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SCSインタビュー企画 いきさつ Vol.6

-将来やりたいこと・ビジョンはどうやったら見つかるのか-

この問いに対するヒントを見つけていくSCSのインタビュー企画「いきさつ」。
「利他的」かつ「長期的」なビジョンを持ち、すでに活動している現役早稲田生の人生を振り返り、ビジョンを見つけるためのヒントやマネできるポイントを掘り出していきます。

-「就活で受けている会社は去年も今年も1社だけです。」-
第6回となる今回は岡本さん(政治経済学部5年)に登場していただきました。「誰かの人生に影響を与えたい」というピュアで利他的な思いは「大胆な決断と行動」によって、ビジョンに昇華していました。苦しかったことも赤裸々に語ってもらい「人好きな方」には共感を、「迷いがちな方」には決断の勇気をくれる「いきさつ」に仕上がっています。

※記事の内容及びプロフィールは取材当時(2019年8月)のものです。

インタビューイ紹介

岡本浩弥さん(政治経済学部5年)※取材当時

千葉県出身。「都内に出て様々な機会に触れたい」と高校から早稲田実業に入学。3年間の片道2時間通学を経て早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科に入学。1,2年次には国際学生寮「WISH」に入寮していた。1年次から世界最大の学生団体「アイセック」に所属し、3年次に早稲田大学支部の人事統括、4年次にアイセック・ジャパン事務局の人事を務める中で人の人生に影響を与える仕事の面白さを知る。IT、食品通販、人事コンサルと様々な企業で長期インターンを経験し、今はウエディング・イベントプロデュースのベンチャー企業でインターン中。趣味は”人の人生を疑似体験できる”映画鑑賞と野球観戦。

(編集者注:岡本さんとインタビューアーは同じ学生団体に所属していた旧知の仲です。今回はフランクな雰囲気も合わせてお楽しみください。)

本記事の流れ
・ビジョンのルーツは担任の先生
・味わった「感動」を還元したい
・環境を定めれば、相応の機会が巡ってくる。決め手は直感
・紆余曲折を経てビジョンを噛み砕く
・「自分が決めた」という実感を持つ

 

【ビジョンのルーツは担任の先生】

―今日はよろしくね!早速、描いているビジョンを聞いても良い?

「人の”自分らしさ”と”可能性”を輝かせるライフプロデューサーになること」かな。人生の節目に関わってより豊かで自分らしい人生を創るサポートがしたいし、自分らしさや可能性を発揮する人が社会に増えたら良いなぁと思ってる!

なるほど!1年生の頃から「人の可能性をもっと引き出したい」と言ってた気がする。たくさんの思考を経て辿り着いたビジョンだと思うので、経緯が気になります!

―ビジョンは大学入学前からよく考えていたの?

入学前は考えていなかったかな。何となく「誰かにとって尊敬されたい」とか「誰かの人生に影響を与えたい」みたいな思いはあった。でもこの気持ちは高校生の時から変わってないね。

―高校生の時から「なりたい姿」は漠然とあったんだ。

尊敬している小学校の担任の先生の影響だね。今でもたまに会うんだけど、この先生に人としての大事な生き方を教わったと思ってるんだ。

「人を尊重する」「思いやりを持つ」みたいな一見当たり前だけど人として大切なことを、すごい説得力を持って教えてくれたんよ。自分は「優しいね」とよく言われるタイプ(笑)。それも先生の価値観が自分の中で反映された結果なんだろうなぁと思う。

そして中高ではEXILEに憧れていた!純粋に好きだったんだけど、見た目や顔立ちが理由じゃなくて、生き方というか姿勢に惚れていて。「ファンの方を幸せにしたい・夢を広げたい」という思いを持ってひたむきに努力するっていう男気に憧れていたし、そんな風に「自分も他人の幸せとか笑顔を作れる人になりたいな」と思わせてくれて。彼らみたいに、「人の人生に影響を与えられる人になりたい」という想いは漠然とあったなあ。

―「誰かの役に立つのはかっこいい!」と思ってたんやね。それにしても小学生時代に生き方を教えてくれた先生ってどんな方なの!?

