実習科目「狩猟と地域おこしボランティア」の履修生による体験レポートです。自然豊かな山梨県丹波山村で、猟師さんや地域の方との出会いや実習を通して履修生は何を感じ考えたのか?
ぜひお読みください!
【第1回】科目「狩猟と地域おこしボランティア」の現地実習とは?ー体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」2023ー
荻原光希 (社会科学部1年)
2023 年 10 月 22 日、僕は科目「狩猟と地域おこしボランティア」の現地実習で丹波山村を初めて訪れました。この授業を受けるまでは、僕は丹波山村の存在を知りませんでした。そのため今回のレポートでは、僕と同様に丹波山村についてあまり知らない方や、この「狩猟と地域おこしボランティア」を受講していない方に向けて、丹波山村や「狩猟と地域おこしボランティア」の実習を自分目線で紹介したいと思います。
10 月 22 日実習当日、僕は朝5:00 に起床しました。久しぶりに早起きしたのでなかなか眠いままでした。丹波山村までは遠く、約 3 時間以上要しました。長い移動で少し疲労気味でしたが、丹波山に着いてから、村の綺麗さや空気の澄んだ様子に癒され、移動で溜まった疲れがとれる感じがしました。

丹波山村の様子
ここで丹波山村について紹介します。丹波山村は、山梨県の東北部、東京都との県境に位置しており、雲取山・飛竜山・大菩薩嶺などの山々に囲まれ、 村全体の 97%は山林です。人口は令和2年度で 530 人と小規模な村ですが、若い世代が増加しつつある美しい村です。
では、ここからは午前と午後に分けて実習内容を紹介していきます。
午前中は講師の保坂さんから狩猟について、実体験を交えて聞かせていただきました。中でも猟に向かう際の装備が非常に興味深かったです。下記の写真にあるアナグマの皮を利用した防寒装備は、見た目以上に暖かく印象的でした。この装備は冬場の狩猟時に長時間雪上で座っていても暖かい作りになっていました。また、どの装備も保坂さんが狩猟で実際に使用しているものばかりであったため、実際の狩猟時の光景をイメージできました。

穴熊の毛皮で作られた、防寒装備
続いて、猟銃体験としてライフルのモデルガンを用いて、缶に当てる体験をしました。
銃の実際の構え方は、ゲームやアニメで見ていた銃の構え方と全く異なりました。そのため、上手に構える事が難しく、なかなか缶に当てられなかったです。しかし、みんな構え方や当てるのに苦労しながらも楽しんでいました。複数回缶に命中させた学生もいる一方、一発も当てられなかったという学生もいて、結果は人によってそれぞれでした。この体験を通して、銃猟の難易度の高さや苦労を実感しました。

射撃体験の様子
午前の最後に、鹿などの処理場を見学をしました。僕が当初想像していた処理場と異なり、工場を感じさせる様子でした。処理場内では、鹿を解体する設備を見学し、どのような過程を経て動物がジビエ肉に変わるのか学びました。また、鹿の体内に残された銃弾の残骸が印象的でした。非常に硬い銃弾が鹿に当たった衝撃で大きく形を変えてしまっていたからです。
処理場を見学した後は昼食をとりました。この際にいただいた鹿肉のミネストローネはとても美味しかったです!鹿肉に臭みや硬さは一切なく、逆に柔らかく脂みが強過ぎない点が食べやすく、ジビエのイメージが変わりました。

お昼に食べた鹿肉のミネストローネ
午後は、丹波山村で問題となっている空き家の片付けをみんなで行いました。空き家の様子は、はじめに私が考えていたものとは異なり生活感が非常に強かったです。例えば、住人の趣味の物や書籍などが、まるで数日家を空けただけの様に残されていました。
片付ける中で家の様子を見ていて、自分が歳をとった時のことなどを考えてしまいました。また、他の空き家では蜂の巣があるなど危険な点がありました。空き家がもたらす様々な危険という点からも、空き家問題を改善する取り組みの促進を行う必要性を実感しました。

空き家清掃の様子
授業が終わってからは、みんなで温泉に行きました。温泉の温かさが 1 日の疲れをとってくれました。仕事の後の温泉はすごい気持ちよかったです。
今回の現地実習を通して、狩猟や銃猟、鹿の解体・加工や空き家問題など、多くの事を学ぶことができました。今回のように実際に見て触れることで、直に問題を理解することはとても良い経験になりました。
ぜひ、みなさんも丹波山村に観光に行ってみてください!
体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」
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