このたび、内閣府が統括する「ムーンショット型研究開発制度」における目標10のプロジェクトマネージャーとして、本学から新たに小澤 徹教授の研究開発プロジェクトが採択されました。
採択プロジェクト
プロジェクトマネージャー
小澤 徹(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「核融合研究のパラダイムを刷新する数理モデルの定式化と解決法のイノベーション」
本研究開発プロジェクトは、プラズマ科学と数理科学の協働により、フュージョン分野の革新的な発展につながる研究課題を数学的に定式化し、その課題解決に挑戦し、核融合技術の基盤を築く取り組みです。数理を共通言語とする学際的な研究開発体制により、核融合炉の「設計ツール」の概念構築と数理的基盤形成を通じて社会実装や人材育成を推進し、研究開発プログラム計画を遂行します。本研究開発プロジェクトの推進により、フュージョンエネルギーの実用化・産業化の実現された社会像を目指し、ムーンショット目標10の達成に貢献します。
ムーンショット型研究開発制度
日本発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進する新たな制度で、内閣官房、内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省等が連携し、研究開発を推進します。総合科学技術・イノベーション会議で決定された10のムーンショット目標について、各目標における研究開発全体責任者であるプログラムディレクターの下、プロジェクトマネージャーは、ムーンショット目標達成および研究開発構想実現に至るシナリオの策定、研究開発プロジェクトの設計、研究開発体制の構築、研究開発プロジェクトの実施管理などを行います。
目標10では、フュージョンエネルギー(核融合反応によって生まれるエネルギー)の実用化に向けて、様々な応用技術が実装された2050年の社会からバックキャストし、その鍵となる課題解決に挑戦する研究開発を実施し、イノベーション創出を目指します。
ムーンショット目標
1. 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
7.2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現
8.2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現
9.2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現
10.2050年までに、フュージョンエネルギーの多面的な活用により、地球環境と調和し、資源制約から解き放たれた活力ある社会を実現
本学では、これまでに以下5名が「ムーンショット型研究開発制度」にプロジェクトマネージャーとして採択されており、プロジェクトを実施しています。
菅野重樹(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「一人に一台一生寄り添うスマートロボット」
竹山春子(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「土壌微生物叢アトラスに基づいた環境制御による循環型協生農業プラットフォーム構築」
由良 敬(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」
青木 隆朗(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「ナノファイバー共振器QEDによる大規模量子ハードウェア」
中垣 隆雄(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「岩石と場の特性を活用した風化促進技術“A-ERW”の開発」