5、6年生の時に担任をしていた先生で、すごく優しいし授業も面白くて、よくクラスみんなのことを褒めてくれて、感動してよく泣いて。あの2年間は毎日楽しかった記憶しかないなあ。普段はそんな憧れの先生だけど、思いやりのない言動や人を傷つけるような言動にはすごく怒る人で。本当に人を大切にできる先生だったんだよね。

この前のGWにも会ったんだけど、「先生に人生変えられました」って今も言い続けてる。先生も変わらず自分の事を可愛がってくれてて、Facebookで近況報告みたいな投稿すると必ず前向きに応援するコメントをつけてくれる。会えて本当によかったと思う!ちなみに小学生の時は学校の先生になりたいと思っていたよ、卒業文集にも書くくらい。

―ビジョンのルーツは小学生時代かぁ。

「誰かのために」とかそういう優しさ・思いやりを意識するようになったのは小学生だったね。

 【味わった「感動」を還元したい】

-中高時代はどんな風に過ごしていたの?

中学は地元の公立に進学して、高校から早稲田実業に入学した。中学の時は「お山の大将」だったと思う(笑)。野球部のキャプテン、生徒会長、学校行事の実行委員長を3つ掛け持ちしていた時期もあったし、成績も1・2位だったから高校受験までトントン拍子で進んだ記憶がある。

-中学時代は何かでトップを張り続けていたんだね。

でも早実に入ってからは一転「あんま自分すごくないな」ってことに気づかされた。

―そこはどんな事があったの?

今思えば当たり前なんだけど、勉強に関してもスポーツに関しても、自分よりも全然できるというか、全国レベルの人が本当にゴロゴロいて。仲良かった友人も音楽に打ち込んでたり、みんな何かしら一芸に秀でているってイメージがあったけど、自分には何もないなって感じていた。

でも高2で初めて海外に行った時のことは印象的で。千葉市の姉妹都市の国際交流プログラムでカナダ・ノースバンクーバーに2週間のホームステイに行ったんだけど、それがめちゃくちゃ楽しかったんよ!異文化という非日常の刺激にすごい感動を覚えたんだよね。そしてお世話になったホストファミリーが本当にホスピタリティーの塊で、最高に充実した2週間だった!

―初海外で良い出会いがあったんだね!どんなおもてなしを受けたの?

例えば「海外のエンターテイメントを体験したい」ってお願いしたらアメフト観戦とか音楽フェスにも連れてってくれて。家の前にある湖でプライベートボートに乗せてくれたりもして、お金持ちの家族だったな(笑)。めちゃくちゃもてなしてくれて本当に感動した。大学入学後も訪ねるくらい、ホストファミリーの事は今でも大好きなんだよね。海外への興味が湧いたきっかけにもなった。

―きっかけになったということは、その交流が後々に繋がってきてるの?

高3では逆にホームステイで受け入れをする側になって、前年にとても良くしてもらったから「できる限りなんでもやりたい」と思ってめちゃめちゃ熱を込めた。「高校で1番頑張ったことは何ですか?」と聞かれたらこの2週間のことを、自信を持って語ると思う。

4つの家庭で受け入れをしたんだけど、2週間でいろんな場所に連れて行っただけじゃなく、自分が中心になって計画立てたり連絡役を引き受けたりと、来日メンバーが帰国した日にはヘトヘトで1日中寝てしまったくらい奔走してた。

去年ホスピタリティーで迎えてもらった分を返したいと思っていたら、不思議と熱意が持続したんよね。親や他のホストファミリーに支えられて、たくさんおもてなしをして喜んでもらうことができた。振り返ると原体験の1つになったなと思う。

―とても優しさが伝わってくるなぁ!「誰かのために何かをしたい」という気持ちを表現した一つの形だよね。

「感動させてもらった分は他の人にも還元して感動させたい」という気持ちが根付いた経験だと思う。自分も感動する経験を味わったことで、ホスピタリティを発揮したいと思ったし「人生の転機になり得るような感動を作りたい」と強く感じたな。

 【環境を定めれば、相応の機会は巡ってくる。決め手は直感】

―本心から「誰かに良くしたい」「感動を届けたい」という思いを持っていて、めちゃ良い人なんだなぁと思う(笑)。持ち前のホスピタリティーを発揮する場所はどうやって見つけてきたの?やりたいことが出来る「環境」を見つけるのも難所の1つかなと感じて。

ホスピタリティの文脈からは離れるけど、環境との巡り合わせは割と”偶然”が多かったかな。アイセックもたまたま最初に知った国際系サークルだったし、インターン先も知り合いの紹介とかが多くて。狙って機会を得ていた訳ではなくて、直感でピンときたものを選んでいたし、「なんとなく楽しそう」っていうミーハー心もあったかな。

―直感や第一印象が環境選びの決め手だったのかな?

