古代・中世日本における廃墟の文化史
Cultural History of the Ruins in Ancient and Medieval Japan
2019年より4年にわたって継続し、2020~2022年度の3年間は科学研究費を得て実施してきた研究課題「古代・中世日本における廃墟の文化史」について、これまでの成果を報告し、今後の展開を議論する国際シンポジウムを開催した。前半の《Session1:文学生成の場としての廃墟》では、主として古代・中世文学の中に生じた廃墟的な場における文学創造の磁場について、物語・和歌・紀行文・漢詩という視点から総合的に議論した。《Session2:廃墟の絵画と芸能》では、中世絵画と謡曲に廃墟の表象を探索し、そのイメージがどのようなコンテクストから解釈可能かについて議論した。登壇者とコメンテーターについて詳細を以下に記載する。
プログラム
《Session1:文学生成の場としての廃墟》
13:30-13:40 | 開会挨拶 渡邉裕美子(立正大学) |
13:40-14:00 | 『うつほ物語』と『源氏物語』における廃墟的な場 陣野英則(早稲田大学) |
14:00-14:20 | 廃墟と詠歌―遍照寺を中心として 渡邉裕美子(立正大学) |
14:20-14:40 | 歌枕と廃墟─紀行文を中心に 木下華子(東京大学) |
14:40-15:00 | 五山文学における廃墟の表象 堀川貴司(慶應義塾大学) |
15:00-15:30 | Session1コメント&ディスカッション コメンテーター: ハルオ・シラネ(コロンビア大学) ディスカッサント: 佐藤直樹、陣野英則、渡邉裕美子、木下華子、堀川貴司 |
《Session2:廃墟の絵画と芸能》
15:50-16:10 | 経説と廃墟―発心の場としての身体、建築、伽藍、都市 山本聡美(早稲田大学) |
16:10-16:30 | 『一遍聖絵』に描かれた荒廃する社─大三島社(巻十第三段)の描写をめぐって 梅沢恵(神奈川県立金沢文庫) |
16:30-16:50 | 能〈融〉が描く場―誰が何を見ているのか 山中玲子(法政大学) |
16:50-17:10 | From Ruinsto Salvation: Death and Hellin the Kasuga Faith(廃墟から救済へ―春日信仰における死と地獄の思想) マリアサルバドール(ハーバード大学博士後期課程) |
17:10-17:40 | Session2コメント&ディスカッション コメンテーター: 佐藤直樹(東京藝術大学) ディスカッサント: ハルオ・シラネ、山本聡美、梅沢恵、山中玲子、マリアサルバドール |
17:40-17:45 | 閉会挨拶 山本聡美(早稲田大学) |
イベント概要
- 日 時:2023年3月18日(土曜日) 13:30- 18:00(JST)
- 会 場:早稲田大学 戸山キャンパス33号館132号室
- 言 語:日本語・英語 ※質疑応答は日英併用
- 対 象:教員、研究者、大学院生、一般
- 主 催:科学研究費基盤C(20K00337)「古代・中世日本における廃墟の文化史」(代表・木下華子、東京大学・准教授)
- 共 催:早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点、早稲田大学美術史学会
- 協 力:遊行寺宝物館