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「越境対馬」の参加者が「全国高校生歴史文化フォーラム」にて最優秀賞を獲得
【越境対馬】
Fri 21 Mar 25
【越境対馬】
Fri 21 Mar 25


「全国高校生歴史文化フォーラム」において、3年生の西野亮祐君が最優秀賞を受賞しました。
徳島県立鳥居龍蔵記念博物館主催の「全国高校生歴史文化フォーラム」において、3年生の西野亮祐君が一次審査を突破して2月16日に徳島市にて行われた全国フォーラムに出場し、最優秀賞を受賞しました。
今回、受賞した研究テーマは「近代日本の国防政策における『重要地域としての対馬』認識の形成過程」で、対馬がいつから「重要地域」として認識されるようになったのかについて、史料を丹念に分析しながら解き明かしたことが評価されました。
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![]() 古代山城や近代の砲台がおかれた城山の山頂にて |
![]() 最優秀賞受賞の3年生の西野亮祐君(学院にて) |
西野君は、学院において2015年から行われてきた「越境対馬」の参加者です。このプログラムでは夏休み中に、朝鮮半島から対馬を経て九州へと渡るフィールド・ワークを行っています。まず初めに東京から韓国へと飛び、現地の大学生や高校生と交流したり、歴史認識をめぐる問題に関係する史跡や博物館等を訪れた上で、釜山から船で対馬へと「越境」します。対馬では民泊しながら、島の歴史や地理、民俗、文化、社会、観光、自然、環境を幅広く体感し、現地の商店や飲食店、宿泊業者、行政関係者からの聞き取りや、韓国人観光客へのアンケート調査などを行った上で、各自で設定したテーマに応じた研究を行っています。最後に対馬から福岡へと渡って「越境」を終え、韓国・対馬・北部九州の連続性と非連続性について考え、「国境」の意味を問い直しながらそれぞれの研究を深めています。
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西野君は「越境対馬」の活動に3年連続で参加し、1年生の頃から対馬の砲台をテーマに研究を続けてきました。対馬は一般に「国境の島」と呼ばれますが、通時代的にそうだったわけではないという視点から、砲台の設置や軍事的要地としての認識の形成過程について再検討した成果が実を結び、受賞に至りました。まさに「越境対馬」で取り組んできた「国境」の相対化という知見を活かした研究といえるでしょう。
今後も「越境対馬」のフィールド・ワークを通して、対馬を舞台とした様々な研究を学院生が進めてくれることが期待されます。
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