開催にあたって
ベルギーを拠点に活動されている演出家・俳優の近藤瑞季さんが今年もどらま館でワークショップを行います。今回は、「演出」をテーマにしたワークショップです。しかし「演出」をテーマにと一口に言っても、いまの自分にとって身近な課題がそれぞれだと思います。そこで、このワークショップでは、その課題をまず人に説明することからはじめて、それぞれの課題の解決の道筋を参加者で一緒に模索します。自分の課題解決を誰かが一緒に考えてくれる場であり、他者の課題にもじぶんの頭とからだを使う場所です。演出に関する自分のモヤモヤをこの機会に持ち込んでもらえればと思います。(どらま館 宮崎)
企画概要
演劇創作の場において、「演出」するとは、一体何を意味するのでしょうか?
俳優の演技指導をすることでしょうか。
作品の方向性を決めて、創作チームを取りまとめることでしょうか。
その作品に出演する俳優を決めることでしょうか。
たとえば、現在活動するアーティストの中には、演出家なしに俳優だけで創作活動をする
ひとたちもいます。その場合、「演出」や演出家という存在は何を意味するのでしょうか。
誰かが他の誰かを「演出」するとは、何を意味するのでしょうか?
ひとりの人間が他の誰かを演出するときに発生する問題は何でしょうか。
演出する/演出される関係性が秘める可能性は何でしょうか。
どこからどこまでが演出の領域で、どこからどこまでが俳優の領域でしょうか。
そもそも、それらの境界線をきちんと決める必要は
あるのでしょうか。
挙げればキリがありません。しかし、上記のような、皆が敢えて口にしない不明瞭な事柄
にこそ、立ち止まって考える価値のある、大きな意味があると思いませんか?
今回のワークショップでは、「演出」についての思いを言葉で表現するワークと、実際の
舞台上でのワークを行います。「演出」の意味について、2 日間、一緒に探っていきま
しょう。
実施概要
以下を目的として、「演出する」意味について、複数人で考える。
・自らの考えを言語化して表現し、他者に共有することを通して、自らの思考をより深く追及すること。言語化する際に感じる難しさや、言語化することにより発掘される自らの中にあった思いを発見すること。
・演出する/演出される実体験を経験することで、演出家と俳優との関係性を構築し、その関係性が抱える問題や、関係性が創作に与えうる可能性を探る。
日時
2022年8月25日、26日 両日とも14:00-18:30(予定)
※原則、通し受講。見学は1日から受付します。
※時間延長の可能性があります。予めご承知おきください。
1日目:参加者がそれぞれの「演出」に関して思うことを15分の時間で、他の参加者に共有する。誰かの発言中は、他の参加者は介入・発言しない。その後、ディスカッションを行う。
2日目:テクストを使用して、参加者同士で演出家と俳優の役割を分担し、シーンの稽古を行う。
会場
早稲田小劇場どらま館(2F)
対象
早大生、早大公認サークル所属学生、一般の方で演出に興味のある方、演出家、演出をやってみたいと思っている方、演出に疑問を持っている方。
定員
参加者 10名程度(先着順)
見学 若干名
予約
https://www.quartet-online.net/ticket/52bkruz
*原則、参加は両日通し受講です。ご参加の方は、予約フォームの「8月25日14:00 25,26日両日参加」を選んでご予約をお願いいたします。見学は1日から受付いたします。
*ご不明点等ございましたら→[email protected] (担当:目黒、関口)まで
講師プロフィール
近藤瑞季(こんどうみずき)
1991年生まれ。女優、演出家。2014年に単独渡仏し、2017年にナント市コンセルヴァトワール芸術学校・俳優科を首席で卒業する。ベルギー国立演劇学校INSAS演出コースにアジア人として初めて入学を許可され、2022年9月に同校を卒業予定。 卒業製作の演出作品「À」は、その年の最高得点の評価を受ける。
主な出演作品に、ナタリー・ベアス演出「Mes petites météorites」「Song for you」、ヤン・クーネン監督「7 Lives」(中編映画作品)、オルモ・ミッサーリア演出「Una foresta」(2022年ヴェネチアビエンナーレ上演)がある。