【開催レポート】身近な川を守ろう!大岡川リバーサイドクリーンボランティア
学生リーダー 南部 耀之介
9月21日(土)に、横浜市を流れる大岡川とそのリバーサイドを清掃する、「身近な川を守ろう!大岡川リバーサイドクリーンボランティア」を開催いたしました。長年、日ノ出町で大岡川の清掃活動を行っている横浜SUP倶楽部様の活動に参加させていただきました。
両岸の清掃活動では、大岡川にかかる「旭橋」から「黄金橋」までの範囲を清掃しました。この範囲はそこまで広くなかったのですが、活動後にごみを集計すると予想以上の量になり、驚きました。落ちているごみとしては、たばこの吸い殻が特に多く、ペットボトル、プラスチックごみなども多くみられました。学生の人数が十分にいたので一人一種類のごみを担当し、活動後にごみの分別の手間を減らせるようにして、ごみを拾いました。
川の周辺はきれいに整備されていたのですが、整備された植え込みの中に紙パックやペットボトルが入り込んでいることが多く、葉っぱをかき分けながらごみを探す必要がありました。また、特に休憩スペースとしてベンチがあるところの近くにごみが集中しており、取り逃しがないよう時間をかけてごみを拾いました。また、長く放置されたプラごみの一部には、風化してぼろぼろになっているものも多く、拾おうとすると崩れてしまって回収できなくなってしまったごみもありました。
陸上の活動は横浜SUP倶楽部の方に引率していただき、活動をしながら日ノ出町のことについても教えていただきました。以前の日ノ出町は路上にたばこの吸い殻が捨てられていることが今よりも多く、粗大ごみの放置なども散見されていたそうです。近年になり地域の再開発が行われるなど、様々な団体が継続的に清掃活動に取り組んだ結果、その傾向は徐々に改善されてきているといったことを教えていただきました。
活動の中で印象に残っていることとして、側溝のすぐそばや、その真上にたばこの吸い殻やプラごみなどが落ちていることがあったことです。今回は清掃活動中だったため、気づくことができて回収できましたが、普段ならそのまま側溝に落ちてしまい、すぐ横の大岡川に流れてしまうのだろうと思いました。流れていったごみはもちろん河川を汚染し、その先に続く海の汚染、マイクロプラスチック問題などにつながっていきます。こういった我々が住んでいるような身近なところに、マイクロプラスチック問題など世界規模で起こる問題の発端は潜んでいるんだなと思い印象的でした。
ほかにも、普段なら手が届かないような橋の欄干の裏側や、河岸のフェンスの裏側にある段差などにビン・カンが落ちていることがありました。我々は火ばさみでごみを拾っていたため、手を伸ばしてとることができましたが、そもそも目につきにくいところにごみがあることに加えて、気づいても道具がないととることができないため、強風などでそのまま川に落ちてしまうごみも多いだろうと感じました。
また、ごみ拾いの途中でスプレーの落書き消しも行いました。大岡川のすぐそばに鉄道の高架橋があるのですが、その下の柱や壁に黒いスプレーで大きな落書きがされていました。これも普段から少しずつ消す活動をしているそうです。汚れ落としのスプレーを散布してから布でこすって落とすという方法で清掃するのですが、実際にやってみると、思ったよりも力強くこすらないと落書きが落ちなかったり、汚れ落としのスプレーをたくさん噴射しないと落書きが消せなかったり、そもそも壁の材質によってはいくら消そうとしても消せないなど、思っていたよりも落書きを落とすことは大変なのだと気付きました。
普段活動している方によると、汚れ落としのスプレー自体が高額なため、汚れを落とすだけでもかなりのお金がかかるし、落書きをそのままにしておくことで景観が悪化するうえ、さらなる落書きを招いてしまったり、それが治安の悪化にもつながりうるそうです。
水上の清掃ではボートに乗って水面に浮くごみを拾ったり、ロープや岸壁に引っかかっているごみを拾ったりしました。ただ、前日の風雨の影響でごみの多くがすでに流されてしまっていたそうで、流されていないものをこれ以上流されないようにと回収しました。このようにごみを毎日回収できるわけではなかったり、ごみが流されてしまったりするため、そもそも川にごみが流れていかないようにすることが大切だと感じました。
活動後の振り返りで参加した学生から、「普段歩いているとそこまで気にならなかったが、草むらの中に小さいゴミがあったり、目につかない場所に捨てられていたりと、気づいていないだけで案外ごみは多いんだなと感じた」、「ごみを見つけられても取れない場所にあるごみもあったので、まず捨てないのが大前提になる」「目につく場所に捨てられているものは、誰かが拾ってくれるだろうという思いで捨てられているのではないか」など、様々な意見・感想が出ました。
私もこの活動を通して、一見きれいに見える他の町でも、気づかないような場所にごみが落ちていることもあるだろうと感じ、そのようなごみがあると河川の汚染につながり、ごみに関連する問題を解決することが難しくなっていくのだろうと思いました。ごみを拾うことももちろん大事ですが、気づかれない可能性や川で流れて回収できない場合があることを考えると、そもそも捨てないことや捨てられないような環境づくりが大切になるのではないかと感じました。
横浜SUP倶楽部の皆様、ありがとうございました。