研究力強化で社会に貢献する
研究戦略センター(リサーチイノベーションセンター 研究戦略セクション)は、早稲田大学の研究力強化を任とする組織です。具体的には、(1)学内外の研究活動の調査・分析・評価、(2)研究戦略の立案・提言、(3)研究活動の推進・支援、(4)人的ネットワークの拡大という4つの活動を柱として研究力強化に取り組んでいます。旧組織である研究戦略センターの2009年4月開設以来、研究推進部や研究院と協力しながら、本学の学術研究活動の活性化に一定の成果を収めてきたと考えています(組織改編にともない、2019年6月からリサーチイノベーションセンター 研究戦略部門に名称変更。2021年1月から、リサーチイノベーションセンター 研究戦略セクションに名称変更。学外呼称名を研究戦略センターとした)。 本学に限らず、大学を取り巻く経営環境は年々厳しくなっており、競争的資金の獲得による研究の自律的運営が求められています。また、学際的な協力を必要とする研究課題が増えており、多分野、多組織の連携による共同研究が多くなってきています。このような状況下で、研究を効果的、効率的に進めるには、研究マネジメントシステムの構築と研究マネジメントの専門家の育成が不可欠です。研究戦略部門では、研究力強化に向けて、上述の活動を柱に、研究マネジメントにおける主導的な役割を果たしていきます。 本学は、創立150周年を迎える2032年のあるべき姿としてWaseda Vision 150を公表し、その実現に向けて取り組んでいる最中です。学術的研究分野においては、「独創的研究の推進と国際発信力の強化」、「新たな教育・研究分野への挑戦」を大きな課題として掲げており、その達成のために研究戦略部門がリーダーシップをとり、研究支援体制・制度の点検・強化、若手研究者プロモーションの推進、研究組織・体制の整備、国際共同研究の推進を進めていきます。また、社会の変革にも対応すべく、研究新分野の開拓にも挑戦していきます。これを通じて本学の研究力を強化し、学内外に広く研究成果を公開することで、我が国がめざしている安全・安心な社会の実現に向けて貢献していく所存です。
2022年9月
今から100年前、早稲田大学の創立者大隈重信ら建学の祖は、 「学問の独立」、「学問の活用」、「模範国民の造就」を本学の教旨として謳いました。すなわち、地球と人類社会に貢献する人材を育成すること、それを学問研究を通して実現することを宣言しま した。2012年に早稲田大学は、この建学の理念を現代に実現すべ く、創立150周年となる2032年の本学のあるベき姿を示す Waseda Vision 150 を公表しました。Waseda Vision 150 は四つのVisionを掲げ、教育研究の再組織化とそのための大学ガバナンスを抜本的に改革する中長期計画です。これらのVisionを実現するため、数値目標を掲げた13の核心戦略が進行中です。
早稲田大学は、Waseda Vision 150で標榜した取り組みを着実に実行することで、世界に伍する研究者集団を形成し、社会と結び付いた研究を推進します。「独創的研究の推進と国際発信力の強化」「世界のWASEDAとしての国際展開」「新たな教育・研究分野への挑戦」の三つの核心戦略に基づき、研究活動について 3方針を定め、研究環境の整備や制度改革を加速し、20年後には確固たる『国際研究大学』としての地位を確立します。
早稲田大学は、総長を本部長とする研究力強化本部を設置し、研究戦略部門と研究推進部が研究推進機能強化の中心となり、車の両輪として連携をとりながら全学の研究推進活動を遂行します。研究戦略センターの専任センター員はURA(University Research Administrator)として、各研究実施部門の研究活動を活性化させます。
研究戦略センターは、本学が国際的な研究大学へ飛躍するため に、学内における学術研究活動の活性化を図るとともに、学外におけ る学術研究関連での本学の存在感・影響力向上に貢献することを目 的としています。この目的を果たすために、学内研究者の学術研究活動とそれを取り 巻く学内外の様々な状況に関する調査・分析・評価、今後学術研究を通 して担うべき責務を果たすための研究戦略立案と学内外への提言、競争的資金獲得支援など本学の研究活動の推進・支援、産官学各界との人的ネットワークの拡大などの役割を果たします。
本学の研究戦略立案の基礎となる、グローバルな社会・経済・環境の変化に伴う大学への社会的期待や学内外の学術研究活動の現状・課題などを調査・分析・評価します。