そうだね。たとえば2年生の夏からオイシックス・ラ大地株式会社(以下オイシックス)でSNSマーケティングのインターンもやったんだけど、これも参加のきっかけはアイセックのメーリングリストにOGから募集が流れてきたことだった。こんな風に機会はたまたま目の前にあったものや、友達の紹介で回ってきたものを選んできたかな。ただ親しい人経由だったり自分の居た環境に流れてくるものだから、肌感が合うものは多かったと思う。

―そもそも自分に合う環境を選んでいたから、機会探しには苦労しなかったんだね。

そうそう!そして機会を選ぶ時には「周りがどうしてるか」ではなく、「直感的にやりたい」と思ったことに素直に飛び込むことを意識してきた。もちろん親や周りの人おかげで挑戦できているんだけど、自分でやりたいと思ったことを素直にやり続けた結果が今なんだなってすごく思う。

―機会選びに迷ったことはあまり無い?「これもいい、あの機会も良さそう!」みたいに迷って「決められなかった。」という状況も人によってはあるかなと思って。

自分は特にそういうのは無かったかな。選択肢を増やすことはあんまりしていないのもあって。流れで出会った機会に直感でピンときたのを1つ決めたら、とりあえず打ち込んでみた。複数の選択肢を並べて吟味してという場面はそんなになかったかな。

―基本は直感を信じて「決めたら迷わずやる」スタイルなのかな?

そうだね。個人的な考えとしては迷ってる時間がもったいないと思うし、やってみないとわからないことも多いと思うから、「とりあえず決めて始めてみる」ことが多いかな。

例えば「留学とインターンどっちをやるか」って迷ったときに、丁寧に情報収集して双方のメリット・デメリットを比べても片方は結局やらないから無駄なんじゃないかなぁと思っちゃう。だったらそれまで聞いた先輩の体験談とかを思い出して、直感でいいなと思ったインターンの準備を始めちゃう、みたいなイメージ。

情報収集の時点では表面的な情報にしか触れられないけど、アクションを起こした瞬間にリアルな部分がたくさん見えてくるしね。就活もそんな感じで、表面的な情報を見て面接を受けて…みたいな一般的な就活はしていなくて。直感でいいなと思った1社にコミットして最終的に決断しようと思っている。

去年の5月に友達の紹介で知った人材系のベンチャーがあるんだけど、社員の話とか聞いてミッションやカルチャーに興味を持って、長期インターンをやらせてもらうことにした。使える時間はそこにとことんコミットして他に全く就活はしなかった。

でも入社するかどうか決めるタイミングで、他にもう1社めちゃめちゃ心惹かれる会社に出会って。今は長期インターンはそっちに移って、またそこに全力コミットしてる。だから今も就活と言える関わりをしているのは1社だけ(笑)。

―去年も今年も1社だけ!決めたら迷わず行けるのは本当にすごいと思う。

就活のように人生における大きい選択は、周りの目を気にするのはもったいないと思う。「幸福感を決めるのは学歴や収入より”自己決定” 」っていう研究結果が出たっていうニュースを見たときに本当にそうだなって思って。普通の就活をしても自分の納得のいく決断はできないなと思ったし、自分は色々なことに挑戦させてもらえた中で「本心で納得したことじゃないと打ち込めない」「私生活と働くことを分けずに打ち込めることを仕事にしたい」と気づいたから、やりたいことを決めたらとことん追求するスタイルでいます。

―自分の性格を理解してるから「選択肢をもっと並べた方が良い」という意見があっても、自分の決断を良くする訳ではなさそうだなと受け流すことができるんだね。

【紆余曲折を経てビジョンを噛み砕く】

―「可能性・自分らしさを発揮する」というビジョンにまとめあげるには、頭をめちゃくちゃ使う必要があると思う。それはいつ頃から考え始めたの?

