英国エセックス大学と早稲田大学SGU実証政治経済学拠点が共催となり、7月25日から8月5日にかけてエセックス・サマー・スクールが開講されました。このパイロット・プログラムはヨーロッパで最高峰と言われるエセックス・サマー・スクールの講座が日本で受けられるもので、日本で最初の試みとなります。
このコースは回帰分析の基礎(最小二乗法など)を既習の大学院生が対象で、授業はすべて英語で行われました。受講した大学院生は最尤法を用いた統計分析手法(離散選択モデルなど)の理論と応用について学びました。政治学だけでなく経済学やコミュニケーション学など幅広い分野から集まった学生は講座修了後、エセックス大学より正式な修了書を受領します。

千葉大奈専任講師
講義は、英国エセックス大学政治学部の千葉大奈専任講師(政治学博士、米国ライス大学)が教鞭をとりました。千葉講師は武力紛争や国際機関、Political methodologyについて研究しており、American Journal of Political Science, Journal of Politics, Journal of Conflict Resolution、Political Analysisなどに論文を発表しています。
詳細についてはこちらをごらんください(英文):
http://essexsummerschool.com/summer-school-facts/courses/complete-2016-course-list/1h/
全てのプログラム終了後、8月5日にレセプションが開催されました。レセプションでは千葉講師と実証政治経済学拠点リーダーである田中愛冶政治経済学術院教授が挨拶し、田中教授は「エセックス大学のサマースクールはヨーロッパでは最高峰であり、早稲田大学でこのような講座を開講できることはとても栄誉なことである。エセックス・サマー・スクールin WASEDAの初めての修了生としての誇りを持ってほしい」と述べました。
最後に、修了生ひとりひとりから千葉講師へ感謝の言葉が贈られました。ある学生は「私は国際関係学を専攻していますが、この分野を研究するには、例えば国家間の同盟や戦争に関する二値選択モデルなどを理解する必要があります。また、平和構築における紛争分析などを行うためには、ハザードモデルなども学ぶ必要があります。今はケース・スタディのみ行っていますが、将来は統計分析もできるようになりたいです。千葉先生の講座を受講できたことを光栄に思います」と語っていました。
実証政治経済学拠点はスーパーグローバル大学創成支援(SGU)に採択された「Waseda Ocean構想」におけるモデル拠点のひとつです。実証政治経済学拠点は来年度以降もこのプログラムを拡大し、続けていく予定です。