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第7回「地域おこしフロントランナー」保坂幸徳さんインタビュー ー体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」2024年度春学期ー

第7回「地域おこしフロントランナー」保坂幸徳さんインタビュー
ー体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」2024年度春学期ー

平元 美帆(政治経済学部 3 年)

科目「狩猟と地域おこしボランティア」でお世話になった株式会社アットホームサポーターズ社長の保坂幸徳さんにインタビューをしました。

保坂さんは、元地域おこし協力隊であり、会社員生活を経て、J ターンという形で山梨県丹波山村にて鹿の狩猟を中心とした地域おこし事業を行っています。
今回、主に丹波山村での地域おこし事業について詳しいお話をききました。

丹波山村と山梨県への思いを熱く語る保坂さん

――丹波山村への移住を決めた理由を聞かせてください

そもそも地元である山梨県の名産を作りたいと考えていて、ちょうど山梨県が鹿を駆除してお肉にする事業に力を入れているタイミングだったからです。
ジビエ処理施設からお肉を買って東京に流通させようと考えて、山梨県の処理施設を巡った結果、丹波山村のみなさんは乗り気になってくれて「やれやれ!」というかんじで歓迎してくれました。

――移住してみて感じた、丹波山村の良いところは何ですか?

丹波山村のみなさんが地域振興に協力的なところですね。村のみなさんは、「どうにか村を存続させよう」という気持ちが強く、村全体で「がんばろう」と思っています。ここに移住して良かったです。

――丹波山村での生活の中で大切にしていることは何ですか?

村の人と同じ行動をするようにしています。同じ釜の飯を食う、じゃないですけど、机上の空論を述べるのではなくて、思い描いたことを実際に手足を動かしてやってみる。そして、村の人と共感しながら地域おこしをしていくことは大切にしています。
今回の空き家整理の活動にも通ずることで、受講生のみんなも事前に空き家問題の解決法を考えていたと思いますけど、実際やってみて初めて分かったこともあるでしょう?
想像をして「これをやればいいじゃん」と言うこと自体は簡単です。ですが本当に大切なのは、それを実際に一緒にやることなんです。その上で、解決策を一緒に考えていくことを、心がけています。

空き家整理活動後の様子、だいぶ家財が減った

――現在、キッチンカーでジビエハンバーガーの販売事業をしていらっしゃいますが、どのような経緯でこの事業にたどり着いたのですか?

まず、私たちが獲れる肉の量がそこまで多くなく、肉を売るだけでは立ちゆかないという問題がありました。そのため、コロッケなどに加工してそれを飲食施設で提供することで、間のマージンを取り、肉の量が少なくてもなんとか経営が回るようにしようと考えました。

――付加価値をつけるというイメージでしょうか?

そうそう、そういったことができないかなと考えていて、ただ、飲食店だとお客さんに来てもらわなきゃいけないし、店舗を立てると移動できず少しリスクが高いので、キッチンカーでの販売という形態にたどり着きました。

キッチンカーでの鹿バーガー販売

――今後の目標やビジョンは何ですか?

私がジビエの事業をやっているのは、「ジビエを売って儲けたい」のではなく、「丹波山村や山梨県を知ってもらって元気にしたい」という思いからなんですよ。だから丹波山村のジビエを前面に押し出してアピールしていきたいし、うちの会社としても継続してやっていきたいです。
そして今後は、山梨県のほかの地域にも、まだまだ盛り上げていけるような産物がいっぱいあるので、それらをピックアップして、多くの人に知ってもらえる機会を作りたいです。
つまり、違う地域にも、この丹波山モデルを広げていきたいと思っています。

――地域おこしに参加する人が心がけるべきことは何でしょうか?

「地域おこしをやりたいんだ」という気持ちだけで、漠然と地域おこしをする土地を選ばない方が良いです。「何をやるか」を決めて、それがその地に合っているかを事前に調べた方が良いと思います。
例えば、丹波山村でお茶の事業をやりたいと思っても、その事業にはリスクがあります。
静岡などの茶の栽培に適した所でやった方が良いですよね?

だから、自分がやりたいことと自治体がやりたいことが合っている土地を見つけてから、現地へ行くべきだと思っています。自分がやりたいことを決めて、それを一番欲してくれる自治体を事前に見つけるのが良いと思います。

――最後に、地域おこしに興味がある学生に一言お願いします。

ぜひ頭と体の両方を動かして地域おこしを実現させてほしいです。
地域おこしっていうものは、やはり頭だけでも体だけでもダメで、考えて動いて初めて成果が出るものだと私は思うのです。そこの両軸が満たされていなければ、いくらがんばってもうまくいかないです。だから、若いみなさんは、ぜひ頭と体を動かしてください。

高齢化や都心への人口流出が進み、地方では様々な問題が発生しています。一方で、それらの問題を解決する意志のある人も増えています。そんな中で、山梨県丹波山村で、実際に地域おこし活動をしていらっしゃる保坂さんのお話は、地域おこしのリアルな姿がうかがえる貴重なものでした。机上の空論で終わらせない。そんな思いを原動力にしていけたらと思います。

タバジビエ HP :https://tabagibier.com/
Instagram: https://www.instagram.com/p/C9AOq5fSi-U/
株式会社アットホームサポーターズ: https://athome-supporters.com/

 

体験的学習科目「狩猟と地域おこしボランティア」
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