【開催レポート】世界につながる、車いすクリーニングボランティア
学生スタッフリーダー 鈴木 論平
2025年9月16日(火)、WAVOCから5人の学生ボランティアが、NPO法人希望の車いすで開催された車いすクリーニングに参加しました。本レポートでは WAVOC 学生スタッフリーダーの鈴木が、当日の様子と参加者の声をお伝えします。
【車いすクリーニングボランティア】
「車いすクリーニング」のボランティアについて、皆さんはご存じでしょうか。今回の活動では、NPO法人希望の車いすの取り組みに参加させていただきました。
NPO法人希望の車いすでは、日本国内で不要になった車いすを無償で提供いただき、整備を行ったうえで、主に東南アジアなどの地域に無償で送り届ける活動をしています。WAVOCでは、昨年に引き続き、この活動に参加しました。
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【活動内容の説明】
はじめに、活動の内容について映像を交えて説明していただきました。作業の手順だけでなく、NPO法人希望の車いすが行う活動の意義や、整備された車いすがどのように届けられるのかについてご説明いただきました。
併せて、2025年7月1日時点で累計3,500台以上の車いすを届けられていることをご紹介いただきました。車いすが届けられることで、行動の幅が広がったことや、通勤通学が可能になったといった事例の紹介もありました。そうした事例からも、移動を支えることで貢献する活動であることがよくわかりました。
【車いすクリーニングの体験】
次に、2つのグループに分かれて作業を行いました。中古の車いすを分解後、部品の洗浄や本体を磨きました。
分解の作業では、工具を用いて洗浄する車いすのナットやネジを外しました。車いすのメーカーごとに構造が細かく異なるため、戻すことも大変な作業であると感じました。
次に行った洗浄作業では、車いす本体を傷つけないよう注意しながら進めることが難しく感じられました。長年の使用により、部品には汚れや錆が多く見られました。そのため、やすりを用いて表面の錆を丁寧に除去しました。また、車輪には髪の毛が絡まっていましたが、清掃によってきれいに取り除くことができました。
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汚れを落とす際には、次に使用する方への思いやりの姿勢を学びました。そのため、わずかな汚れや裏面に付着した汚れであっても妥協せず、丁寧に取り除くことの大切さを実感しました。一方で、組立作業については作業時間の都合上、今回は体験できませんでした。次回以降の参加の際には、ぜひ挑戦してみたいと思っております。
【参加者の声】
・幅広い世代が共通の作業を担うことで、言葉を超えた交流が自然に生まれたことが最も印象に残った。他の学生や高齢の現場作業員の方々と互いに補い合いながら進める作業は、とても包摂的な雰囲気に満ちているように感じた。
・大量生産・大量消費の時代に、繰り返し使おうという姿勢が失われつつある。そのなかで本活動では、部品を分解し、些末な髪の毛の引っ掛かりがあるのも許さずクリーニングが行われていた。今後の生活では、使い捨てに走らず自身の使っているものをリペアして繰り返し使う必要があると感じた。
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【終わりに】
今回初めてこの企画に参加し、車いすを丁寧に清掃・整備されていたことが印象的でした。
また、車いすをお受け取りになった方からの御礼のアート作品を拝見し、国境を越えた人と人とのつながりを改めて実感いたしました。さらに、車いすを手に入れることは、地域によっては当たり前ではないという現状を知る機会にもなりました。今回洗浄した車いすも、世界のどこかで役立てていただければと思っております。
さらに、活動の合間には幅広い世代の皆様と交流し、多様な視点や考え方に触れる機会を得ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。車いすをはじめとするモノを大切に扱う意識が一層高まったと感じております。
NPO法人希望の車いすは、車いすクリーニングを毎週火曜日、第2第4土曜日に行っています。今回参加したクリーニングボランティアだけでなく、車いすを海外に届けるボランティアも募集しています。興味を持たれた方は活動に参加してみてください。
活動にご協力いただいたNPO法人希望の車いす並びに参加者の皆様、ありがとうございました。