【実績】国の科学技術イノベーション政策動向の情報収集・分析、国の最新ファンディン グ動向の情報収集・分析、本学の学術研究動向のモニタリング、本学の科学研究費補助金採択状況に関する分析、本学の大学ランキングに関する分析、本学の研究活動に関する意識・実態調査等
調査・分析の結果や様々なエビデンスをベースとして、本学が推進すべき研究戦略を検討し、適宜現場の研究者との議論や関連箇所との連携を深めつつ、学内外に対して実現可能な案を立案・提言します。
【実績】全学研究会議等での情報提供、理事会への提言、研究院における重点領域研究の領域提案、政策として実施すべき研究課題の行政機関への提案、外部機関における提言活動の支援(日本私立大学団体連合会、学術研究懇談会(RU11)、産業競争力 懇談会(COCN)など)、第4期科学技術基本計画に関するパブリック・コメント等
学内で展開される研究活動の企画・立案や研究環境の改善、競争的な大型外部資金の申請、国内外の研究機関との連携、産学官連携の推進などを支援します。
【実績】国の競争的な大型外部資金申請(スーパーグローバル大学創成支援事業、研究大学強化促進事業、グローバルCOEプログラム、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(いずれも文部科学省)、先端イノベーション拠点整備事業(経済産業省)、最先端・次世代研究開発支援プログラム(内閣府)など)、産学官連携プロジェクトの設計・推進、重点領域研究評価システムの構築の支援など
学内外の人的ネットワークの拡大に努め、研究現場の活性化に資する様々な専門知識・情報を獲得することで、戦略立案力や組織編成力の更なる向上を目指します。
【実績】学内における公的資金制度や研究評価システムに関するレクチャー、(独)科学技術振興機構研究開発戦略センター(JST CRDS、公的シンクタンク)への人材派遣、研究・技術計画学会での研究成果発表、海外の研究関連機関との研究戦略に関する意見 交換
【専門分野】触媒化学、環境エネルギー
【経歴】
1993年東京大学工学部応用化学科卒業、1998年 同 博士修了 博士(工学)、1998-2001 同 助手、2001より早大助手・講師・准教授を経て2012年より教授、2011年より現在まで JSTフェロー、2018年以降現在まで JST「さきがけ」研究総括、文部科学省環境エネルギー委員、NEDO未踏チャレンジプログラムオフィサー、日本政府 グリーンイノベーション戦略推進会議および同ワーキンググループ全ての委員、Fuel誌(IF=8.0)基幹エディター、日本学術会議 連携会員、2020年よりイギリス王立化学会フェロー(FRSC)、受賞歴: 2019年日本化学会学術賞、2020年文部科学大臣表彰科学技術賞、他多数。 早稲田大学 関根研究室
【専門分野】
研究戦略・評価、プラズマ科学、ナノ構造科学、 数理物理・物性基礎
【経歴】
1990年 早稲田大学大学院理工学研究科修了(物理学及応用物理学専攻修士)。1990年(株)東芝ULSI研究所・研究員、半導体プロセスの研究に従事、1992年 同社退社。1992年 同大学理工学研究科博士後期課程入学、1995年から同大学理工学部助手、1997年博士(理学)取得、1998年から日本学術振興会特別研究員(PD)、2001年から同大学理工学総合研究センター客員研究員、2004年から同大学理工学部客員助教授(専任扱)。同年から21世紀COEプログラム「多元要素からなる自己組織系物理」拠点および自己組織系物理ホリスティック研究所 事務局長を兼務、研究マネジメント業務に従事。2009年から同大学研究戦略センター准教授、2013年から同教授。組織改編にともない、2019年6月から早稲田大学リサーチイノベーションセンター教授。2010年 日本学術振興会・科学研究費補助金の審査委員表彰。2021年1月 早稲田大学研究戦略センター教授。 2023年4月から、早稲田大学研究戦略センター副所長・教授。
【専門分野】
研究戦略・評価、スポーツ医科学
【経歴】
1998年 早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。2000年 同大学大学院人間科学研究科生命科学専攻修士課程修了。2004年 信州大学大学院医学研究科生理系専攻博士課程修了、博士(医学)。2004年9月 早稲田大学人間科学部健康福祉科学科助手。2008年(株)早稲田総研イニシアティブ、2009年10月~2012年9月 早稲田大学研究戦略センターへ出向。2014年 早稲田大学研究戦略センター講師、2016年 同准教授。組織改編にともない、2019年6月 早稲田大学リサーチイノベーションセンター准教授。2021年1月から、早稲田大学研究戦略センター准教授、2022年4月から、同教授。
