The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

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【WAVOC20周年記念】卒業生インタビューvol.2 佐々木 章太さん

WAVOC20周年記念インタビュー

WAVOC設立20周年記念事業の一環として、現在社会人として活躍しておられる、WAVOCとの親交が深い先輩方に、学生リーダーがお話を伺いました。
今回お話を伺ったのは、佐々木 章太(ささき しょうた)さん

学生時代は、チャータースクールへの教育支援~ハワイ編~(以下、ハワイPJ)リーダーWAVOC学生スタッフ(現:学生リーダーとして活躍されました。現在は、パイロットとしてご活躍中です。

ハワイPJでの活動について

―活動内容を教えてください。

ハワイPJでは、春と夏の年2回、10人ほどの学生がハワイへ渡航しました。日本語や年賀状文化といった、日本文化をハワイの子ども達に伝えたり、一緒に遊んだりすることが主な活動内容です。JCD(Japanese Culture Day)と呼ばれる日には、準備した踊りや演し物を現地の子供達に見せたりもしました。帰国してからは、活動を振り返り、冊子を作って現地の人へ送ったりボランティアプレゼンコンテスト(以下、ボラコン)や早稲田祭に参加したりしました。

WAVOCでの活動は、まさに「体験の言語化」。
そして、「相手の立場に立って考える」こと。

―ハワイPJでの活動を通じて、得られたことを教えてください。

一つ目に、物事を振り返って言語化するプロセスは、活動で得られた大きなものだと思っています。ハワイPJとしてボラコンに参加しましたが、それはまさしくこの「体験の言語化」であったと感じています。具体的にはハワイPJで、僕たちは「教育の力」をテーマにしていました。例えば…ハワイの子供たちは、「残したものをそのまま捨てる」ことを当たり前にするんですね。そこで、「どうして日本の小学生はしないのに、ハワイの現地の小学生はするのか?」と考えたとき、僕たちはそれが「悪いこと、もったいないこと」という教育を受けてきて、現地の子供たちは、そういう教育を受けていないからなんです。まさに、教育が「私たちの眼鏡を作る」のであって、「一人一人違うことは当たり前なんだ」と、僕たちは気付きました。
このように、「活動を通して、どういう気づきがあったか」を言葉にして、相手に発表することは、就職活動をはじめ、その後にも活きてきた大きなものだと思います。
二つ目は、相手の立場に立って考えられるようになったことです。独りよがりにならないことは、ボランティアで大事なことですし、どんな活動にも繋がることだと感じています。

パイロットという仕事について

―パイロットを志したきっかけを教えてください。

小学生の頃、コックピットに入る機会があり、「すごいな、かっこいいな」と感じました。また、高校でパイロットの方が、講演会に来てくれたことも、一つのきっかけです。その方が、「ずっと少年のような気持ちで、いつでも毎日新鮮に、仕事に向き合える」とお話ししてくれて、「そういう仕事って素敵だな」と思いました。
調べれば調べるほど、これしかないと思うようになり、小学校から大学まで、パイロットだけを目指してきました。

好きであること、信念を決めること、大きな目標を持つこと。

―努力の秘訣を教えてください。

まず、好きであることが大切だと思います。例えば趣味のように、自分の好きなことであれば、努力を「努力」と思わずにすることができますよね。逆に、合わないことだったら、ちょっとしたことでも大変です。そんな風に、「無理して何かをする」のではなくて、「自分がやっていけるフィールドを選ぶ」ことが大切です。
また、パイロットは安全を第一にしなければならない、人の生命を預かる仕事です。なので、「安全に関わることは絶対」と自分の中に信念としています。ですから、自分の中に芯になるものを決めておくことが大事だと思います。
それから、パイロットになるまでは、「パイロットになる」という目標に向かって英語の勉強なども頑張れました。今は、「機長になる」という目標に向かって、自分の現在の立ち位置や、やらなくてはならないことを把握するようにしています。そういう意味では、大きな目標を持つことも大切ですね。

「相手の立場に立って考える」ことは、パイロットの仕事もおなじ。

―WAVOCでの活動が、現在のお仕事に繋がっていると思う部分を教えてください。

飛行機は、パイロットだけで飛ばしているわけではありません。CAさん、管制官、運航管理者など、みんなで飛行機を飛ばしています。つまり、「情報を共有し、チームで飛ばす」ことが、とても大切なんですね。そして、そのためには、「相手の立場に立って考える」ことが大事なんです。例えば、5分後に機内に揺れが発生するとして、僕たちパイロットは何が起こるかがわかっているから、平気かもしれません。でも、この情報を伝えなければ、お客さんにとっては、突然飛行機が揺れることになります。また、CAさんがサービス中で、怪我をするかもしれないですよね。こうやって、「自分は誰と仕事をしていて、周りの人たちはどう思っているのだろう?」ということを大切にする上で、WAVOCでの活動は活きています。

おわりに

「自分でなんでも経験しにいく」姿勢を大切に。
「一歩ふみだす、ぐっと広がる」。

―最後に、20周年を迎えたWAVOCと、ボランティアの場で活躍する学生に向けて、メッセージをお願いします!

WAVOCでは、いろんなところで活動の場を提供してもらいました。20周年、本当におめでとうございます。これからもっと発展していって、WAVOCと早稲田と、職員さんと先生方と、学生リーダーのみんなで、もっと活躍していける場が広がっていけば良いなと思います。ボランティアをしている学生の皆さんは、コロナ禍で大変だと思います。ですが、ボランティアにおいても、学生時代全般においても、受け身になっていて得られることは少ないです。学生やWAVOCの立場を活かして、「自分からなんでも、積極的に経験しにいく」姿勢を大切にして欲しいと思います。
失敗してもいいから、やってみることが、僕の時代からWAVOCのスローガンでもある、「一歩ふみだす、ぐっと広がる」につながります。一歩ふみだすことには勇気がいると思いますが、一歩ふみだしてやってみると、いろんな世界が広がります。自分でも思いがけなかったところで得ることがあったり、うまくいかなかったことが後々活きてきたり…これって本当に大切なことだと思います。そういう経験が、僕自身WAVOCで得られたし、後から活きているなと感じます。皆さんにも、ぜひそんなふうに活動してもらえたらと思います。

 

【編集後記】

佐々木さんは、WAVOCでの積極的な活動のご経験、そしてそこから得られた力を存分に活かし、パイロットという夢を掴まれました。そして現在も、更なる目標に向かって、努力を絶やすことなく続けられています。
尊敬できるWAVOCの先輩にお話を伺う、とても貴重な機会になりました。佐々木さん、ありがとうございました。

取材・文:WAVOC学生リーダー 福田 伶奈

【プロフィール】
佐々木 章太さん
2016年早稲田大学基幹理工学部 機械化学・航空学科(現:機械科学・航空宇宙学科)卒業後、東京大学大学院に進学。大学院を休学し、2017年航空大学校入学。2020年より株式会社ソラシドエアに入社。現在、副操縦士として活躍中。

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