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【早稲田ウィークリー】競走部主将・400m伊東利来也 大学生活の集大成で東京五輪を目指す

2020年度入学記念号

「東京五輪出場で、支えたくれた人たちに恩返しを」

競走部 主将
スポーツ科学部 4年 伊東 利来也(いとう・りくや)

2019年10月に行われた「第103回 日本陸上競技選手権リレー競技大会」の男子4×400mリレー(通称:マイルリレー)で、3年ぶりに日本一を達成した早稲田大学競走部。同大会でアンカーを務めたのが、東京オリンピックの日本代表入りも期待されているスポーツ科学部4年の伊東利来也主将です。競技やチームに対して誠実に向き合う伊東選手に、主将としての思いや今後の目標について聞きました。

――まずは、陸上競技を始めたころのお話を聞かせてください。

中学に入学して部活動を決める際、友人3人で陸上部か剣道部のどちらに入るか悩み、自分は家族の意見も聞いて陸上部を選びました。始めた当初は100mに、2年生からは200mに取り組んでいた中で、400mを走っていた先輩から「400は面白いぞ」と言われて400mに転向したんです。

当時先輩に言われたのは、「400mは100mや200mに比べて競技人口が少ないので活躍しやすい」ということ。実際400mを始めたら急に県大会で3位に入れたので、「これはしめたな」と思ったのを覚えています(笑)。100mを速く走れる才能があるなら100mをやりたいのが正直なところですが、自分は「やりたいことよりもできること」を選んでいきたいと思い、400mを続けています。

――自身の走りの強みはどんなところでしょうか。

練習中の様子(左から2人目が伊東選手)

競技者の中では身長168cmと低く、ハンデがある方だとは思いますが、ストライド(歩幅)の大きい走りができるのが強みです。また、これまでレースで大失敗したことが思い出せないくらい無いという安定感も強みと言えると思います。礒監督との会話の中で、「今どういう走りをしたらベストパフォーマンスができるか」ということを考えながら戦術を決めています。

――監督への信頼が厚いんですね。

そうですね。競技を始めた中学時代から、「郷に入れば郷に従え」を信じてやっています。陸上歴9年と言うと長く感じるかもしれませんが、先生方の陸上歴に比べたら短いですよね。自分は成長のために監督を信じることが大事だと思っています。何かあればすぐに相談に乗っていただける礒監督には、本当に感謝しています。

――今年、競走部員総勢110名(2020年3月時点)をまとめる主将に就任して、意識の変化はありましたか?

競走部合宿所での一コマ(右から2人目が伊東選手)

主将になってからは、毎日「自分がチームの模範にならなければ」と考えています。これまでは一人の競技者として練習していて、練習のやる気にも波があり、時には手を抜いてしまうこともありましたが、もうそういう姿は見せられないなと。人にものを言う立場となり、責任も日々実感しています。主将として自分がやるべき姿を求めていることは大きな成長で、それが良い意味でプレッシャーとなって、充実した練習に取り組めているのかなと思っています。

――昨年10月の「第103回 日本陸上競技選手権リレー競技大会」男子4×400mリレーでは、社会人チームなどを抑えて見事3年ぶりに優勝を果たしました。その時の気持ちを聞かせてください。

日本陸上競技選手権リレー決勝(写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

競走部に入って初めて大規模な競技会のリレー部門で優勝できたので、僕自身の経験としても貴重でしたが、それ以上にチームとしてもすごく大事な大会でした。というのも、前回大会ではバトンを落としてしまったこともあり、優勝を狙っていたにもかかわらず予選敗退に終わってしまったんです。周囲の方々から叱咤(しった)のお言葉をいただき、そこで初めて、チームの状態が良くないという現実に向き合いました。

それは、バトン受け渡しの練習不足というよりも、チーム内のコミュニケーション不足や競技会に向けた気持ちの準備不足など、メンタル面が大きな要因でした。1つ上の先輩が中心となって何度も話し合いの場を設けてくださって、「次回は絶対に優勝するぞ」と誓っての結果だったので、個人種目の優勝以上に思い出深い大会となりました。

表彰式の様子。えんじ色のユニフォームは限られた大会でしか着られない特別なもの(右端が伊東選手、写真提供:早稲田スポーツ新聞会)

――2019年は「IAAF世界リレー2019横浜大会」の男女混合4×400mリレーの出場や「第17回世界陸上競技選手権大会(世界陸上)」の日本代表入りなど、世界を舞台に戦う場面も増えた1年でしたね。東京オリンピックの代表入りも期待されています。

「第23回アジア陸上競技選手権大会」予選での力走(写真提供:共同通信)

日本代表としての出場は、今までの何倍、何十倍も大きい重圧を感じる経験となりました。リレー種目での選出だったこともありますが、自分だけの失敗では終わらないんだということを一層感じましたね。日本の代表としてどうあるべきか、考える機会をいただいたと思っています。代表入りした世界陸上では走ることはできませんでしたが、ドーハで一流選手の走りを生で見て、たくさん刺激を受けました。

東京オリンピックの代表選出は、今後いくつかのレースを経て総合的に判断すると聞いていますので、4~6月の3カ月間が非常に重要な時期になってきます。監督と話し合って、出場するレースを決定する予定です(※)。

(※)このインタビューは2月27日に行われました。

――今後の目標を聞かせてください。

自分としての一番の目標は、やはり東京オリンピック出場です。大学生活、競技生活の集大成になりますし、自分が出場することで、今まで一緒に練習してきた競走部のメンバーや、支えてくれている監督やコーチ、家族にも恩返しができたらと思っています。

競走部主将として目標にしているのは、9月に行われる日本インカレ(日本学生陸上競技対校選手権大会)での男子総合優勝です。競走部の学生が皆、走って飛び、その得点を合算して順位が決まります。昨年は逃してしまったので、今年こそは優勝したいです。

――最後に、上級生として新入生にメッセージをお願いします。

監督から言われた言葉でもありますが、大学時代は「人生の中でも時間が多く与えられる時期」です。僕が4年間、陸上競技に熱中できることは本当に有り難いことだと思っています。自分が新入生の皆さんに言えるような立場であるかは分かりませんが、学問でもそれ以外でも、何か夢中になれることを大学時代にやり切ると、いい4年間になるのではないでしょうか。

撮影:髙橋榮

第752回

【プロフィール】
千葉県出身。成田高等学校卒業。「第88回日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)」男子400m優勝。「第23回アジア陸上競技選手権大会」男子400m決勝進出。「IAAF世界リレー2019横浜大会」男女混合4×400mリレーでは日本最高記録樹立。「第17回世界陸上競技選手権大会(世界陸上)」日本代表選出。400mの自己ベストは45秒79。スポーツ科学部では矢内利政教授のバイオメカニクスゼミに所属し、速く走るための動きを研究している。オフの日は、西武線に乗って秩父へ行ったり、都内の街を歩いたりと、出掛けることが多いそう。大学2年のお盆休みには、一人で富士山に登頂した経験も。
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