【専門分野】
IoT/データ活用によるビジネス革新・価値創出、情報通信ネットワーク
【経歴】
1979年九州大学大学院工学研究科修士課程修了(情報工学専攻)、1984年 米国コロラド大学ボールダー校大学院修士課程修了(経済学専攻)。1979年 郵政省(現在、総務省)入省、ICT政策の立案や技術開発業務に従事。2006年情報通信研究機構理事、2008年近畿総合通信局長、2010年 大臣官房審議官、2012年 総務省退官。2012年~2017年 東京大学先端科学技術研究センター特任教授、IoT/データ活用によるビジネス革新や価値創造について研究。2016年(一社)情報通信技術委員会事務局長、情報通信ネットワークの標準化推進。その他、国土交通省技術検定委員、スマートIoT推進フォーラム「IoT価値創造推進チーム」リーダー、(一社)IoTリサーチ&デザイン アドバイザーなどとしても活動。2019年4月 早稲田大学研究戦略センター教授。組織改編にともない、2019年6月から早稲田大学リサーチイノベーションセンター教授。2021年 1月から、早稲田大学研究戦略センター教授。
【専門分野】
研究戦略、研究マネジメント、科学技術政策、公衆衛生学、人獣共通感染症
【経歴】
1992 年 東京大学大学院農学研究科博士課程修了、博士(農学)。獣医師。1992年 国立精神・神経センター神経研究所、国立感染症研究所、がん研究所、放射線医学総合研究所にてヒトおよび動物の感染症やがんに関する分子生物学的・分子病理学的研究に従事。2004年 製品評価技術基盤機構(NITE)主査、化学物質の審査・データベース整備・リスク評価業務に従事。2006~2021年 文部科学省科学技術・学術政策研究所上席研究官、ライフサイエンス・医学を主対象に研究開発動向調査や科学技術予測調査に従事。2015年~2017年 日本医療研究開発機構(AMED)に出向、事業管理やシンクタンク業務に従事。2021年東北大学特任教授、文部科学省所管事業の運営管理に従事。2023 年 4 月から、早稲田大学研究戦略センター教授。
【専門分野】
研究戦略・評価、研究マネジメント、情報工学、制御・情報統合システム
【経歴】
1988 年 九州大学大学院工学研究科修士課程修了(情報工学専攻)、同年 4 月三菱電機株式会社(情報電子研究所)に入社。2000 年 九州大学大学院システム情報科学研究科 博士課程修了、博士(工学)。情報技術総合研究所開発戦略部長(2007)、同所長(2019)を経て 2022 年 FA システム事業本部役員技監に就任。産業用リアルタイムネットワークおよび分散 IoT システムを中心に研究開発組織の戦略立案・運営と、事業部門における製品化開発管理の両面に従事。この間、(一財)製造科学技術センター理事、ロボット革命・産業 IoT イニシアティブ協議会WG1(IoT による製造ビジネス変革 WG)共同主査、(一社)インダストリアルバリューチェーンイニシアティブ(IVI)理事などとしても活動。2023 年 4 月から、早稲田大学研究戦略センター教授。
【専門分野】
半導体材料・デバイス、太陽光エネルギー、カーボンニュートラル、国際標準、国際連携
【経歴】
1980年 京都大学理学部卒、1987年 大阪大学基礎工学研究科博士課程修了(工学博士)、1987年 東京大学物性研究所、1993年 工業技術院電子技術総合研究所、2004年 産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター センター長、2013年 産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所 上席イノベーションコーディネータ、2019年産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センター 上席イノベーションコーディネータ、2016年 IEC(国際電気標準会議) TC82(太陽光発電エネルギーシステム)国際議長、2022年 MI(ミッションイノベーション)技術アドバイザグループ副委員長を兼任。2023年4 月から、早稲田大学研究戦略センター教授。
【専門分野】
研究戦略・評価、非営利組織経営、協働ガバナンス、起業家精神教育
【経歴】
