在学生からのメッセージ(博士後期課程3年 成 明珍)
Profile
成 明珍(Sung Myungjin)
社会科学研究科博士後期課程3年(2011年4月現在)
地球社会論専攻/漢字文化圏論
2005年8月梨花女子大学中国語学専攻卒業(文学学士)
2008年8月韓国外国語大学大学院日本語学専攻修了(文学修士)
語学留学先であったアメリカで出会った様々な国の人々との交流の中で、漢字の持つ力とその役割に興味を持つようになったのが研究の出発点だったと思います。ハングル専用化が定着している韓国で育ち、漢字に関しては知識も関心も乏しかった自分であったからこそ、アジア各国からの人々がコミュニケーションの手段として漢字による筆談を用いているところに衝撃を覚えたのかもしれません。学部においては中国語学を、修士課程においては日本語学を専攻し、各国語において漢字が果たしてきた役割と性質を明らかにしようと励んできました。そして、個別言語における漢字の問題を「漢字文化圏」という一つの共同体における問題として捉えなければならないと思って悩み続けていたときに、社会科学研究科に出会ったのです。
社会科学研究科では、言語・文化・社会・歴史・経済などを含む各分野で第一線の研究者として活躍されている先生方から、学術的知識だけでなく、幅広い物事の見方や捉え方を学ぶことができます。何事にも縛られず、自分がやりたい研究に集中することができる自由な学風や雰囲気も、社会科学研究科の原動力の一つになっているのではないかと思います。また、異なる分野で研究を進めている院生たちとの交流を通して、自分自身の研究内容や方法などを客観的に見ることができる点もここならではの魅力の一つであると思っています。
現在、私は「日中韓三ヶ国の専門用語における語彙・文字に関する研究」というテーマで、三国における情報メディアとしての漢字の役割と漢字文化圏の形成の可能性について研究を進めています。将来、ここで学んだことを生かして、日中韓三国の相互理解促進と、三国を含むアジア全体の架け橋になることができればと願っています。