秋田市災害復興支援ボランティアに参加して
法学部2年 齋藤 美里
2023年9月18日~20日の日程で、WAVOCが主催した秋田県災害復興支援ボランティアの活動に参加しました。秋田県は、7月の豪雨で市内の広範囲が甚大な被害を受けました。参加のきっかけは、8月に帰省で秋田市を訪れた際に見慣れた商店が一変していたことです。大通りの商店には営業中止の張り紙が目立ち、暗くなった店内がいくつも目に入りました。豪雨被害の大きさに驚くとともに、少しでも秋田の役に立ちたいと考えていました。
本活動には、WAVOCの職員2人と学生10人の計12人が参加しました。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの災害ボランティアということもあり、学生全員が災害ボランティア初体験でした。
18日は移動日。19日の早朝、現地のホテルロビーに集合した後、バスで市内のボランティアセンターへと移動して受付を済ませました。その後、秋田市社会福祉協議会の方に送迎していただき、依頼者のご自宅へ。現場でNPOの方から説明を受けていよいよ作業開始です。
今回私達がマッチングした依頼者は、ご高齢のお母様と二人暮らしをしている男性でした。「最初は親戚に助けてもらっていたけど、ずっと頼み続けるわけにはいかないからね」と話していました。災害から2か月が経過しても、生活領域は依然として一階の一部のみでした。2カ月もの間、どれほど不便で心細い思いをしただろう、少しでも元の生活に戻れるよう役に立ちたいと思いました。
12人は、屋外の泥のかきだしをする班と屋内清掃班の二班に分かれました。各班リーダーとタイムキーパーを決めて動きます。私は屋内清掃班でした。長い廊下の両脇に続く数十枚のガラス窓や障子・襖には、膝上まで泥水が入った跡がありました。レールの砂を取り除き、サッシにこびりついた泥を何度も丁寧に拭って、初日の作業はあっという間に終了しました。
20日、前日と同じ流れで受付を済ませ、同じ依頼者の自宅へ出向いて作業を再開しました。私は気がかりだった仏壇周りの泥の掃出しと清掃を担当しました。県外から駆け付けた男性ボランティアの方とも一緒に作業をしました。その方は職業が美容師とのことで、作業の合間にご高齢のお母様の散髪をしていました。お二人の明るい笑顔と温かい会話に癒され、ボランティアが紡ぐ素敵な繋がりに感動しました。
お母様が「本当にありがたいです、頑張ってくださいね」と私にも感謝と励ましの言葉をかけてくれました。そして懐かしそうに欄間を見上げ、亡くなったご主人のお話を聞かせてくださいました。部屋の家具や装飾一つ一つに思い出が詰まっていることを実感して、作業もさらに身が引きしまる思いがしました。言葉を交わして寄り添うことは、ボランティア活動において大切なことだと気づきました。
社会福祉協議会、NPOスタッフ、県内外のボランティア、WAVOC職員含め、多くの方々の存在で活動が初めて成立することを実感しました。短い活動時間の中で得られた充実感や達成感は大きなものでした。人と人との繋がりも感じられて大変貴重な経験になりました。