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西村 こと 文学研究科 日本語日本文学コース
- Posted
- Thu, 02 Jul 2026
UCLA-Wasedaリサーチ・フェローシップ・プログラム 報告書
文学研究科日本語日本文学コース博士後期課程2年 西村こと
2026年1月3日から3月20日まで(2026 Winter Quarter)の期間、UCLAのAsian Languages & Cultures学科に留学いたしました。ロサンゼルス、とりわけUCLAを訪れるのは、3年前のシンポジウム(Kyarachters On the Other Side of Narrative)参加以来のことでした。前回は1週間弱の滞在でしたが、今回は約3か月にわたる生活となるので、不安を抱きつつも、それ以上に大きな期待感を胸に渡航しました。そしてその期待は裏切られるどころか、想像以上のかたちで報いられることとなったのです。
留学期間中は、自身の研究に関する調査および講義への参加に注力いたしました。UCLAのThe East Asian Libraryは蔵書が非常に充実しており、大きな感銘を受けました。こちらでしか閲覧できない資料に触れられることはもとより、日本にいるのと変わらない環境で調査および授業準備を進めることが出来ました。
UCLAの博士課程の学生は、1年次から3年次にかけて履修すべき単位数が多く、各回の授業準備として課されるリーディングの量も膨大であるため、多忙な日々を送っていることが印象的でした。学位論文の執筆を主軸とする早稲田大学の学生とは異なる研究環境に触れることを通じ、多くの学びを得ました。とりわけ、Seiji Lippit先生によるセミナー「Selected Topics in Modern Japanese Fiction」は非常に有意義で、毎週の講義を心待ちにしておりました。本セミナーでは、国木田独歩「武蔵野」、泉鏡花「高野聖」、芥川龍之介「或る阿呆の一生」などが取り上げられ、担当者による発表の後、クラス全体でディスカッションを行う形式が採られていました。少人数であったこともあり、終始活発で和やかな議論が展開されました。テクストに表象された空間をどのように読解するか、各自の解釈を持ち寄り話し合ったことで、多くの新たな知見を得ることが出来ました。私が議論の途中で英語での表現に行き詰まり、日本語に切り替えた場面もありましたが、周囲のみなさまは温かく耳を傾けてくださいました。それに甘えることなく、日本近代文学について英語で不足なく議論できる程度の語学力を更に磨かねばと、奮起いたしましたこともここに記します。
滞在中の住環境も非常に恵まれており、提供された寮は快適で、大学周辺も生活に便利な地域でした。円安の状況下ではありましたが、支給いただいた滞在費により、生活面で困ることはありませんでした。また、現地での生活をサポートしてくださった博士後期課程1年のRaisa Stebbinsさん、Yun-Dian(Annabel)Weiさんには、きめ細やかなご配慮をいただき、深く感謝しております。講義のあいまや調査の隙間時間に、お二人をはじめとする学生の方々とお食事をご一緒したり、週末に映画を観たりした時間は、かけがえのない思い出となりました。アメリカで学生生活を送っていたらばこんな風だっただろうかと、嬉しさを噛みしめたこともしばしばでした。
本年夏には、この度の留学でお世話になったUCLAの学生の方々が調査研究のため早稲田大学を多く訪問されると伺っております。本留学を通じて得られた研究上の成果に加え、UCLAを中心とするカリフォルニア大学の若手研究者との交流を築くことができたことは、大変貴重であると考えています。今後もこれらのつながりを大切にし、継続的な学術交流へと発展させていきたいと存じます。
最後に、私を受け入れてくださったMichael Emmerich先生、種々の手続きや現地でのサポートを惜しみなくお与えくださいましたElizabeth Leicester様、そして私を快く日本から送り出してくださった指導教授の十重田裕一先生に、心底より御礼申し上げます。