The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

News

ニュース

【学生の声】能登半島地震災害復興支援ボランティアに参加して(志賀町)

能登半島地震災害復興支援ボランティアに参加して(志賀町)

文化構想学部3年 塩梅 春香

2024年元日に起こった能登半島地震。WAVOCが引率する災害復興支援ボランティア第1便に参加しました。参加のきっかけは、「地元である石川県のために少しでも何かしたい」と考えたことです。私自身も金沢市で震度5強の地震を体験しました。幸いにも自宅のある地域はライフラインも問題なく、地震の影響はほぼと言っていいほどありませんでした。しかし、石川県出身だということで周囲の人たちは心配してくれます。気遣いの言葉をもらう度に、被災していないのに心配をかけて申し訳ないという気持ちと共に、こんなにも身を案じてくれる人がいるという嬉しさが混ざり合う複雑な心境になります。そんな自分にできることは、「多くの人から貰った気持ちを行動にして被災地に返すことではないか」と思い、参加を決意しました。

活動初日の早朝、金沢駅近くのホテルロビーに集合した後、県のボランティア用のシャトルバスに乗るため、乗車場所のある公園まで移動。そこから今回の活動先である志賀町までは2時間ほどの道のりでした。志賀町災害ボランティアセンターに到着し、説明を聞いた後、私たちは二手に分かれ、それぞれ、他のボランティアの方々との混合チームで作業に臨みました。私の班は、ご高齢のお母様が1人暮らしをしているお宅の担当でした。黒光りが特徴的な能登瓦はその多くが崩れ、地面に散らばっており、中に入ると剥がれた土壁や倒れて壊れたタンスなどが目立ちました。

瓦の片付けや家財の運び出しをしていく中で学んだことは、ボランティア同士の連携の大切さです。ボランティア経験豊富な方々との活動でしたが、建設的な話し合いと適切な指示のおかげで、とてもよい雰囲気で効率よく作業を進めることができました。また、災害ゴミ集積場の方々は、運び込まれたものを積み上げて山にするという大変な作業を一日中しているにも関わらず、大量の瓦を持ってきた私たちに対し、笑顔で対応し、いたわりの言葉をくれました。自分よりずっと大変な状況にある人たちがいるのに、疲れや暗い顔を見せる訳にはいけない、という気持ちが伝わってきて、私自身も鼓舞されました。

2日目は前日とは別の場所で、崩れたブロック塀の撤去を行いました。今回は学生・職員全員と大阪府や石川県から参加された方々との共同作業でした。印象深かったことは、お昼休憩の際に地域の方から聞いた、地区のお祭りのお話です。豪華な御神輿の写真を見せていただき、「今年も夏には実施したい。ぜひ担ぎに来て。」とおっしゃったその言葉の力強さに、復興の兆しを見ました。冷たい雨が降る悪天候での作業でしたが、家を囲うように積み重なっていたブロック塀がきれいになくなり、達成感を得られました。

ボランティアに行ったところで自分1人では現状は何も変わらないと思うかもしれません。私は今でもそう思っています。しかし、被災した人たちにとっては、ボランティアが通い続ける状況に意味があるのではないでしょうか。多くの人が1日でも早い復興を願っていること、これを現地の人に見えるような形で表し続けることがボランティアの意義なのではないかと気がつきました。

改めまして、ボランティアセンターでお世話になりました社会福祉協議会、県内外のボランティア、安全な活動を支えてくださったWAVOC職員、優しく迎え入れてくださった住民の方々、皆さまに感謝申し上げます。貴重な経験をありがとうございました。

Page Top
WASEDA University

早稲田大学オフィシャルサイト(https://www.waseda.jp/inst/wavoc/)は、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。

推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。より快適にご利用いただくため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。

このままご覧いただく方は、「このまま進む」ボタンをクリックし、次ページに進んでください。

このまま進む

対応ブラウザについて

閉じる