アイセックで何かしらの役職や機会に挑戦する時にESみたいなのがあって、言語化を求められる機会が多かったからその都度考えていたかな。細かい言葉尻はその時々で影響を受けた人やものに応じて変わっているけれど。

例えば今の「ライフプロデューサー」という言葉は今働いている会社の影響。オーダーメイドウェディング事業をやっているその会社は「結婚式ではなく人生をプロデュースする」「人生の変わる結婚式をプロデュースする」ことをモットーにしている。

人生を丸ごと肯定してさらに良い未来を描く・可能性を広げていく集団なんだけど、そんな姿勢に感銘を受けて彼らが使っているプロデューサーという言葉を使っている。

こんな風に惹かれる機会や言葉に出会う度に、「良いな」と思った理由を言語化することでビジョンをクリアにしてきたと思うな。その時々で表現は変わるけど、「人の人生に影響を与えたい、感動を創りたい」という根本はずっと変わってないと思う。

―アイセックも含めて、大学時代の話を教えて欲しい。どんな風に学生生活が進展してきたか聞いても良い?

まず1年生でアイセックに入った。入会した理由を簡単に言うと「海外」「他者貢献」の色があったことと、「リーダーシップ」を伸ばせそうと思ったことの3つかな。

1年生の9月には当時住んでいたWISHの特別枠で参加できたワークスアプリケーションズ(以下ワークス。当時「後輩におすすめしたいインターンランキング」No.1)の1ヶ月のインターンにも行った。最初はできないことだらけでしんどかったけど、前向きさだけは失わずに取り組み続けたら、優秀賞ももらえたし、何よりすごく成長した感覚があった。

その自信を胸にアイセック2年目を迎えて新歓やプロジェクトのリーダーをやったんだけど、そこからは失敗続きで。何をやっても上手くいかなかった感覚で、2・3年生の時は挫折の方が多かったな。2年生では夏からオイシックスでインターンしたり、夏には武者修行に行ったりしたよ。3年生はアイセックの活動がメインで、オイシックスのインターンも夏まで続けてたかな。人材系を中心にサマーインターンにちょこちょこ行った。

3年生から4年生に上がるときに留年が決まったけど、4年生でもアイセックは続けてた。4年生の6月からコーチングのスクールに通ったりもした。あまりお金に余裕がなかったからpolcaで寄付を募って、支援してくれた人にお礼としてコーチングをさせてもらったり。4年生の秋から人材コンサルのベンチャーで長期インターンを始めて、現在はさっきも話に出た別の会社でインターンしてる、っていう感じの大学生活です。

―色んなことに手を出してきつつ、アイセックをずっと続けてきたんだね。大きな困難にぶつかったのはアイセックの活動?その困難な時期の話をもっと詳しく聞いていい?

そうだね。まず2年生の初めにプロジェクトリーダーをやったんだけど失敗して、5月にはチームが解散になってしまった。夏にチームを組み直してメンバーとして取り組んだけど、それもあまり上手くいかなくて。で、夏が終わると次年度の委員長を決める選挙があった。

立候補したの?

すごく迷ったんだけど、最終的には立候補したよ。正直自信はなかったけど、〆切直前に周りの友人が後押ししてくれて立候補するって決めることができた。選挙には3人出馬していたんだけど、2人が途中で辞退になって自分1人の信任選挙になったんよ。

―信任選挙ということは、Yes/Noを問うということだよね?

そうだね。アイセックの選挙は壮絶で。1泊2日の合宿で、候補人の資格や覚悟をメンバーが問う答弁をぶっ続けでやった後に投票っていうシステム。そして投票直前に忘れもしない出来事が起きた。

Yes/Noをメンバーに問う前に最後のメッセージを全員に伝える場面があって、集大成として気持ちを込めて自分の思いを語ろうとしたんだけど、突如頭が真っ白になってしまったんだよね。何かを喋ってはいるんだけど口が勝手に動いている感覚で、その時頭の中には自分の選挙への取り組みがサーっと流れていた。

そして映像が流れ終わって後に頭に残ったのが「俺にはできない」っていう言葉。「俺にはできない。ここで辞退しよう。」っていう考えがずっと頭の中にあって、消すことができないまま皆の前に立っていました。

―何か答えに窮するような質問をぶつけられたとかではなく…?

