Athletic Center早稲田大学 競技スポーツセンター

プロ野球・横浜DeNAベイスターズから2位指名を受けた野球部・徳山壮磨選手（スポーツ科学部4年）と、東北楽天ゴールデンイーグルスから6位指名を受けた西垣雅矢選手（同4年）が11月4日、戸山キャンパス・早稲田アリーナで各球団から指名挨拶を受けました。

東京六大学野球秋季リーグ戦の早慶戦で１勝１分けとしたものの、勝ち点差で惜しくも優勝を逃した野球部。春は不調だった徳山選手は最終シーズンではエースとしての意地を見せ、西垣投手は3試合連続先発完封など活躍でベストナインに輝きました。ドラフト指名から1か月弱たったこの日、両選手はそれぞれの思いを背負い、共に目を輝かせて、憧れのプロの世界へ向けた第一歩を踏み出しました。

指名挨拶後、早稲田スポーツミュージアムでオンライン記者会見に応じた徳山選手は「野球部の４年間で学んだ全てをぶつけてプロで頑張っていきたい」、西垣選手は「一年間、けがなく一軍に帯同することを一番の目標に」とそれぞれ意気込みを語りました。

徳山「野球部４年間で学んだ全てをプロにぶつける」

――指名挨拶ではどのようなことを言われましたか。

「1年目から即戦力で、 先発・中継ぎ問わず活躍できるに頑張って」と言われました。開幕から1軍で1年間通して投げるピッチャーというのを目標にしてやっていきたいと思います。

――自分の強みは？

ストレートの切れ、スライダー、フォークといった全球種でしっかりゲームを作っていくことが自分の持ち味。三浦大輔監督（横浜DeNA）のようにコントロールや切れで勝負していけるピッチャーになりたいので、監督に貪欲に聞いて学びたいと思います。

――将来はどのような選手になりたいですか。

まずは自分の持ち場でしっかりと結果を残して、最終的には先発を任せられて、小さいころから目標としている前田健太選手（ミネソタ・ツインズ）のような、球界を代表するような投手になりたいと思います。早くいろんなバッターに挑戦していって、自分の球がどうなるのか、経験したいと思います。

――野球部の４年間で一番の思い出は何でしょうか。

今年は4年間で最も苦しい年ではあったのですが、仲間やお世話になった人から頑張れとう声をいただいて、何とか最後まで頑張ることができました。これという出来事はないのですけが、苦しんだ分、最後の1年が思い出としては 1番濃い年になったと思っています。

――大学最後の試合となった早慶戦が終わった後、号泣されていました。何が込み上げてきたのですか。

自分は試合で負けても泣かないほうなんですけど、不甲斐ない1年だったのでチームのみんなに申し訳ない気持ちがすごくあって、泣かないでおこうと思っていたのですが…。神宮球場でファンが応援してくれている姿を見ると、やはり思い出すものがすごく多くて、 そこで泣いてしまったという感じです。

――小宮山監督からはどのようなことを教えられましたか？

技術面もいろいろと教えてもらったのですが、自分がエース番号を付けさせてもらっていることで、「みんなが徳山を見ているから、エースらしくしっかり行動していけよ」と言われてきました。それを最後まで貫けるように頑張りました。こうした心構えの部分も含めて、野球部で４年間学んできたことの全てをぶつけて、プロで頑張っていきたいと思います。

――野球以外の思い出は？

後半はコロナ禍であまり大学には行けませんでした。ほかの部活の学生と話したりすると、他のスポーツでも運動神経やセンスが抜きんでている本当に優れた選手がいて、早稲田のスポーツ科学部はすごい選手がたくさんいるなと思いました。

