The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

News

ニュース

【学生の声】「里山ってどんなところ?森づくりボランティア in 三輪里山」に参加して

【学生の声】「里山ってどんなところ?森づくりボランティア in 三輪里山」に参加して

法学部4年 M.N 

本格的な冬の到来が感じられる寒さの中、2024年12月8日(日)、私たちは三輪里山へ森づくりボランティアに参加しました。駅からバスで現地へ向かい、現地に着くと、樹木・環境ネットワーク協会の方が私たちを笑顔で温かく迎え入れてくださいました。

WAVOCのビブスを着用し、ノコギリを腰の左側に装備し、手拭いを巻いた上からヘルメットを被り、準備万端です。里山に入る前に、樹木・環境ネットワーク協会の方から、三輪里山について、現在の成り立ちやそこに至るまでの森林形態の変遷、更にはこちらの保全活動が始まったきっかけなどについてお話を伺いました。

最初は山道を歩いていき、山の奥へと向かいました。向かった先は、木々がたくさん立ち並ぶ、いわゆる森林でした。そこでは、比較的大きな木を伐木するグループ2つと、比較的細い木を伐木し、伐木した木についた枝を切り落とすグループ1つに分かれて、それぞれ作業に取り掛かりました。前者では、ボランティアの方たちが5、6人程集まって1グループとなり、チェーンソーを用いて伐木作業を行っていきます。まずはチェーンソーを用いて徐々に木に切り込みを入れていきます。「ウィーン」という、まるで工事中のような大きな音が周辺に響きます。作業の途中、木が倒れてくる方向をグループで何度も話し合って予測を立てたり、何度も確認し合ったりしながら、切り込みを入れる部分を適宜調整していきます。途中、他の人に2、3回程交替しながら、切り込み作業を行います。私たちは、木が間近で倒れるのを見るのが初めてだったので、緊張しながら、その作業を見つめていました。私の体感では10分ほど経過後、「ボトン」と重みのある音がしました。ついに木が倒れた瞬間、切り倒す作業を行った人たちに笑顔が見えました。

それから、木にロープを巻く形で、力を用いて伐木するグループもありました。ロープを引っ張る人と、木を持ち上げる人たちといったように、役割分担しながら、4、5人で力を合わせて伐木していました。これがなかなか一筋縄ではいかず、グループで何度も話し合い、適宜立ち位置を調整しながら、作業していました。

私たちは、他のボランティアの方たちが伐木した木々の枝を、ノコギリを用いて切り落とす作業を行いました。作業の際、木を固定させようと手でしっかりと握りますが、ゴム製の軍手をした手でも、枝を切り落とした部分が手に刺さって少々痛みを感じます。また、木一本が細くても、長さが結構長いので、ずっと持っていると重たいです。作業の際、樹木・環境ネットワーク協会の方から、枝部分に対して垂直にノコギリを持って、切り落とすことが肝心とのアドバイスを頂きました。また、見せて下さったお手本では、ノコギリを用いて枝を一度で勢いよく切り落としていましたが、それは長年木々を伐採してきた人にしかできない熟練の技であり、私には到底できない技でした。

午前中の作業後、少し時間が余ったので、樹木・環境ネットワーク協会の方の案内の下、山道を散策しました。向かった先には、大きく平らに拓けた土地がありました。そこでは、間隔を空けて木々が立ち並んでいました。そこの木々は、ある高校の生徒たちが卒業する記念に植樹されたものだそうです。

山道を戻り、昼食をとりました。肌寒い風が吹く中、薪を焚き、キャンプファイヤーのように焚火の火を囲む形で、暖を取りながら食事をしました。食事の際は、樹木・環境ネットワーク協会の方や、ボランティア参加学生たちと他愛のない会話をしながら、楽しいひとときを過ごしました。

昼食後は、竹の生い茂る竹林へと向かいました。竹林では、間伐作業を行いました。竹林は急斜面である上に、地面が裸の土となっている所もあり、滑りやすく、かなり足場が悪いです。竹を切るため、ちょうど良い足場を探しながら、竹林を上がって行きます。竹のそばに立ちますが、体勢をとる為の足場がすぐ近くにあるとは限らず、足で地面を数か所踏みながら、ちょうど良い足場を探します。私のところは、体勢が少しとりづらい所にしか足場がなく、他のボランティアの方に足を補助的に支えて頂きながら、竹を切りました。竹にノコギリで「ゴリゴリ」と切込みを入れていきます。途中で何度か「パキパキ」と、竹の切り込みを入れた部分が引き裂かれる音がします。周りの方に作業を見てもらいながら、いつ倒れてくるのか分からないちょっとした恐怖の中、切り続けます。ついに「パキパキパキ」と音がして、竹が徐々に傾いていきます。ですが、思いの外、竹の上先端の枝が他の竹の枝に引っ掛かり、なかなか倒れません。しばらくすると、自然と倒れていきました。他のところでは、竹がなかなか倒れず、竹を倒すために、両手を使って竹の真ん中を、勢いよく下す人もいました。

この日の作業が全て終わると、一日を通じて作業を共に行ってきたボランティアの方々と輪になり、作業を通しての感想や得られた学びについて、共有し合いました。

私は今回の活動を通して、環境保全の「現場の厳しさ」を学んだ一方、環境保全の活動は「人と自然とのふれあい」や「人と人とのつながり」といった豊かさを人々にもたらしてくれることを学びました。高校生の頃の私は「多くの人々が環境保全に参加するようになれば、緑を増やすことができるだろう」と安易な考えを持っていました。しかし、今回の活動で実際に木々の間伐作業等を体験したことで、木一本、竹一本伐木するのに、想像以上に多くの人手、時間、手間がかかることを学びました。現状では、日本全国を見ると、保全活動を行う担い手がいないために、荒廃した状態で放置されている山林や森林が数多く存在しており、これら全ての山林、森林を回復させるのに、「どれだけの年月がかかるのだろうか」と考えを巡らせてしまいました。一方で、今回の活動では、冬の冷たい風を感じながら里山の山道を歩いてゆき、間伐作業を行ったり、森林の植生を観察したりすることを通じて、自然を五感で感じることができ、自然に癒されることもありました。また、活動を通じて、たくさんのボランティアの方々とお話しする機会がありましたが、様々な年代の方々がいらっしゃって、三輪里山について新しいことを教わるほか、それぞれ保全活動を始められたきっかけやご自身の学生時代についても伺うことができ、新たな発見もありました。世代を超えてコミュニケーションを図ることができ、楽しい時間となりました。

最後に、このような貴重な機会を私たちに提供して下さった、樹木・環境ネットワーク協会の方々や、WAVOCの職員の方々に感謝申し上げます。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/wavoc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる