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【開催レポート】障がい者スポーツへの理解を深めよう!ゴールボール教室

【開催レポート】障がい者スポーツへの理解を深めよう!ゴールボール教室

学生リーダー 永田 玲奈 

WAVOCでは、2023年12月17日(日)に「障がい者スポーツへの理解を深めよう!ゴールボール教室」を実施しました。このレポートでは、当日のボランティアの様子に加え、「ゴールボール」というスポーツについても、皆さまにお伝えできればと思います。

今回のゴールボール教室は、東京都立八王子盲学校という特別支援学校の体育館で開催されました。ボランティアとして、具体的には、ゴールの設置やイスの運搬などの教室の準備・片付けを行ったり、参加者の方と実際にゴールボールの体験をしたりしました。

ここで、まずゴールボールについて簡単に説明したいと思います。

ゴールボールは、視覚に障がいを持つ人を対象に考えられたスポーツで、現在ではパラリンピックの正式種目にもなっています。2012年のロンドンパラリンピックでは、日本女子が金メダルを獲得するなど、日本でも多くの選手が活躍されています。ルールはシンプルで、全員がアイシエードと呼ばれる目隠しを装着し、相手ゴールに鈴の入ったボールを投げ入れてその得点を競う、というものです。

教室は、始めに講師の方やボランティアから参加者の方々に自己紹介を行い、とても温かい雰囲気の中でスタートしました。まず、全員で円になりアイシエードを装着した状態で準備体操を行いました。アイシエードは、視力や視野の障がいの程度によって不公平にならないよう、試合で全員が装着するもので、着けると本当に真っ暗で何も見えなくなります。
円の中心に講師の方が立ち、前屈や伸脚の動きを声で指示してくださったのですが、この時、声の説明だけだと何の動きを指示されているのか理解するのにとても時間がかかりました。前屈や伸脚とった基本的な動作一つでも、見て真似るということができないととても難しく、普段私たちがどれだけ視覚情報に頼っているのかを実感しました。

アイシエードを着けたまま準備体操をしている様子

準備体操が終わると、実際にボールを使っての練習が行われました。今回の教室には、WAVOCからの参加学生も含め初心者の方がいましたが、講師の方がルールやボールの投げ方など、一から丁寧に教えてくださったおかげで困る場面はありませんでした。

私が特に印象に残っているのは、アイシエードをした状態でペアでパス練習をしたことです。アイシエードをしたままボールをまっすぐ投げるのはとても難しいのですが、その時に頼りになるのが、相手の「こっちだよ!」という呼びかけや相手が手を叩いて出してくれる「音」の情報です。目が見えていない分、ペアの方と「投げます」「少し方向がずれてるかも」などとコミュニケーションを取り合い、少しの時間練習をしただけでも距離が縮まったような気がしました。

また、ボールを投げる時にもう一つ頼りになるのが「触覚」です。下の写真は、パス練習の時、コートの線を触ってボールを投げる方向を確認している様子です。写真だとわかりませんが、この白いテープの下には細い紐が通っていて、手で触ったり足裏でこすったりすると自分が向いている方向やコートの端を認識することができるようになっていました。

線を触ってボールを投げる方向を確認している様子

パス練習の他にも、試合で守備をするときの姿勢を教わったり、アイシエードをした状態でコート内を歩き、その歩幅を数えてコートの距離感を確認したりするなど、様々な活動を行いました。

講師の方に守備の体勢を教わっている様子

一通りルールを教わってボールの扱いにも慣れてきたところで、最後にいよいよミニゲームの時間です。ゴールボールの正式な試合と同じように、3対3のチームに分かれてゲームを行いました。

ボールを投げている様子

教わった姿勢で守備をしている様子

教わった姿勢で守備をしている様子

ミニゲームはとても盛り上がりました。参加学生のみなさんも、それまでの練習の成果を発揮しゴールを決めていました。ゲームの中で、ボールを投げる時にはボールに入った鈴の音が聞こえるよう会場全体が静かになり、ゴールが決まると一斉に拍手が沸き起こる、という瞬間を体験し、ゴールボールというスポーツの魅力を感じることができました。

今回の教室に参加してみて、ゴールボールは障がいの有無に関わらず全員が楽しむことのできるスポーツであることを身をもって感じました。そして、視覚が絶たれている分、スポーツを通したコミュニケーションの機会が豊富にあり、短くも充実した時間を過ごすことができました。

また、実際に教室に参加しなければわからなかったことも数多くありました。

まず、駅から八王子盲学校までの徒歩10分ほど、点字ブロックが続いていたことが印象的です。学校まで、比較的細い歩道でも点字ブロックが途切れずに敷かれており、私は、それを見て「珍しい」と感じました。しかし、これは本来珍しいことではないべきです。それまで点字ブロックについてあまり意識したことはありませんでしたが、教室で「見えない」経験をした今は、点字ブロックや障害物のない道の必要性を強く感じています。

そして、障がい者スポーツボランティアを普段からされている方々が、みなさんハキハキと明るい声で話されていて、声だけでも安心感があったことも学びの一つです。視覚障がい者の方と接する際、何か迷惑をかけてしまわないかと緊張していましたが、特別な事は何もできなくても、明るく声をかければ良いのだと気づかされました。

今回はゴールボールでしたが、他のスポーツボランティアもまた企画したいと考えているので、この開催レポートを読んで興味を持たれた方はぜひ次回参加してみてください。
改めまして、今回の企画に参加してくださった方々、ご協力いただいた方々に感謝申し上げます。

 

 

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