「日本の子供の貧困について考える」実施後レポート
学生リーダー 高平 真菜
WAVOCでは、9月27日(火)に、「日本の子供の貧困について考える」を実施しました。参加してくださった皆様ありがとうございました。本イベントは、オンラインにて、認定NPO法人キッズドア様の方によるご講演とワークショップを行うという企画でした。実施概要はこちらよりご覧になれます。
以下、企画者の感想と共に当日の様子をお伝えできればと思います。
前半はZOOMにて、NPO法人キッズドア事業展開部研修室の玉木様にご講演いただきました。
認定NPO法人キッズドアは、小学生から高校生・若者まで幅広い層への無料学習会の運営を中心に、居場所支援、社会問題に対する啓発活動や政策提言、地方創生まで多岐にわたって活動されている団体です。
玉木様のご講演は全て大変興味深い内容でしたが、そのなかでも印象に残ったお話が2つございます。1つ目が、「日本のひとり親は、世界一働いているのに、世界一のワーキングプア」であるということです。
というのも、日本のひとり親世帯は、OECD加盟国中最も就労率が高いにも関わらず、相対的貧困率が最も高いのだそうです。ここでいう相対的貧困とは、今日食べる物も寝る所もないとまではいかないが、社会の標準的な所得の半分以下の所得しかなく、「お金がないために、周りの人は当たり前にできている生活ができない」という状態を指します。
この結果から、日本の子供の貧困は、自己責任ではなく、社会的構造が作り出しているということが伺えます。
2つ目に印象だったことは、「子供の貧困対策は、福祉ではなく投資である」という考え方です。
つまりは、子供の貧困対策は、どうしても社会保障的な議論になりやすく、福祉として捉えられがちですが、貧困の連鎖を断ち切り、納税者を増やすことができれば、それは社会への投資になるのです。
これから、社会を構造的に変えていくためには、この考え方が大事になってくるのではないかと思いました。
後半では、参加者を交えてグループディスカッションを行いました。グループディスカッションは、「なんで大学にいくの?」というテーマで行いました。このテーマは、実際にキッズドアで学習支援をする際に聞かれることがある子供からの質問を参考にして設定いたしました。
具体的な内容としては、「あなたは、キッズドアの学習支援に訪れる子供に『なんで大学に行くの?』と聞かれました。今あなたが大学に通っている理由を踏まえ、大学に行くメリット、価値、魅力をどのようにその子供に伝えるかグループで話し合って、最後に発表してください。」というお題でグループディスカッションを行いました。
どのグループの参加者の方々も話し合いに積極的に参加されていたため、大変有意義な時間になったと思います。最後の全体発表の際には、玉木様よりフィードバックもいただき、話し合いの良かった点と、改善点をお伝えしていただきました。玉木様よりいただいたそのご意見が、私を含め参加者の方々が改めてこの問いに答える難しさを理解するきかっけになったのではないかと思います。
改めまして、参加者の方々とNPO法人キッズドア 玉木様にお礼申し上げます。