【開催レポート】WAVOCボランティア・プレゼンコンテスト2026 /32団体が登壇し、「社会貢献 × 学び」の実践と課題意識を発信

2026年4月3日(金)、早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)は、「WAVOCボランティア・プレゼンコンテスト2026」を開催しました。
本コンテストは、WAVOC支援サークルによる活動発表を通じて、各団体の取り組みを可視化し、広く発信するとともに、サークル間の交流を促進し、新たな学生のボランティア活動への参加意欲を高めることを目的としたイベントです。
今年度は、昨年度の19団体を大きく上回る32団体が登壇しました。各団体は、今年度のテーマである「サークル名 × 社会貢献 × 学び」に沿って、5分間のプレゼンテーションを実施。活動内容や理念、創意工夫、社会貢献への姿勢、活動を通じた学びや気づき、今後調整したい目標などを発表しました。
当日は、教育格差、地域づくり、地方創生、国際協力、環境問題、災害支援、子どもの居場所づくりなど、多様なテーマに取り組む学生団体が登壇しました。各団体の発表からは、単に活動実績を紹介するだけでなく、「なぜその活動に取り組むのか」「現場で何を学び、どのような課題を認識しているのか」を自らの言葉で整理し、実践と省察を結び付けて伝えようとする姿勢が感じられました。
また、長い歴史を持つ団体から近年設立された団体まで、設立時期や活動分野の異なる団体が一堂に会し、学生による多様な実践が共有される貴重な機会となりました。
優秀賞受賞団体
審査の結果、優秀賞には以下の3団体が選ばれました。
・学習支援サークル BORDER FREE
・ソーシャルビジネス起業プロジェクト
・ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~
学習支援サークル BORDER FREE

学習支援サークル BORDER FREEは、「教育格差の是正」を理念に掲げ、子どもたちへの学習支援と居場所づくりに取り組んでいる団体です。
発表では、行政支援の対象外となりやすく、塾にも通うことも難しい「見えない困窮層」に着目し、学習機会の提供と、安心して過ごせる場づくりを進めてきたことが紹介されました。公的支援だけでは届きにくい領域に学生が関わり、地域の協力者とともに支援の場を広げてきた歩みが示されました。
2021年の設立以降、同団体は東京にとどまらず、各地の大学生や地域の協力者と連携しながら、活動拠点を広げてきました。今後は、2030年までに全国47都道府県で教室を開講することを目指すという展望も語られました。
受賞に際しては、「全国展開を実現したいという熱い思いを伝えることができて光栄です」とのコメントが寄せられました。
「学習支援サークル BORDER FREE」の発表の様子はこちらから
ソーシャルビジネス起業プロジェクト

ソーシャルビジネス起業プロジェクトは、「社会課題をビジネスで解決する」ことを掲げ、学生の段階から構想と実践を重ねている団体です。
発表では、能登地域における継続的なボランティア活動を起点に、課題理解、資金調達、ビジネス実践へとつなげてきた取り組みが紹介されました。現地での活動を通じて本質的なニーズを把握し、その学びをもとに、クラウドファンディングやビジネスコンテストへの挑戦、稲門祭・早稲田祭での商品販売へと展開してきたことが報告されました。
早稲田祭では、商品販売にとどまらず、その背景にある社会課題を伝える展示も実施。来場者1,000人以上、売上30万円という成果を上げるとともに、多くの来場者に課題への関心を喚起しました。
当初は、ボランティアや資金調達がソーシャルビジネスとどのように結び付くのか、メンバーの中にも疑問の声があったといいます。しかし、実践を重ねるなかで、それぞれの活動を一つの社会課題の解決に向かう連続したプロセスとして捉えるようになったことが語られました。
受賞に際しては、「ボランティア活動補助金を今後の資金として活用し、さらなる実践を広げていきたい」との抱負が示されました。
「ソーシャルビジネス起業プロジェクト」の発表の様子はこちらから
ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~

ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~は、早稲田大学がラオス南部に建設した2つの小学校で、遺産教育を中心とした活動を展開している団体です。
発表では、自作教材や寸劇を取り入れながら、子どもたちが主体的に参加できる授業を約半年かけて準備していることが紹介されました。「共に考え、共に感じる」という活動理念のもと、一方的な支援ではなく、現地の子どもたちとの関わりを通じて、自らも学び続ける姿勢が示されました。
また、継続的な支援を行うなかで、活動の変化をいかに「進化」として捉えるかという課題意識も共有されました。
受賞に際しては、「この活動は本当に社会貢献になっているのか、それとも国際交流にとどまっているのではないか」という葛藤があったことが語られました。今回の発表は、活動の意義をあらためて問い直す機会にもなったと振り返られました。
さらに、燃料費の高騰や周辺情勢の影響により活動の継続が容易ではない現状にも触れつつ、今回の受賞が今後の活動を続けていくうえでの支えになることへの期待が述べられました。
「ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~」の発表の様子はこちらから
講評/実践を問い直し、社会へ伝えていくことの重要性
全団体の発表終了後、落合基継副所長(社会科学学術院教授)と兵藤智佳准教授(平山郁夫記念ボランティアセンター)から講評が行われました。
落合副所長は、学生たちが活動に注いできた時間と熱意に敬意を示したうえで、ボランティアは「楽しい」「やりがいがある」だけで完結するものではないと述べました。学びを深めるためには、「自分たちの活動は本当に役に立っているのだろうか」と問い直し、自らの実践が相手や社会にどのような意味を持つのかを考え続けることが重要であると指摘しました。
また、「楽しい」という感情だけでなく、「無力感」とも向き合うことで、自分の役割や限界を自覚し、活動がより深い学びへとつながっていくことが伝えられました。
兵藤准教授は、いずれの団体も強い思いをもって活動に取り組んでおり、その活動に優劣をつけることの難しさに触れました。そのうえで、活動を他者へ届けるための「伝える力」や「言葉」の重要性について言及しました。
現場での経験を言葉にし、他者と共有することで、活動の意義は団体の中だけにとどまらず、社会へと広がっていきます。今回のコンテストは、学生たちが自らの実践を見つめ直し、その意味を社会へ伝える機会にもなりました。
2026年度参加サークル/発表順
| 1. | 農楽塾 | 18. | 青空子ども会Ⅱ |
| 2. | 思惟の森の会 | 19. | BAM部 |
| 3. | びよーんど | 20. | 早稲田大学広域BBS会 |
| 4. | 環境ロドリゲス | 21. | 助走の場・雲 |
| 5. | リトルヤンゴンプロジェクト | 22. | WASEDA STRINGS |
| 6. | WHABITAT | 23. | ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~ |
| 7. | 狩り部 | 24. | 田舎留学プロジェクト運営局 |
| 8. | 学習支援サークル BORDER FREE | 25. | アトム通貨実行委員会 早稲田・高田馬場支部 |
| 9. | 児童文化研究会 | 26. | 早稲田大学POST |
| 10. | チャータースクールへの教育支援〜ハワイ編〜 | 27. | 学習支援 STEP UP! |
| 11. | 新宿子ども会KIDS | 28. | ボルネオプロジェクト |
| 12. | こねくとりっぷる | 29. | つぼみプロジェクト |
| 13. | 早稲田大学気仙沼チーム | 30. | NPO法人 ROJE 学校ボランティアプロジェクト |
| 14. | NPO法人 ROJE EDUPEDIAプロジェクト | 31. | まっちワークグループ早稲田 |
| 15. | ソーシャルビジネス起業プロジェクト | 32. | 池袋子ども会 |
| 16. | まつだい早稲田じょんのびクラブ | ||
| 17. | ロータリーの会 |
インスタ発信力コンテスト話題賞
コンテスト本編に加え、今年度は新たな企画として、Instagramでの発信力を競う「インスタ発信力コンテスト」も実施しました。
話題賞には、以下の5団体が選ばれました。
・環境ロドリゲス(いいね数:711)
・ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~(いいね数:612)
・田舎留学プロジェクト運営局(いいね数:467)
・リトルヤンゴンプロジェクト(いいね数:240)
・学習支援サークル BORDER FREE(いいね数:206)

活動内容だけでなく、その意義や魅力をどのように社会へ届けるかという点においても、各団体の工夫が表れる結果となりました。
受賞団体を代表するコメントでは、今回の企画が新歓や新入生募集の時期と重なり、日頃の活動を広く知ってもらう契機になったことが共有されました。また、他団体と切磋琢磨しながら発信を磨いてきた過程や、今後も「つながり」を意識した発信を続けていきたいという思いも語られました。
SNSでの発信は、単なる広報にとどまらず、社会との接点をつくり、活動の輪を広げていく実践の一部であることがあらためて示されました。
おわりに
今回の「WAVOCボランティア・プレゼンコンテスト2026」では、限られた発表時間の中で、学生たちが活動の成果だけでなく、悩みや葛藤、今後の課題も含めて、自分たちの言葉で発信しました。
各団体にとっても、自らの活動を見つめ直し、次の実践へとつなげる機会にもなったといえます。
WAVOCは、引き続き、学生たちの「社会貢献 × 学び」への挑戦に寄り添い、その歩みを支えてまいります。