メッセージを語る前に質問はあったけど、ごくごく簡単なものだった。だけどその簡単な質問ですら答えが出てこなかった。それ以前の答弁でも自分の言葉が伝わってない感覚があったし、選挙期間にトコトン直視させられた自分の弱さが重なって頭が真っ白になってしまったんだと思う。そして、その場で代表になることを辞退した。

―壮絶な経験だな。やった人にしか分かり得ないことだよね。

本当に頭って真っ白になるんだよ。この選挙は特に大きな挫折だった。それでもアイセック自体は続けたけど。一緒に活動する仲間たちがすごく好きでモチベーションになってたから、辞められなかったっていうのが正直なところかな。この人たちと一緒に活動したい、この人の為に頑張りたいと思うような同期や後輩がいたから。

選挙の後も紆余曲折あったけれど、無事に委員長は他の人に決まって、自分は人事統括になった。1年間早稲田大学支部の採用やイベント運営を担って、4年目は事務局の人事になった。この時は全国に25ある支部を支援する側になって、採用フレームワークの作り替えやコンサル・アドバイザーみたいな形でサポートをしていたり、アイセックジャパン全体でやるイベントの運営をしたりしたよ。

―4年目は日本全体を見る立場になって、何か変化があったの?

さっきの話でも分かる通り、2・3年生はそれこそ上手くいかないことの連続だったし、苦しいことも多かった。選挙後から3年生の間は早稲田支部で人事をやっていたけど、「メンバーに十分な成長機会や挑戦機会を与えてあげられなかった」という思いがあったんだよね。

4年目は過去の自分を見るような気持ちで後輩のサポートや育成をしていたんだけど、その中でようやく人に影響を与えられた実感を持つことができたかな。

「メンバー→チームリーダー→大学支部の幹部→事務局」というキャリアパスが一般的なんだけど、この次年度の幹部を育成する全国規模の合宿が夏休みにあって、その運営チームをやらせてもらったんだ。夏休みはほぼ毎日事務所に通って、3泊4日の合宿のプログラム内容の設計からメンター育成までめちゃめちゃ本気で取り組んでいた。

そうやって熱を込めて作った合宿で、参加者の人生が変わるきっかけを提供できた感覚があって。参加者200人の表情や声から充実感が伝わってきて本当に嬉しかったし、この時に「自分のやりたいことって結局こういうことなんだな」と心底感じられた。

「こんな人生を変える場を設計することに、自分の心が大きく反応するんだ」と腹落ちしたよ。だから結婚式や企業イベントのような「場づくりを通して人の人生を変えること」が自分がやり抜きたいことだと、心の底から言うことができるようになった。

4年目は苦労が報われたというか、一つの納得できる形を残せたんだね。酸いも甘いも味わったアイセックだったけど、今のビジョンに繋がる「場づくり」の良さを見出すまで、最後までやり切ったことが本当に凄いなと思いました。

【「自分が決めた」という実感を持つ】

―そろそろ締めに入っていきたいと思う。ビジョンをどう達成していくか、その道筋を教えてもらっても良い?

前提として、「何をやるか」に関しては所属する組織にも依るから変わっていくと思うんだけど、人や組織づくりに精通した仕事だったり、結婚式みたいな感動的な場を創るプロデューサーもやってみたいし、人を感動させられるものだと映画とか音楽のようなエンターテインメントも挑戦したい。

チャレンジを繰り返しながら自分が影響を与えられる範囲が少しずつ大きくなれば良いなと思っている。実現するための環境は今までと同じように、一緒にやりたいなと思う人がいる場所を選んでいくかな。

実はあまり先を予想することは得意じゃなくて、はっきりと具体的なキャリアパスは考えていないんだよね。あまり決めつけすぎると巡り会うべき選択肢や可能性を排除しかねないなと思うこともあって、「大きな人生の軸はブラさずに、環境はその都度ドはまり出来る場所を選んでいこう。」その位の気持ち。

どこまでも真っすぐだなと思う。これまでの話を聞いて一つ気になったんだけど、「~が微妙で」っていう他責の言葉が全く聞こえてない気がする。肯定的に物事を捉えるように意識しているの?

