Waseda Weekly早稲田ウィークリー

特集

TWIns設立10周年 早大と東京女子医大が描く医理工融合の世界地図

TWInsは東京女子医科大学(新宿区河田町)に隣接

2008年4月に東京女子医科大学と早稲田大学による医理工融合研究教育拠点として創設された「東京女子医科大学・早稲田大学 連携先端生命医科学研究教育施設」、通称「TWIns(ツインズ)」(※)。

東京女子医科大学と早稲田大学は、人工心臓の研究開発をはじめとする医学と工学にまたがる学際的研究で、50年以上にわたり協力と交流を進めています。2000年には正式な学術交流協定を締結し、TWIns設立後の2010年には文部科学省の共同大学院認可第1号として「共同先端生命医科学専攻」を開設。そして2017年度には、これまでの「医工連携を担う人材育成拠点」としての功績を評価され、「第1回日本医療研究開発大賞 経済産業大臣賞」を共同で受賞しています。

(※)東京女子医科大学の「T」、早稲田大学の「W」、そしてInstitution(施設)の「Ins」を組み合わせ、“双子”という意味を持つ「TWIns(ツインズ)」と命名。

そんなTWInsは今年で設立10周年を迎え、6月2日(土)に東京女子医科大学・早稲田大学ジョイントシンポジウム「TWIns 現在 過去 未来 2018」を開催しました。今回の特集では「医理工融合」の現在・過去・未来に迫ります。

TWIns 10周年記念 東京女子医科大学・早稲田大学ジョイントシンポジウム
「TWIns 現在 過去 未来 2018」

ジョイントシンポジウムは、東京女子医科大学の吉岡俊正(よしおか・としまさ)学長と早稲田大学の橋本周司(はしもと・しゅうじ)副総長の開会の言葉を皮切りに、TWIns設立に携わった東京女子医科大学の岡野光夫(おかの・てるお)特任教授と早稲田大学理工学術院の梅津光生(うめづ・みつお)教授が、過去10年間を振り返りました。岡野特任教授は「日本発・世界初の医療テクノロジーで世界の患者を治すような、世界拠点のTWInsを目指してほしい」、梅津教授は「社会的に新たな価値を見いだし、大きな変化をもたらそうと取り組んできた。失敗を恐れていては何もできない」と、10年間を総括すると共に、これからのTWInsへの期待も語りました。

その後のTWInsに関わりの深い方々や両大学の若手研究者による講演は、医学はもちろん、ロボットなどの機械工学や生物学、電気分野など、まさにTWInsを象徴するような学際的な内容となり、参加者は長時間に及ぶ講演に熱心に耳を傾けていました。

(写真左)質問は司会の教授陣からも発せられた
(写真中央)東京女子医科大学からは4名、早稲田大学からは5名が講演。参加者の中にはメモを取る人も
(写真右)発表後は質問タイム。さまざまな質問が出ていた

ゆめ・しんねん・継続 これからの10年

講演の後は今後10年に向けた思いを、東京女子医科大学からは清水達也先端生命医科学研究所長、早稲田大学からは柴田重信先端生命医科学センター長が語りました。

「ノーベル賞を受賞するような成果に期待」

東京女子医科大学 先端生命医科学研究所長 清水 達也(しみず・たつや)

10年後には、TWInsに植えた桜の木が大きくなったようにTWInsも成長し、ノーベル賞を受賞するような研究成果が出ることを期待しています。

TWInsは世界がうらやむ環境にあるので、それを十分に活用していただきたいです。東京女子医科大学でも早稲田大学でも、これまでにないような学際的な研究が多くなされていますが、今後10年でさらに相互のコミュニケーションを深めてほしいです。

また、産学連携を進め、先端生命医科学の開発拠点としてさらに発展させ、基礎・応用研究にとどまらず、実用化を図りたいと考えています。これまでのように研究を進め、今後も絶え間なく成果を出していくために大事なことは、人材交流です。TWIns内でもだいぶ人材交流が深まりましたが、まだまだ不十分な部分もあるようですので、壁を低くしてさらなる交流を進めていただきたいです。