西垣「早川さんがドラフト指名されて、自分もプロに行きたいと強く思った」

――球団からはどのような話がありましたか。

1年目から戦力として期待しているといってもらいました。

――理想の選手は？

巨人の菅野智之選手です。ピッチングはもちろん、フィールディングであったり、トータルでとてもレベルが高い投手だと思っています。

――楽天には田中（将大）選手や、辰巳（涼介）選手、2位指名された安田（悠馬）選手など、同じ兵庫県出身の選手がいらっしゃいますが、それについてはいかがでしょうか。

仙台には行ったことがないのですが、同じ兵庫県出身という同期がいるのは心強いかなと思います。

――また、昨年ドラフト1位で入団した先輩の早川隆久選手（2020年スポーツ科学部卒）とは連絡をとりましたか。楽天の一員となることに実感がわいていますか。

早川さんからは、指名されたときに連絡をいただきました。1学年上で1年生のときから面倒を見てくれた先輩で、すごくストイックで、普段の生活の面からからどうしたら野球につながっていくのかを常に考えている方で、参考にさせていただきました。ただ、球団の方と会ったのは今日が初めてで、先輩にもチームメイトにもまだ会っていませんので、まだ楽天の一員という実感はわいていません。

――自分の選手としての魅力・強みは何だと思っていますか。

どんな場面でも変わらずに投げられるところです。フォークボールを評価していただいてうれしく思いました。フォークは状況によって微調整しながら投げています。バッターのスイングをみて「こう落としたい」というイメージを自分で描いて、実際に投げたボールがイメージと合っている、という部分が強みかと思っています。

――プロ野球選手になりたいと思ったのはいつですか。

漠然とプロになりたいとは思っていたのですが、強く思ったのは早川さんがドラフトで指名された3年の秋です。1年後に自分も呼ばれたいという気持ちが、心の中で一層強くなりました。しかし、その時は正直に言って自分の力ではプロに行くのは厳しいと思っていました。

――4年生になって自信が芽生えたということでしょうか。

4年生でアピールすることができれば、実力的にはプロに届くかもしれないと思って、頑張りました。指名を受けられた瞬間は、まず安心しました。

――野球部での一番の思い出は何ですか。

秋の早慶戦です。4回戦いましたが、1年生のときから劇的な試合が多く、やはり秋の早慶戦が一番思い出に残っています。

――小宮山監督から言われたことで印象に残っていることは何でしょうか。

3球で追い込め、ということです。小宮山監督が監督に就任してから、ずっと言われていることです。

――プロ入りしての目標をお聞かせください。

まずはプロの世界に入って、一年間、けがなく一軍に帯同することを一番の目標にしていて、それができたら結果も自ずとついてくると思うので、まずはけがなく、一軍で戦えるように頑張りたいと思います。技術の面はもちろん、体の面もまだまだですので、しっかりとトレーニングに励みたいと思います。ポジションに関しては特にこだわりはあません。チームで求められるところでしっかり結果を出していければという思いでいます。

楽天・沖原佳典スカウト「魅力はフォーク。堂々としたピッチング、安心できる」

「西垣選手の魅力は力強い真っ直ぐとフォーク。特にフォークはカウントが悪い場面でも、ストライクを取りに行く場面でも、投げ分けることができるところですね。1年生のころから注目していましたが、よく見るようになったのは3年生になってから。スケールが大きく、堂々としたピッチングができて、見ているほうからすると安心できるようになりました。

初めは中継ぎで、と思っていたのですが秋は特に先発でいいピッチングをしていたので、中継ぎでも先発でもフル回転でやってくれると期待しています。先発だったら10勝、中継ぎだったら年間50、60試合登板できるようなピッチャーになって、イーグルスを支える選手になってほしいですね。期待しています」

応援部の薗田将直・代表委員主将からエールを受けた徳山選手と西垣選手

徳山・西垣、応援部へ感謝

徳山「4年間 いつも応援してくれたので、プロへ行ってもいい報告できるように活躍してしたいなと思います」

西垣「4年間応援しておらった応援部から最後にこういう形でエールをもらったので、プロの世界でも頑張ったいこうと、あらためた思いました」