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【開催報告】比研共催講演会:監獄制度にかんする議論における刑事法学説の発展:ふたつの革新の接近、分離、それとも平行な発展?6/1(土)が開催されました

比研共催講演会:「監獄制度にかんする議論における刑事法学説の発展:ふたつの革新の接近、分離、それとも平行な発展?」

日 時:2024年6月1日(土)17:00-19:00
場 所:早稲田キャンパス 8号館604教室
主 催:科研費・基盤研究C「フランス法の核心を問うために―フランスにおける死刑史の学際的研究」代表者:福田真希(神戸大学教授)
共 催:早稲田大学比較法研究所、早稲田大学法学部
参加者:15名(うち学生3名)

 

本講演会は、ジャン-ルイ・アルペラン教授(パリ高等師範学校)の来日に伴い開催された。講演は、同教授の該博な法史学的研究を基礎とするものであり、次のことが明らかにされた。

周知のように、19世紀ヨーロッパ各地では、かつての身体刑中心の刑罰体系に代わり、自由刑中心の刑罰体系が一般化されていった。その際、問題となるのが、自由刑の詳細、より具体的には収監条件であるが、この点に関心を持ったのは、主に博愛主義者や実務家であり、必ずしも法学者ではなかった。というのも、監獄の内容にかんする条文は多くはなかったうえ、新しい刑罰である自由刑については、議論の蓄積もなかったからである。前二者についても、受刑者の再社会化という観点から収監条件の改善を求めた人々がいた一方で、トクヴィルをはじめとする多くの論者は、より厳しい条件へと向かう監獄改革を求めた。そして、収監条件の改善を求める側は死刑廃止論へと、厳格化を求める側は死刑存置論へと向かっていった。

以上の講演に続き、質疑においては、19世紀の監獄事情や刑罰論のほか、日仏における刑事法学の位置づけ等にまで及ぶ広汎な問題をめぐって活発な議論が交わされた。

*講演の翻訳・通訳および開催報告の作成にあたっては、福田真希教授(神戸大学)から格別のお力添えをいただきました。特に記して感謝申し上げます。

 

 

(山城一真・比較法研究所研究所員)

Dates
  • 0601

    SAT
    2024

Place

早稲田キャンパス8号館604教室

Tags
Posted

Wed, 10 Jul 2024

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