実習科目「狩猟と地域おこしボランティア」の履修生による体験レポートです。自然豊かな山梨県丹波山村で、猟師さんや地域おこし起業家さんたちと出会い、履修生は何を感じ考えたのか?
ぜひお読みください!
【第3回】自分の中にあった無意識の決めつけ
ー体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」2022ー
中村 竜之介(文化構想学部3年)
常に動物の死と隣り合わせの猟師だからこそ、僕たちの想像を超えて、さらに強く「命」について意識するのだろう。10月23日、第一回目の丹波山村での現地活動。今回の実習で僕が学んだのは猟師という存在の大きさと、自分の中に確かにあった無意識のうちの決めつけに対する気づきだった。

罠の仕掛け方、ポイント選びなどのレクチャー
実際の猟場を案内しながら、猟師の方はこんなことを教えてくれた。丹波山にいる30人程の猟師のうち、罠猟を行っているのは1割程しかいない。あとはみんな銃猟であるという。最初にこの話を聞いたときはあまりその理由や意図は掴めなかったのだけれど、猟師の方はこう続ける。
「罠猟を避けるのは、獲物が罠にかかってから人が捕獲するまでの苦痛の時間が長くて、そのことを嫌う猟師が多いから」
もちろん他にも理由はあるのだろう(反対に罠猟を行う理由も)、猟師ではない自分にすべてはわからない。けれど理由の一つとして動物の命に対する尊重があったこと、そしてその意識が猟の方法として表れていたことは驚きだった。きっと僕の中には無意識のうちに、「猟師は長年動物と対峙していく中で『動物を殺すことに慣れてしまった人達』なのだろう」という決めつけがあったのだと思う。

丹波山の自然
きっとこうした思い込みは、猟師に対するものだけでなく、あらゆる面で自分の中にあるだろう。そんな自分が怖くなる時もあるけれど、同時に何かを考えるきっかけとして忘れてはいけない視点であるとも思う。今回の実習で見た猟師の姿や、実際に聞いたお話は、物事を問い直す必要性を、改めて僕に教えてくれた。
体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」
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