WASEDA-EDGE人材育成プログラム事務局長/神奈川県立保健福祉大学ヘルスイノベーション研究科教授(JA)。2008年早稲田大学公共経営研究科修士課程修了、2013年同研究科博士課程修了、公共経営博士。2011年(公財)地球環境戦略研究機関特任研究員、2011年早稲田大学商学学術院WBS研究センター助手。2014年から同学研究戦略センター講師、准教授、2019年から同学政治経済学術院/神奈川県立保健福祉大学教授を経て2021年より現職。文部科学省EDGEプログラム、EDGE-NEXTプログラムの採択を受け早稲田大学で実施する「WASEDA-EDGE 人材育成プログラム」の運営に携わり、2016年より事務局長代行、2019年より事務局長。2021年9月から、早稲田大学研究戦略センター教授。2022年2月から、アントレプレナーシップセクション副所長 兼任。
【専門分野】
知的財産政策、電気工学
【経歴】
1985年 早稲田大学理工学研究科博士前期課程修了(電気工学専攻)、同年特許庁入庁、審査官・審判官として電気回路、制御、事務機器、通信関係の審査・審判業務に従事、併せて、知的財産政策の企画・立案、知的財産戦略の策定に従事。2005年 内閣官房知的財産戦略推進事務局参事官、2008年 総務部企画調査課長、2012年 審査第一部調整課長、2013年 審査第四部長、2015年 審判部長、2017年特許技監、2020年 特許庁退官、同年弁理士登録。2021年2月から、早稲田大学研究戦略センター教授。2022年4月から知財・研究連携支援センター所長 兼任。
【専門分野】
映像伝送、マルチメディア処理、ヒューマンコミュニケーション
【経歴】
1988年 東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻修了。1994年 米国スタンフォード大学客員研究員。1997年東京大学大学院博士取得(工学)。1988年 国際電信電話株式会社(現KDDI 株式会社)入社。研究所にて動画像符号化の研究開発標準化やモバイル向け実用化に従事。2004年 マルチメディア通信グループリーダー、2007年 知能メディアグループリーダー、2010年 執行役員マルチメディア部門長、2011年執行役員ヒューマンコミュニケーション部門長、2021年 シニアエキスパート。この間マルチメディア・言語処理 AI 応用の国プロ研究責任者等を歴任。文部科学大臣表彰(2011 年)、前島密賞(2012年)他受賞。電子情報通信学会、映像情報メディア学会、画像電子学会各フェロー。2023 年 4 月から、早稲田大学 研究戦略センター教授。
【専門分野】
技術戦略、情報通信政策、放送政策、国際標準化
【経歴】
1997年九州大学大学院システム科学研究科修士課程修了(情報工学専攻)。1997年 郵政省(現総務省)に入省。衛星通信や電波有効利用技術の研究開発、電気通信事業分野の競争政策、ワンセグ導入や共聴施設・ケーブルテレビの地上デジタル放送対応、電子政府、コンテンツ保護・流通促進等に関する政策の立案に従事。また、情報通信研究機構、放送大学学園、文部科学省、株式会社ラック(官民交流派遣)において研究開発戦略の立案や業務マネジメント等を担当。2019年 総務省国際戦略局通信規格課企画官を経て、2021年7月から早稲田大学研究戦略センター教授。
【専門分野】
研究戦略・評価、研究マネジメント、計測・制御、バイオセンシング
【経歴】
1994年 明治大学工学研究科機械工学専攻博士前期課程修了、同年JUKI(株)入社。産業用機械の研究開発に従事。その後、全社の技術戦略、新規事業開発、産学連携などを担当。2004年 東京農工大学工学研究科生命工学専攻博士後期課程修了、博士(工学)。2005年から早稲田大学生命医療工学研究所にてナノバイオセンシング研究に従事。2008年早稲田大学ビジネススクールのスーパー・ テクノロジー・オフィサー(STO)プログラム修了。2009年から早稲田大学研究戦略センター准教授。同年4月からJST研究開発戦略センターフェローを兼務し、国のファンディング戦略の策定に従事。2012年から東京農工大学先端産学連携研究推進センター主任URA。URAシステムの立上げ・定着、研究マネジメント業務に従事。2014年 早稲田大学研究戦略センター准教授、2017年から、 同教授。
【専門分野】
研究推進、地球科学・環境科学
【経歴】
2006年 早稲田大学教育学部理学科地球科学専修卒業、2011年 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了 博士(理学)、2011年 産業技術総合研究所地質調査総合センター研究員、2015年 神戸大学学術研究推進機構学術研究推進室(URA)特命講師、2023年4 月から、早稲田大学研究戦略センター准教授。
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