The Hirayama Ikuo Volunteer Center (WAVOC) 早稲田大学 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)

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「猟師になるには」 〜めざせ女猟師!2~

「猟師になるには」  〜めざせ女猟師!2~

早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター准教授 岩井雪乃

講習会の行列

講習会の行列

わが家の田んぼと畑を荒らすにっくきイノシシを獲ってやる!
と決意したわたしであるが、では、どうやったら猟師になれるのか?

「猟師になる」ということが「狩猟することを合法的に認められる」という意味で考えると、まずは狩猟免許の取得が必要になる。むやみに誰でも狩猟してよい、というルールでは、動物の数が激減してしまったり、周辺の人間に危険がおよんだりする可能性がある。そこで、国や自治体で狩猟者を管理するためにあるのが狩猟免許の制度だ。

狩猟免許には、「罠」「銃」「網」と3種類ある。猟に使う道具によって、免許が異なるのだ。わたしのめざすイノシシを獲るには、罠または銃の免許が必要になる。銃は、取得までの手続きがたいへんだし危険度も高いので、まずは罠免許を取得することにした。

罠免許は、実はけっこう簡単にとれるのだ。各都道府県が実施する試験に合格すればいい。午前が筆記試験で、それに合格すると午後の実技試験だ。試験の内容は、猟期や狩猟してよい場所など狩猟の規則についてや、獲物である動物や鳥の生態についての設問が出る。
そんな勉強をどうやってするんだ? ということは心配しなくて大丈夫。試験の前に、猟友会(狩猟者団体)が1日の講習会を開催してくれる。それに出席すれば試験の傾向と対策を伝授してくれるのだ。練習問題集ももらえるので、それを事前に勉強すれば、かなり高い確率で合格できるだろう。

わな免許

わな免許

実は近年、狩猟免許を取得する人は増えているのだ。わたしが参加した事前講習会には、なんと400人もの参加者がおり、会場の席はぎっちりとうまっていた。その中には、若い女性も多く、大学生らしき女子たちも何十人もいた。なぜ狩猟免許に関心が高まっているのだろう? わたしのように自分の田畑が荒らされるから害獣を駆除したい、という人も多いし、若い女性では「食べること」への関心から出発して、自分の食べる物を自分で捕獲したい、という人も増えているらしい。どんな動機にせよ、動物が増え過ぎてしまっている日本の現状からは、狩猟者が増えていくのは心強いことである。 こうして、晴れてわたしも罠免許を取得した!とりあえず「ペーパーハンター」になることはできた。ここまではけっこう簡単。問題はこの先だ。実際に生きた動物を相手にして、捕獲することができるのか? そのためには、動物の生態および狩猟場となる土地の地形について深い知識と経験が必要となる。本物の猟師になるための修行は、まだ始まったばかりだ。

 

 (つづく)

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