君塚弘恭先生の書籍がフランスで出版されました。
http://www.pur-editions.fr/detail.php?idOuv=3844
『18世紀のボルドーとブルターニュ地方 葡萄酒の道』
本書は、2013年フランスの南ブルターニュ大学に提出された博士論文をもとに修正を加えて出版したものである。18世紀ヨーロッパにおいて食料品の商取引は、人々の生活に密着した、商業活動の根幹であった。本書は、葡萄酒生産地として知られるボルドーとブルターニュ半島との間で行われた商業活動に着目し、ボルドーで買い付けられた葡萄酒がブルターニュ地方の消費者に渡るまでの過程、それに関わった商人について描き出した。
フランスの有力紙の一つであるテレグラム紙は、地方版で本書を取り上げ次の点を評価している。第1に、ブルターニュ地方におけるアルコール飲料市場の構造を明らかにしたこと。沿岸交易の影響から葡萄酒はブルターニュ半島沿岸部とボルドーと歴史的に関係の深い半島西部に流通した。第2に、消費者について分析し、消費者の社会階層や嗜好について明らかにした。第3に、ブルターニュ地方の小さな港町の商業的役割を強調していることである。