Center for Higher Education Studies早稲田大学 大学総合研究センター

News

ニュース

同じテーマについて繰り返し話す「4/3/2」のタスクなど、
英語を「長く」「流暢に」「楽しく」話すさまざまな工夫

2019年度秋学期ティーチングアワード受賞
対象科目:Communication Strategies 2月 3フェラーロ

理工系3学部の1年生全員が学ぶ、必修科目の「Communication Strategies 2」。

日常会話やディスカッションに必要な英会話のスキルを身につけることが目的だ。

担当教員の一人である早稲田大学非常勤講師のフェラーロ先生は、

「4/3/2」と呼ばれる英会話の練習法を取り入れて、学生たちが英語を「長く」かつ「流暢に」話せるように工夫している。

また、1年生が対象の授業ということで、英会話を「楽しく」学ぶことにも気を配っている。

「4/3/2」の英会話タスクによって、学生は「9分間も話せた」という成功体験を得られる

「Communication Strategies 2」は理工系3学部の必修科目でシラバスもすべて共通だが、教員によってそれぞれ独自の工夫を取り入れている。フェラーロ先生の場合、この授業で最も重要な学習と位置付けているのが、「4/3/2」と呼ばれる英会話のタスクだ。応用言語学者のポール・ネーション氏が提唱している学習法を参考にしたもので、学生が1つのテーマについて4分⇒3分⇒2分と徐々に時間を短くしながら話していく。「学生は2人一組になって、1人が好きなテーマで4分間話をします。次に、相手を変えて同じテーマで3分間、再び相手を変えて2分間話します」。

最初の4分間はたどたどしく話していた学生も、次の3分間は先ほどよりうまく話すことができ、その次の2分間になるとより流暢に話せるようになるという。「終了後は、学生たちに『あなたたちは、4分+3分+25分で合計9分間も話せましたよ』といつも伝えています。学生も、自分たちがそんなに長く話せたことに驚くようです。このアクティビティによって、授業の目的の一つである『長く話すこと』を達成できます」。

学生のほとんどは、英会話をじっくり学んだ経験は少なく、文法や英単語を知っていても会話力には自信がない。しかし、「4/3/2」のタスクで英会話の成功体験を得て、自信を身につけられるという。「話すテーマを自由にしているのもポイントです。アニメでもスポーツでも音楽でも、自分の好きなテーマだからこそ学生は快適に話せると思います」。9分間が終了した後は、話し手と聞き手を入れ替えて同じことをするため、時間はかかるそうだが、それでもやる意義は大きいとフェラーロ先生。なお、学生の英語レベルによってはタスクを「3/2/1」(3分、2分、1分)にアレンジすることもできるそうだ。

ペアで、グループで、1人で――。英語を話す機会を増やして、話す能力を引き出していく

また、「4/3/2」のタスク以外にも、学生たちの話す能力を高めるためのさまざまな工夫がある。たとえば、授業の開始直後から英語で話す機会を設けて、ウォーミングアップを図っている。「学生を2人一組にして、ペアごとに何か簡単なテーマで話をしてもらうこともあれば、前回の宿題になっていたロールプレイをやってもらうこともあります。このとき、全員に立ってもらうのもポイントで、終わったら座るため教員が進行状況を把握しやすいし、立っているほうがみんな真面目に取り組みます」。

もちろん、2人一組で会話をするだけではない。30数名の学生をいくつかのグループに分けて話をさせることもあれば、1人で全員の前に立って話してもらうこともある。「グループで話す場合は、リーダーシップを取れる学生、少しシャイな学生など、バランスを取れるのがよいところです。1対1では難しい課題も、グループなら、みんなで協力し合って取り組むことが可能です」。さらに、このクラスは1年生が対象のため、授業を通して学生同士のコミュニケーションを深めることも意識しているという。「英会話の勉強自体も大切ですが、楽しみながらクラスメートとコミュニケーションを取ってほしいと考えています」。

一方、一人が全員の前で英語を話す機会もある。その一つが Final speaking test で、このときはただ英語を話すだけではなく、PowerPointで資料を作り、それをスクリーンに映しながらプレゼンテーションをするのが特徴だ。「書いたものを読むだけでは聞く側も退屈なので、PowerPointには要点だけを書いて、口頭で内容を補足するよう指導しています。また、テーマに合わせて簡単な調査を行い、表やチャートなども作成してもらっています」。

「CELESE」のワークショップで見た他の先生の授業が、自身の授業の改善に役立った

毎回の授業から期末テストまで、さまざまなスタイルで英会話を繰り返し練習できるフェラーロ先生の授業は、学生の満足度も高い。学生授業アンケートの主要な結果は、基幹理工学部の科目の中で最も高い評価となった。「2019年度秋学期は、学生の英語のレベルがとても高く、多少難しい会話などもできたので、よりやりがいを感じてもらえたのかもしれません」。

ところで、フェラーロ先生がこの科目を受け持ったのは2015年度からだが、当初は授業にどの程度のオリジナリティを持たせてよいのかわからなかったという。その当時、役に立ったのがCELESE(理工学術院英語教育センター)のワークショップだった。「CELESEでは年に何回かワークショップを開催していて、他の先生が授業で効果を上げた取り組みなどを紹介していました。それを見て、私もシラバスをベースに自分の授業を改良していくことができました」。たとえば、前述の「授業の冒頭は立って話す」という工夫も、もともとは他の先生が授業で行っていたものを参考にしたそうだ。

なお、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響ですべての授業がオンライン化された。これまでのように、学生同士が英語でやり取りすることは難しくなったが、フェラーロ先生はオンライン会議システムの「ZOOM」と早稲田大学の新LMS(学習支援システム)を併用して、学生が英語を話す機会の確保に努めている。「リアルタイムでオンラインの授業に参加できない場合は、学生に録音した音声をアップロードしてもらい、後で確認しています。ティーチングアワードを受賞した2019年度秋学期と同じ方法はできませんが、今後もよりよい方法を考えていきます」。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/ches/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる