早稲田大学とENEOS株式会社(以下「ENEOS」)は、持続可能な未来社会の実現に向けて、双方が組織的に連携・協力してイノベーションを推進する包括連携活動を行っています※1。
また、早稲田大学は、2018年度文部科学省卓越大学院プログラムにおいて、「パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム」(以下「PEP」)に採択されました(2024年度の補助事業終了後も、2025年度より自走化のうえプログラムを継続運営)。このPEPでは、電力・エネルギー分野の生産から消費までの産業全体を幅広い視点でとらえ、積極的に展開できる人材を育成するための5年一貫の博士人材育成プログラムを実施しており、電力・エネルギー分野で実績のある国公私立13大学と、エネルギーインフラ領域の企業・研究機関との連携により、実践的な研究教育を実施しております。※2
このたび、PEPの連携機関でもあるENEOSの協力のもと、ENEOSの施設において以下の高度技術外部実習を実施いたしました。
1.初級
実施日:2025年8月27日(水)
実施場所:ENEOS中央技術研究所(神奈川県横浜市)
参加者:5名(うち早稲田大学所属学生1名)
実施概要:中央技術研究所内を見学後、「電気化学の基礎」等の講義を受講、「Pythonを用いた水電解シミュレーション」の演習を実施。
2.上級
実施日:2025年8月28日(木)
実施場所:ENEOS根岸製油所(神奈川県横浜市)、ENEOS東京晴海水素ステーション(東京都中央区)
参加者:8名(うち早稲田大学所属学生4名)
実施概要:ENEOS根岸製油所では、「石油精製プロセス」「製油所の主要装置説明」「脱硫プロセスと触媒」等の講義を受講後、製油所内を見学。
ENEOS東京晴海水素ステーションでは、「ENEOSの水素事業紹介」の講義を受講後、水素ステーションを見学。
3.参加者の声
・研究所の紹介では、普段目にする機会の少ない設備や製品を実際に見学することができ、大変貴重な経験となった。座談会では、社員の方々に直接質問する機会を得て、大学での研究と企業での研究の違いについて具体的に理解することができた。今後のキャリアを考える上でも非常に参考になる話が多く、研究の社会的な位置づけや実用化へのプロセスについて改めて考える機会となった。(初級参加者)
・見学を行うことで、研究室ではスライド1枚で説明している技術でも、実際にはあれだけ大きな施設を使用して、多くの人が携わっていることを知り、改めてカーボンニュートラルという目標の壮大さが認識できた。(初級参加者)
・講義前後で製油所に対する意識が大きく変わった。エネルギーシフトに向けて水素やバイオ燃料への取り組みを強化しており、今後エネルギーハブとしての役割がさらに大きくなると感じた。(上級参加者)

初級参加者の集合写真

上級参加者の集合写真

ENEOS中央技術研究所での講義

水素ステーションの見学
早稲田大学は、ENEOSとの包括連携を通じて、脱炭素イノベーションに向けた先進技術開発を推進して参ります。
ENEOS ニュース&プレスリリース:
※1 2019年11月29日「持続可能な未来社会実現に向けたイノベーション推進のための包括連携に関する協定書」締結。
※2 早稲田大学パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム(PEP):
https://www.waseda.jp/pep/