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2024年度 早稲田大学リサーチアワード WASEDA RESEARCH AWARD の受賞者が決定

早稲田大学では、独創的研究の推進と国際的な情報発信力の強化を目的として、2014年に早稲田大学リサーチアワードを設け、大規模な研究を主導的に推進している研究者および国際発信力の高い研究業績をあげている若手研究者を表彰しています。

大型研究プロジェクト推進(Large Research Project)

正賞(賞状)ならびに副賞(大型研究プロジェクト推進は賞金50万円)が授与されます。
大規模な研究を主導的に推進している研究者を表彰します。

国際研究発信力(High-Impact Publication)

正賞(賞状)ならびに副賞(国際研究発信力は賞金30万円)が授与されます。
国際発信力の高い研究業績を挙げている45歳未満の若手研究者を表彰します。

早稲田大学リサーチアワード(大型研究プロジェクト推進)受賞者
WASEDA RESEARCH AWARD(Large Research Project)
(50音順)

※前年度実績に基づく

氏名 研究課題名 研究費受入箇所名
青木 隆朗 ナノファイバー共振器 QED による大規模量子ハードウェア GCS研究機構
由良 敬 1細胞/微小組織マルチオミックスのオールインワン解析による生命科学研究の支援 ナノライフ創新研究機構

早稲田大学リサーチアワード(国際研究発信力)受賞者
WASEDA RESEARCH AWARD(High-Impact Publication)
(50音順)

荒尾 与史彦
荒尾与史彦氏は、複合材料の強化材、機能材として注目を集めているナノ材料の設計、開発、評価に関する研究を進めており、当該分野で顕著な業績をあげている。氏は、高強度で熱伝導率が高いグラフェンや窒化ホウ素などの層状物質を対象とし、独自の技術を駆使して、省エネルギー量産プロセスや資源循環プロセスの開発に取り組んでいる。氏の研究は、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーといった、これからの社会的課題の解決策につながることが期待されている。研究成果は権威ある国際論文誌に多数掲載され、多くの被引用件数を獲得していることから、その影響と価値が国際的に高く評価されていることがわかる。海外研究者との共同研究も推進しており、今後、氏を中心とした国際ネットワークの発展が期待できる。以上のことから、氏は早稲田大学リサーチアワード(国際研究発信力)を受賞するにふさわしい。

鈴木 駿吾
鈴木駿吾氏は第二言語のスピーキング能力、特に流暢性を主な研究分野としており、その研究は先進性・独創性・独自性の面で非常に優れている。さらに、研究分野をリーディング、リスニング、ライティング、語彙にも広げ、その研究は国際的に高く評価されている。鈴木氏は査読つき国際誌に多くの論文を発表するだけでなく、イギリス・オーストリア・オーストラリアの研究者とも共著論文を執筆し、国際的なネットワークを活用して、研究活動を展開している。鈴木氏が査読つき国際誌に発表した論文の被引用回数・被ダウンロード回数も非常に高い水準にあり、その学術的波及効果には特筆すべきものがある。さらに、鈴木氏が研究代表として開発に携わった英会話能力判定対話エージェントシステムInteLLAは外国語教育を通した社会的な波及効果が大いに期待されている。

竹野内 恵太
A devoted and innovative archaeologist, Keita Takenouchi carries forth the strong tradition of Egyptology at Waseda University. By focusing on an archaeological object including fine pottery and stone vessels found in ancient mortuary sites, Takenouchi advances the field of Egyptology in many ways. His careful effort has yielded not only scholarly interpretations of material culture, but a richer understanding of the broader socio-economic context of early Egypt as well. The rigorous scientific analysis he employs in his research, including the use of advanced X-ray CT systems, requires multi-faceted technical expertise. Nonetheless, Takenouchi is able to present his findings in a clear and engaging manner. That he has done so in the top international journals of his field, vetted by its leading scholars, makes his achievement all the more impressive. As befitting the Waseda Research Award for High-Impact Publication, Takenouchi has produced some of his best works in English and shared his findings internationally. Thus Takenouchi has made genuine additions to three fields – Egyptology, archaeology, and archaeological science. In the words of one prominent peer, “It is rare to see all of these covered well by a single researcher.” Takenouchi has managed to do just that.

張 溪超
張氏は、理論や数値計算を用いて、磁気スキルミオンなどのトポロジカル磁気構造体に関する新しい現象の解明や機能を開拓してきた。特に、ナノスケール構造におけるスキルミオンのダイナミクスや高電流効果に関して新たな理論的予測を行っている。過去5年間で67本の論文を発表し、そのうち10本が第一著者論文と、高い発信力を示している。これらの論文では自身の強みを活かしつつ多角的な視点から研究を展開している様子が伺える。この高い発信力と多角的な研究から、2020年から2023年において、スタンフォード大学の世界トップ2%の研究者に選出されている。スキルミオンはトポロジカルに非自明な磁気構造を持つ系で、世界中で研究が進んでおり、磁気不揮発性メモリーの観点からも注目されている。張氏の研究成果は、動的なスキルミオンの挙動を様々な系でシミュレートするもので、将来のスピントロニクスへの貢献が期待されている。

細川 正人
細川氏は、微生物、特に細菌の一細胞レベル解析の分野において、先進的かつ独創的な成果をあげている。特に、微小なゲルビーズと全ゲノム増幅反応、およびマイクロ流体技術を活用し、独自のシングルセルゲノム解析を確立した。本手法は、培養に依らずに群集内の細菌のゲノム解析を個別に行える点で優れており、従来のメタゲノム解析と組み合わせることで、細菌群集内における特定の細菌の役割を明らかにすることが可能である。これらの成果は、「Microbiome」などの高インパクトな国際論文誌に多数発表されており、国際的にも高く評価されている。さらに同氏は、早稲田大学発のスタートアップ企業「bitBiome株式会社」を2018年に創設し、国際的なネットワークを活用して研究活動を展開し、その成果を社会に還元している。同氏の研究は、バイオエコノミーの発展や持続可能な社会の構築に寄与するだけでなく、ヒトの健康長寿にも貢献することが期待され、学術的・社会的波及効果は極めて高いと評価できる。

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