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遠隔地から妊婦を超音波診断 理工・岩田准教授、医療分野のロボット実証実験を実施

早稲田大学理工学術院の岩田浩康准教授らは先月29日、超音波診断ロボットを利用し、遠隔地からの妊婦への超音波診断を想定した実証実験を行いました。

岩田准教授(右端)と実証実験の様子

岩田准教授(右端)と実証実験の様子

超音波診断ロボット

超音波診断ロボット

 

これまでも遠隔地からの妊婦への健診は検討されていましたが、遠隔用の健診機材の重さなど、妊婦への安全面が課題であったため実用化されていませんでした。しかし、今回妊婦の背部に背板を設置し、ワンタッチで上下動できる支柱で背板とロボット本体を接続する構造を取り入れたことで、エコー映像の取得に要する接触力以外の荷重が腹部にかからなくなり、妊婦の身体への負担を大幅に低減できるのが大きな特徴です。

当日は、超音波に対して人体に似た特性を持つ素材に装着したロボット本体を配置した実験場所(神奈川県産業技術センター・神奈川県海老名市)と、超音波胎児診断に実績のある医師がいる遠隔地にある病院(神奈川県立こども医療センター・神奈川県横浜市)とを通信で接続した上で、映像・音声・ロボットへのコマンドを双方でやりとりしながら、遠隔健診に向けて改良すべき課題を明確化していきました。

今後の課題は、医師側からリアルタイムで行われるタッチパネル操作がより細かい動作が必要とされるため、医師側の慣れが必要なのと、また、リアルタイムの操作に対して画像が少し遅れて配信されるので、通信技術のさらなる進歩が望まれる点です。

今回の実証実験は、神奈川県の取り組みである生活支援ロボットの実用化を通じた地域の安全・安心の実現を目指す『さがみロボット産業特区』の一環として行われています。岩田准教授は「私自身が神奈川出身であること、そして首都圏における緊急の妊婦健診にかかる時間を縮めたいという想いがきっかけで今回の研究を行っています。いずれは僻地や在宅診察など、様々な遠隔地での診療に活かせればと感じ、日々研究しています」と語っています。

神奈川県『さがみロボット産業特区』

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