の影印出版のための調査並びに資料の収集を継続して行った。第一期の事業として、国立公文書館と国立国会図書館に所蔵される貴重書を刊行することを決定し、その書目の選定と複写による関連資料の収集を行い、2010年度においてその解題執筆などの具体的な検討に入る準備を終えることが出来た。
 この事業と平行して、9月には上海において復旦大学古籍整理研究所と北京大学中国古文献研究中心との三機関共同主催での第二回国際シンポジウム「考証・想像・融合:中国古典文学と文献学」を開催した。早稲田からは教員、助手、院生10名が参加して研究発表を行ったが、三校のこの分野における若手研究者の育成という点でも着実に成果が出てきた。11月には、揚州において、揚州中国雕版印刷博物館との共同主催で、「日中の木版印刷文化」をテーマに国際シンポジウムを開催し、日本からは5名(うち早稲田大学教員、院生は3名)が参加した。これにあわせて、同博物館に収蔵されている『古逸叢書』の版木の実地調査を行った。
 この間にも、徐天進北京大学考古文博学院教授(「西周王朝の考古学的探究―周公廟及び周辺地区の発掘から」)、陳致香港バプテスト大学中文系教授(「清華簡に見える古飲至礼及び古逸詩試解」)、呉承学中山大学中文系教授(「中国における詩人の運命」)、崔富章浙江大学古籍研究所教授(「10世紀以前の楚辞伝播文献について」)らの訪日にあわせ、他の機関と共同で公開講演会を開催し、中国の古籍とそれを巡る周辺の文化についての最新の研究成果を学内外の人びとに紹介した。
2008年度
研究報告 本年度の活動は、北京大学中国古文献研究センター(主任:安平秋教授)との共同事業として昨年より開始した日本の公的機関に所蔵される貴重漢籍の影印出版にむけての調査研究を中心とした。今年度については、国立公文書館と国会図書館に所蔵される貴重漢籍のうち、中国国内ではすでに失われたもの、また残っていたとしても中国国内のものは完全なものでなかったり、印刷や保存状況の悪かったりするものなどを選書の観点として、十数種を選び出し、そのマイクロフィルムや紙焼き版を入手、これに基づいてデジタル化を進め、日中双方のメンバーが共同で研究に着手できるように下準備をした。
 この事業を推進する一環として、7月には北京大学古文献研究センターから安平秋教授(主任)・顧永新副教授・王嵐副教授・盧偉講師、復旦大学古籍研究所からは陳広宏教授(副主任)、鄭利華教授、談?芳教授らを迎え、早稲田大学戸山キャンパスを会場として、三機関の共催で「日本に所蔵される貴重漢籍のアーカイブについて」のシンポジウムを開催し、本研究課題の意義や今後の活動手順などを相互に確認した。
 また、このシンポの開催と連動して、文学学術院の中国語中国文学コースの協力を得て、「《中国文学史》はいかに書かれてきたか―文学の歴史を書くという行為」というテーマで、復旦大学古籍研究所の陳教授と鄭教授を中心とする学術講演会を開催した。
 この他にも、10月には劉玉才北京大学副教授による「明の遺民張斐の事跡について―日本に遺された文献に見る―」の講演会、3月には陳正宏復旦大学教授による「単刻から全集へ―その修改と粉飾の姿(袁枚を例として)―」の講演会などを開催した。

所長

稲畑 耕一郎[いなはた こういちろう](文学学術院教授)

メンバー

研究所員
稲畑 耕一郎(文学学術院教授)
堀 誠(教育・総合科学学術院教授)
古屋 昭弘(文学学術院教授)
岡崎 由美(文学学術院教授)
内山 精也(教育・総合科学学術院教授)

招聘研究員
高橋 智(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫准教授)
安 平秋(北京大学中文系教授、中国古文献研究センター主任、中国全国高等院校古籍整理研究工作委員会主任)
劉 玉才(北京大学中国語文学系教授、中国典籍與文化編輯主任)

連絡先

戸山キャンパス 39号館3409研究室
Tel:03-5286-3702(中文専修室)
E-mail:[email protected]

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