2月2日、学生が考える次世代のゼロ・エネルギーハウス建築コンペティション「エネマネハウス2017」の成果報告会が行われ、早稲田大学を含む6大学が参加しました。2017年12月17日の講評会・表彰式で早稲田大学と芝浦工業大学の合同チームは、鉄骨造の工業化住宅の改修という難題に取り組んだ点を評価され、惜しくも最優秀賞は逃したものの優秀賞とともにチャレンジ賞を受賞しました。
成果報告会における講評(東京工業大学特命教授 柏木孝夫委員)
今後の課題にいち早く取り組み、実証したチームであり、わたしたちが考えている「これからのスマートハウス」の提案だったと思います。他大学と比べても技術的に最先端であり、10年後の住宅予想のように感じました。今後、この提案を活用する住宅も増えてくるでしょう。
審査委員長総括(一般財団法人建築環境・省エネルギー機構理事長 村上周三氏)
エネマネの最大の特徴は、学生自ら考え設計し、ものをつくることだと考えています。最近では学生がものづくりへ関わる機会が減っている中、貴重な経験ができたのではないでしょうか。エネマネハウスは単に省エネ住宅の実証だけではなく、住宅業界の未来をつくる産業ではないかと考えます。短期的な成果ではなく、世界につながる長期的な成果をつくりだしてほしいです。エネマネハウスを経て得たものを元に、日本のさらなる発展に貢献することを期待しています。
チームが考える今後の展望
エネマネハウスは未来の住宅提案のための壮大な実験だと考えています。今回の提案は、躯体は既存部分を一部改変・補強しながら活用し、新設部を増築する改修としました。工業化住宅はメーカー独自の手法でそれぞれ発展しており、構造体に手を加えることは、各々の会社でないと難しいのが現状です。今回は設計・施工期間に悩まされましたが、この実験住宅の建設を通して得た課題を、工業化住宅 既存改修型ZEH実現に向けた足かかりとして活用していただけたらと思っています。