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タンザニアの観光施設への違和感 ~マジぱねぇゾウ害~(第1回/全4回)

タンザニアの観光施設への違和感 ~マジぱねぇゾウ害~(第1回/全4回)

法学部3年 松見恭佑

GEC科目「アフリカゾウとの共生を考えるボランティア」の海外実習として、8/9〜23の2週間、岩井先生・二文字屋先生と履修生10人でタンザニアで過ごしました。そこで経験したゾウ害問題について、これから4回シリーズで配信します。今回はタンザニアの観光地である国立公園での体験を紹介します。

まずは、この科目の主題である「ゾウ害」について説明します。ゾウ害とは、ゾウによる農作物被害および人身被害のことです。政府が動物を観光資源として保護する目的で国立公園を設置し、動物の狩猟を禁止したことが発端です。国立公園の周辺にある村々に、人に慣れてしまった動物がやってくるようになりました。近年は特に、ゾウが畑を荒らす被害が頻発するようになっています。村人は行政の援助がない中、被害を防ごうと、夜の見回り、追い払い、見張り小屋の建設などをして対応しています。しかし、経済的な余裕がないこと、法律の制限でゾウを傷つけられないこと、現在の対策が問題の根本的な解決になっていないことによるモチベーションの低下などの理由から、ゾウ害をゼロにする見通しは立っていません。

ゾウを「嫌い」という村人が意外と少なかった。詳しくは後日配信する記事で紹介します。

そんなゾウ害を現場で学ぶために、私たちはタンザニアへ出発しました。アルーシャという都市部で2日間過ごした後、ゾウ害が起こっている村へ向かうため、国立公園を「旅行者」として体験しました。公園の中では、動物園にいる動物が野生の姿で、地平線まで広がる大地で悠々と過ごしていました。そして、その姿を一目見ようと、多くの外国人観光客がいました。国立公園は、タンザニアの観光資源として十分に活用されていました。

国立公園を通り抜けて少し進んだところに、小さな建物と看板が設置してありました。看板には地図があり、国立公園や保護区の区割りが説明してありました。その区分けされた土地には私有地もあり、そこにある1泊2000ドルもするロッジ(アメリカ資本)に宿泊すると、広大な敷地を独占して楽しむことができるといいます。外国からセレブが訪れて利用しているそうです。非常に大きな額が動く観光施設がある一方で、観光の弊害であるゾウ害を受けている地元の村人にはあまりにも利益が少ないのではないか、という強い違和感を感じました。この時はまだゾウ害を直接体験していませんでしたが、この問題構造の複雑さ、解決の難しさを感じました。

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