「狩猟の村」で学ぶ、おいしいジビエができるまで~体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」6~
木村英輔(政治経済学部4年)
初めまして!政治経済学部4年の木村です。
この授業では「もくそん」と呼ばれていました。
今回、私がテーマにするのは「おいしいジビエ」ができるまでの流れと、その過程でわかった工夫についてです。
実は、私は以前ジビエを食べたことがあるのですが、その時は「マズイ」というのが率直な感想でした。
それは新潟に住む祖父の友人が猟師をしていて、おすそ分けでイノシシ肉をもらった時のことで、「弾力が強すぎてグミみたい」「噛み切れない」などと食べた家族全員から不評だった記憶があります。
この記憶がぬぐい切れないまま訪れた「狩猟の村」山梨県丹波山村でしたが、そこで私の中のジビエの印象が大きく変わりました!
頂いたのはシカ肉やイノシシソーセージでしたが、生臭さが少なく、豚や牛よりも風味豊かな味でした。

自然の中で頂く鹿肉弁当!
では、なぜこのようなおいしいジビエがこの村で作られているのでしょうか?
まず、ジビエ肉ができるまでの過程を紹介し、その中で私が感じた工夫や取り組みをご紹介します。
(以下、仕留める直前の写真などリアルな表現が出てきますので、苦手な方はお控えください)
ジビエ作り① 鹿など対象の動物を仕留める

仕留める直前にもがく鹿
ジビエ作り② 仕留めた動物を解体場へ運ぶ
ジビエ作り③ 動物に付いている土を落とし、皮や内臓をとる
ジビエ作り④ おおばらし(枝肉の状態のものを部位ごとに解体)する
ジビエ作り⑤ 部位ごとの肉を加工する
ジビエ作り➅ 加工した肉を出荷する
ここまで流れをご紹介しましたが、私が感じた「おいしいジビエ」にするための工夫は2つありました。
おいしいジビエにする工夫❶
仕留めてから解体までの時間をできるだけ短く
私たちは罠にかかった鹿にとどめを刺す現場に同行しました。そのなかで猟師の皆さんは鹿を銃で仕留めた後、素早く血抜きをして解体場へと急いでいました。
その理由は、解体までに時間がかかると肉が固くなってしまうからだそうです。
おいしいジビエにする工夫❷
衛生管理を適切に
解体場にはいくつもの区画があり、まず土を落とし内臓を出す区画、次に枝肉を解体する区画、最後に部位を加工する区画といったように、きちんと段階ごとに区切っています。
ここまでいかがでしたか。
みなさんもおいしいジビエが食べたくなったのではないかと思います。
ぜひ一度丹波山のジビエをどうぞ!
≪体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」のこれまでの連載記事はこちらから≫
https://www.waseda.jp/inst/wavoc/news/2021/10/22/6915/