世界の研究者を受け入れ、グローバルな研究所とすることも使命の一つです。そして世界に通用する技術開発を続け、社会に貢献するものを開発していただきたいです。外部に出てもTWInsで研究したことをいろいろなところで生かし、将来にわたって先端科学技術の普及に努めてください。

そして、最も大切なことは「夢見る力」です。何歳になっても高い目標、夢を常に抱いていただきたい。ぜひ、恥ずかしがらずに互いに語り合うようにしてほしいのです。互いに高い目標を持ち、切磋琢磨(せっさたくま)する良い雰囲気にしていきたいです。私の思いを書にするなら「ゆめとしんねん」。夢を持ち、目の前のことをしっかり進める。皆さんで力を合わせることで、本当に素晴らしい成果が出てくると信じています。

「TWInsは学術的横断の中心」

理工学術院 教授、先端生命医科学センター長 柴田 重信(しばた・しげのぶ)

東京女子医科大学の清水先生は、これから確かに10年以上ありますが、私にはそれほどの時間がありません(会場笑い)。それでも5年先のことは話せると思いますので、三つの課題についてお話しいたします。

まず、一つ目は「教員の世代交代」。教員がぜひTWInsに来たい、TWInsだからこそ手を挙げたいと思うような、継続的に魅力ある研究機関であることが重要です。良い教員が在籍していることは、イコールで良い教育がなされることです。世代がきちんとつながって研究が進められることが大切です。

二つ目は「建物、内部の共同施設の更新」について。10年を経過して最先端であることは簡単ではありません。最先端であることを維持しながら、活発な研究活動をつないでいく。それは特に若い世代にとって重要な問題です。

三つ目は「生物・生命系の将来を考える」ことです。生物・生命系の研究は早稲田大学の中だけでも実に大きなバックヤードがあり、その一部がTWInsに張り出しているイメージもあります。東京女子医科大学や今日ご参加の皆さんに、早稲田大学でどのような研究がなされているかを知っていただくことが重要で、それがTWInsの発展につながると考えています。同様に東京女子医科大学のさまざまな研究に早稲田大学の研究者、学生が触れることも非常に大切です。お互いを知り、交流の機会を持つことがとても大事です。教育、研究には人が必要です。そして、そこでは学術横断的な取り組みがなされなければなりません。TWInsはそれを担い、中心的存在となるべきです。

「継続は力なり」。これは組織としても、個人としても不可欠です。ぜひ、皆さんと一緒に頑張っていきたいと考えています。

ポスターセッション

ポスターセッションでは両大学の学生が中心となり、各32名、合わせて64名が発表を行いました。優秀な発表者5名に対して「ポスター賞」が授与され、受賞者の皆さんは、恵まれた環境で研究できていることや、指導教員、仲間に対する感謝を語りました。また、TWInsが今後ますますの発展を目指すべく、参加者全員が熱く語り合い、懇親を深める場となりました。

ポスター賞受賞者及び研究課題

写真一番左は柴田センター長、一番右は清水所長

写真左2番目から順に

大学院先進理工学研究科 修士課程 2年 中園 一紀(なかぞの・かずき)(※)
「生体接着剤を用いた細胞シート高速積層技術による立体心筋組織の構築」

大学院先進理工学研究科 修士課程 2年 藤田 裕貴(ふじた・ひろたか)
「神経細胞内在性Arc mRNAの蛍光相関分光法による動態解析」

大学院先進理工学研究科 修士課程 1年 榎本 利彦(えのもと・としひこ)
「アミノ酸重合の正確性が低下した遺伝暗号表の構築」

大学院創造理工学研究科 修士課程 1年 上本 詩織(かみもと・しほり)(※)
「藻類・動物細胞共生リサイクル培養による三次元組織作製」

大学院先進理工学研究科 修士課程 2年 戸谷 勇輝(とたに・ゆうき)
「早稲田・教育・生物・伊藤研究室の紹介」

(※)東京女子医科大学との共同研究

「医理工融合」ってどんなこと? 修士1年女子学生のTWInsライフ

【次回特集予告】6月18日(月)公開「29号館・Tutorial English特集」

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/weekly/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる