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第4回 丹波山村地ビールと狼伝承 〜飲み比べしてみた!〜 ー実習演習科目「狩猟と地域おこしボランティア」2024年度秋学期ー

第4回 丹波山村地ビールと狼伝承 〜飲み比べしてみた!〜
ー実習演習科目「狩猟と地域おこしボランティア」2024年度秋学期ー

杉村奏(国際教養学部4年)

山梨県丹波山村に古くから伝わる狼伝承と地ビールに何の関係が?
そう思ってこの記事に目を止めてくださったみなさん、ありがとうございます。
「道の駅たばやま」にて買い求めることのできる地ビール「丹波山BEER」のラベルをご覧ください。

そう、狼がデザインされています。
この記事では、丹波山村と狼のつながりと、地ビールの魅力をお伝えします!
都心からすぐ行ける大自然、丹波山村を訪れ、旅のお土産には地ビールを買い、土地と狼ラベルビールにまつわるプチうんちくを持ち帰ってみませんか。

まずは丹波山村と狼にまつわるお話から。
山梨県丹波山村から本格的な登山が楽しめる雲取山は、近年アニメ「鬼滅の刃」の聖地としても有名です。作中冒頭で、炭治郎が禰?豆子を背負って雪山を歩くシーンがあり、その山は雲取山を参考にしたそうです。丹波山村役場ホームページによれば、雲取山登山の道中に「七ツ石山」があり、その名は山頂付近にある7つの石灰岩塊に由来するそうです。

時は平安時代中期、平将門が朝廷との戦で敗走した経路上に七ツ石山も含まれているとされ、岩塊は彼の供をした武者七人が石と化したという伝承があります。
武者の霊を祀っているのが七ツ石山の山頂付近にある七ツ石神社であり、同時に狼を祀っている神社でもあるそうです。狼信仰は全国の山村で見られる風習の一つです。
日本で狼が絶滅してしまう以前は、狼が里山のバランスを保っていたために信仰が生まれたと考えられます。かつて狼たちが、鹿や猪などの獣が里山へ降りてきてしまう前に捕食し、結果として農作物が守られていたとのことです。猟師の村であった丹波山村の人々も、狼を「山の神の使い」として崇めていたことが、七ツ石神社の狛犬(狛狼?)からもうかがい知れます。

2017年に七ツ石神社は村の文化財として登録され、2018年には新しい社殿と2対の狛犬が再建されました。
そんな丹波山村のシンボルともいえる狼が、ラベルにあしらわれたこちらの地ビール、早速グラスに注いでみました!

並べてみると、色の差異が際立ちますね。うまそう。
左から順に、デュンケル、ラガー、ピルスナーです。

まずは左端のデュンケルを飲んでみます。

デュンケルは、ドイツ発祥のブラウン色に近いダークカラーが特徴的なビールの種類で、下面発酵で醸造されるビール。
ちなみにデュンケルとはドイツ語で「濃い」という意味だとか。
原料の麦芽をローストして焦がす工程に由来する濃い色とカラメル風味が際立ち、ホップの苦みはあっさりとしているものが多いそうです。

さあ実飲!!

意外にもまろやかな口当たりで、苦すぎず重すぎないバランスの取れた印象です!うまい!
てっきりその見た目から、濃くて苦〜いものを想像していましたが、むしろフルーティーで爽やかにも感じられるような…

さてさて、続いてラガーを飲んでいきましょう!
ラガービールは、下面発酵酵母を使用し、5〜10℃の低温環境で、ゆっくりと発酵させて醸造されるビールの種類。
ドイツ語でラガーは「貯蔵する・熟成する」という意味だそうです。
苦みとマイルドな味わいが特徴的で、ラガービールの中でも原料の違いによって「ピルスナー」「ヘレス」「メルツェン」など多くの種類が存在します。
3種類の中では、最も黄味がかった色合いです。

待ちきれず実飲!

評判通り、すっきりした苦味とコクがありのどごしも良いです!
市販のラガービールと比較すると、より複雑というか骨太というか、味わい深さと飲みごたえを感じる気がします。

最後は日本人にもお馴染みのピルスナーを飲みます!
ピルスナーとは、ラガーの一種で、 チェコのピルゼンで誕生しました。
淡色麦芽による黄金色、ノーブルホップによるキリッとした苦味が特徴だそうです。
低コストで大量に造れることから、世界中で醸造されているビールでもあり、日本の4大ビール(アサヒ・キリン・サッポロ・サントリー)もピルスナー。
親の顔より見た、と言っては言い過ぎですが、見慣れた実家のような、安心感のある黄金色ですね〜。

さあ実飲。

淡麗、のどごし抜群、ごくごく飲めます!

余談ですが、読者の皆さんは4大ビールのうちどれがお好みですか?
(私はコクと旨みが抜群の黒ラベルが最推しですが)このピルスナーは、アサヒスーパードライとは種類こそ一緒ではあるものの、逆のタイプのように感じます。

飲み比べをしたならば、個人的な一位を決めねばなりません。
一つに絞るのは非常に難しいですが…私は最初に飲んだデュンケルが最も気に入りました!
普段口にするものと異なる種類で、しっかりした味わいと飲みやすさの両方が楽しめますし、クラフトビールの醍醐味が詰まった一本だと感じました。

みなさんもぜひ、道の駅「たばやま」に訪れ、温泉を楽しんだあとは、こちらの地ビールをお持ち帰りされてはいかがでしょうか。

筆者が受講した「狩猟と地域おこしボランティア」では、講義名にある通り、地域おこしの一環として丹波山村での実習に参加しました。
過疎化が進む全国の地方では少子高齢化により、働き手が減り税収も減少、田畑や里山の管理も行き届かなくなることから景観も悪化し、外部から該当地域を訪れる人出をも遠ざけてしまう悪循環が存在しているそうです。この負の連鎖を断ち切るためには、まず外部からその地域を訪れる交流人口を増やすことが欠かせないことを学びました。我々学生も交流人口の一員として丹波山村を訪れ、空き家清掃や農産物収穫などのボランティアに参加しました。一連の学びの成果の一部として筆者は「丹波山村への交流人口を増やす」ことに貢献できないかと考え、丹波山村の魅力を発信し現地へ足を運んでみたくなるような記事を目指し、執筆した次第です。
この記事を読んでくださる読者の皆様にとっても、丹波山村にとっても好影響があることを切に願って、本記事の結びとさせていただきます。

 

体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」
2024年度秋学期連載一覧はこちら

 

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