それはあるね!捉え方1つで物事って変わってくるから、前向きな考え方を持つようには意識してる。さらに言えば、他責にするのがすごく嫌いで、というか「人のせい」だけで片付けられることって1つもないと思っていて。

「周りの人や環境は自分の鏡」っていう考え方はすごく大事にしているんだけど、人生で起こることの大体は自分の考え方や行いが結果として返ってくるものだって思っている。他人のせいにして誰かを責めたら、今度は自分が責められるって形で返ってくる気がするんだよね。それなら他人や環境のせいにする前に、自分に要因はなかったのか、自分に変えられることは何かって考えた方が生産的じゃない?

前向きな考え方をしていればそれが周りに伝播して自分に返ってくるし、自分が優しくなれば周りも優しくしてくれるだろうし、自分が周りに在ってほしい姿でいようと意識している。「可能性を信じたい」というのも自分の可能性を信じたいから。「俺の可能性を信じてくれ!」って言葉にするんじゃなくて自分から変わる、先にgiveすること(与えること)を心掛けているかな。

深いなぁ。肯定的な気持ちがあるから、困難があっても自暴自棄せずに耐えることができたんだろうね。では最後にやりたい事を探している人に向けて一言お願いします!

”やりたいこと”って誰しも心のどこかに必ず持っているはずで。挑戦する理由は後付けでもいいから、心の琴線に触れたこと、純粋に興味をもてること、ビビッときたことに飛び込んでみるのが良いんじゃないかなと僕は思います。

たとえば僕もアイセックに入った理由を3つ言ったけどあれは後付けで。正直なところ「なんだこの団体、すごくかっこいいしワクワクする…!」くらいの直感でした。やりたいことは入会当時言っていたことと変わったけれど、直感に従って入会して後悔したことは1つもありません。

あとは「当たり前」や「べき論」に引っ張られないこと。いい意味で周りの意見を気にしないことも大事かなと思います。もちろん「周りの人がやっている」「家族や親友に言われた」ようなことも一つの選択肢だけど、それに流されるのではなく自分のパッション・モットーに素直に従ってほしいです。

周りと自分の声を区別するにはどうしたら良いんだろう?意識的に場所を変えたりしてたの?

人によって自分にあった内省の仕方はあると思っていて、1人でゆっくり考える時間を作って書き出しながら自分のやりたいことを考えるのが好きな人もいれば、人と話すことで素直な感情が吐き出せる人もいる。自分にあった方法で、定期的に自分の気持ちに向き合うこと、発信することが必要なんじゃないかなって思います。

そして、「なんでこれやってる(やりたい)のだろう?」「そもそも今やってることって本当にやりたいことなのか?」という問いを持つこと。

「べき論」に従うのも決して悪いことだとは思わないし、それで動きやすい人はそれでいい。ただ、さっきの「自己決定が幸福感を作る」の話じゃないけど、「やりたくてやっている」「自分が決めた」という感覚を持つことはとても大事で、そうしないと上手くいかなかった時に人のせいにしちゃう。自分で決めたことだったら納得して前向きに取り組んで行けるはずだし、それが一番いい結果をもたらすんじゃないでしょうか。

そして心惹かれるものが見つかったらとにかく飛び込んでください。そしてまずは前向きに取り組んで見ることが大事だと思います。大学生という時期は「やってみて失敗した」「興味あると思ったものが実は面白くなかった」なんてことも大いに許される期間です。自分の心に従って熱中して取り組んだことの先に、本当にやりたいことが見えてくるはずです。

最後に「人」という部分でいうと、「憧れの人を持つ」ことはすごく大事だと思います。生き方やスタイルを真似したい、と思えるようなロールモデルを持つことが大きな指針になるので。

僕の場合は小学校の時の担任の先生や、EXILEのような芸能人もそんな存在で、迷ったときには「あの人ならどう考えるか」という基準で決めたこともありました。人の情報もたくさん得られる時代だから、誰にとってもロールモデルって絶対見つけられるはず。

やりたいことがなければ、まずは憧れの人を見つけてマネするところから始めても良いんじゃないでしょうか!

今日は忙しい所本当にありがとう!苦しかった経験まで赤裸々に語ってくれて恥ずかしさもあったと思うけど、挑戦する勇気をもらった!読んでくれた人にも届くといいな!

 

このインタビューはキャリアセンターの「学生キャリアスタッフ」が企画・実施しました。


”いきさつ” 連載紹介

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 平日10:00~16:00
【連絡先】
 Tel : 03-3203-4332  
 e-mail : career#list.waseda.jp
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