Graduate School of Sport Sciences早稲田大学 スポーツ科学研究科

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卒業生・修了生の皆さんへの学術院長からのメッセージ

2020年3月26日

早稲田大学スポーツ科学学術院長

土 屋   純

 

卒業生・修了生の皆さんへの学術院長からのメッセージ

 

スポーツ科学部卒業生の皆さん、そしてスポーツ科学研究科修了生の皆さん、卒業、修了、誠におめでとうございます。

残念ながら今年度の卒業式・修了式は、大学としても、学部・研究科としても実施することがかないませんでした。学生生活を締めくくる式典が開催されないことは、皆さんにとってどれほど残念なことか想像に難くありませんが、私たち教職員一同もとても残念に思っています。

せめて皆さんの卒業、修了にあたり、スポーツ科学学術院を代表して、私からのメッセージをお伝えしようと思います。

 

今現在、私たちが直面している新型コロナウイルスによる世界規模の混乱の状況は、深刻さを増しています。多くの人々の生命が危機に瀕し、経済活動が停滞し、人々の往来も妨げられる事態が世界中で起きています。私たちのようなスポーツ関係者のみならず、国内外の多くの人々が心待ちにしていたオリンピック・パラリンピック東京大会の開催も危ぶまれています。ほんの数か月前まで私たちが当たり前のように感じていたさまざまなものごとが、当たり前ではなくなってしまってきています。

 

また、新型コロナウイルスの感染が大きな問題になる前には、ここ数年の間に、ICTやAIによる仕事への影響、年功序列給与体系の廃止、終身雇用制度の見直し、公務員や大手企業の定年延長といったことが報道されてきました。わが国の社会において長く常識とされてきたさまざまなことがらが、大きく変化しているのです。

 

こうした状況のなか社会に船出をする皆さんは、大きな不安を感じていらっしゃるだろうと思います。しかし、考えてみてください。社会は常に変化し続けているのです。それは今に始まったことではありません。スマートフォンを一人一人が持っていること、インターネットやメールで世界中の人々と瞬時に連絡を取ることができること、授業をインターネット上で受けることができること、電車やバスに乗るときにICカードを使うことなど、今では「当たり前」のことですが、私が学生時代にはすべて、想像すらできなかったことです。新型コロナウイルスの問題も、数年後にはワクチンや治療薬が開発され、他の感染症のように克服されるでしょう。

 

私が申し上げたいのはつまり、人生には不安はつきものですが、それも時間とともに消滅してゆくのだということと、私たちが「当たり前」と思っている、感じていることも、そのうちに「当たり前」ではなくなっていくでしょうし、今は想像もできないことが数年後には当たり前になっているだろう、ということなのです。ぜひ前を向いて社会に漕ぎ出していただきたいと思います。

 

皆さんの卒業・修了にあたり、私から3つ、ここでお願いをしておきたいと思います。これらのお願いは過去数年の卒業式・修了式でも私から卒業生・修了生の皆さんにお伝えしたものです。

 

1つ目のお願いは、自分たちにとってあって当たり前、あるのが当然と思っていることも、実は当たり前でも当然でもないのだ、ということと、なぜ自分たちはそれが当たり前であると感じることができるのか、ということをぜひ考えていただきたいということです。

例えば皆さんは、スポーツは、ご自身にとってなくてはならないもの、あるのが当たり前のものであると感じていらっしゃると思います。しかし、実はそれを許す社会のさまざまな環境があり、そしてご家族はじめ友人やまわりの方々の支えがあってはじめて、皆さんが当たり前だと感じることができたのだ、ということを忘れないでいてください。スポーツに限らず、日常生活のありとあらゆることについて、なぜ私たちは当たり前と思うことができるのかを考えていただきたいのです。

 

2つめのお願いは、スポ科を卒業・修了される皆さんには特に、スポーツの実践を継続していただきたい、ということです。社会に出たら、これまでの学生生活のようにスポーツをすることが当たり前であるような時間を持つことは、残念ながら現実的に難しくなるでしょう。しかし、皆さんはすでによくご存じのように、わが国において深刻な社会問題となっている生活習慣病や、要介護といった健康に関する問題に対する最も有効な解決策は、スポーツや運動をすることであるといわれています。これから社会においてリーダーとして活躍する皆さんにとって最も重要なのは、ご自身が健康である、ということだと思います。皆さんご自身の健康を維持するために、たとえその時間がわずかであっても、どうか皆さんが愛するスポーツを習慣的に実践するということを忘れずにいていただきたいのです。

 

3つ目の私からの最後のお願いは、皆さんご自身が、早稲田大学の学生生活で得た知識と技能、そして人間的な魅力をもって、これから身を置く新しい社会あるいはすでに身を置いている社会において、かけがえのない、なくてはならない存在として活躍していただきたい、ということです。

どんなに社会が変化しても、人と人との心のつながりや、思いやりの大切さは変わることはないでしょう。仲間とひとつの仕事を共にして、その仕事がひと段落した時、仲間から「また一緒に仕事がしたい」と思われるような存在でいてください。私はそれこそが、早稲田大学の卒業生・修了生の姿であると心から信じています。

 

最後にあらためて、これから皆さんが、スポーツ科学部、スポーツ科学研究科での学生生活で得たものを糧として、社会のさまざまな場面でご活躍なさることを、スポーツ科学学術院の教職員一同、心からお祈りしていることをお伝えし、私のメッセージとさせていただきます。

 

卒業・修了、誠におめでとうございます。

 

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